ご遺体安置ってなに? 何故、どこに安置するのか

病院や施設などでお亡くなりになった方は、速やかにご安置先に搬送しなければなりません。ご安置先は自宅か安置施設のいずれかです。それぞれのメリットとデメリットを交えながら、ご遺体の安置について解説いたします。

ご遺体安置とは

ご遺体安置とは、病院や警察の手を離れた故人さまを、通夜や葬儀までの間、一時的に安置しておくことを指します。日本の法律では、原則的に死後24時間は火葬ができないため、病院などを出たあと、どこかに安置するのが基本です。

安置場所は、ご自宅、または葬儀社などが保有する安置施設のいずれかです。それぞれのメリットやデメリットを解説いたします。

自宅安置のメリット

ご自宅へのご安置にはどのようなメリットがあるのでしょうか。

●故人が自宅での最期を望んでいた
自身が息を引き取る場所として、最も多くの人が「自宅」と答えている反面、実際には病院で息を引き取る人が大半なのが実情です。ご逝去後に、せめて自宅に安置することによって、故人の希望を叶えてあげることができます。

●故人とゆっくり過ごせる
住み慣れた自宅に故人様をご安置することで、残された時間をゆっくりと過ごすことができます。

●お寺の枕経や、親戚や近所の弔問を受け入れられる
自宅にご安置することで、お寺によるお勤め(枕経)をいただけますし、ご親戚や近所さんなど、ご縁のあった人たちに弔問していただけます。

●安置費用がかからない
わが家にご安置するので費用がかかりません(ただし、ご遺体保全のためのドライアイス料金はかかります)。

自宅安置のデメリット

次に、ご自宅へのご安置のデメリットを取り上げます。

●近所や周りの目に触れる
家族葬を希望している場合、あるいは身内に不幸があったことを知られたくない場合は自宅への安置はおすすめできません。ご遺体の搬出入や、葬儀社スタッフの出入りなどで、近所や周りの目にどうしても触れてしまいます。

●安置のスペースがいる
故人様をご安置する場合には、そのスペースが必要となります。ご遺体をお寝かせし、枕飾りの祭壇を組むので最低でも畳2帖分は確保しなければなりません。また、ご遺体の搬入や、僧侶やお参りの方々の導線も確保し、きちんと整理整頓しなければなりません。家の間取りが狭い場合、逆に窮屈を感じることもあるかもしれません。

●遺体の管理が大変
ご遺体の状況によっては衛生面での保全管理に苦慮するかもしれません。ご遺体には通常、ドライアイスが当てられますが、それ以上の手当が必要な場合、ご自宅に安置できないことも起こりえます。また、ご逝去から葬儀まで日数が空く場合も、自宅に安置しておくことでご遺体の状況が変化する恐れがあります。

安置施設のメリット

葬儀社の安置施設の利用の場合、次のようなメリットがあります。

●自宅に安置できない場合に助かる
マンションやアパートで自宅に搬入できない、自宅のスペースに限界がある、近所に知られたくないなどの理由で自宅に安置できない場合に重宝します。

●遺体の管理が安心
安置施設には冷蔵設備もあり、スタッフもより身近に遺体を管理できます。ご遺体の保全面でも安心です。

●周りに知られることがない
家族葬が多い昨今では、葬儀そのものを知られたくないという人も少なくありません。安置施設を利用することで周りの人たちに知られずに済みます。

安置施設のデメリット

葬儀社の安置施設を利用することには次のようなデメリットもあります。

●面会やお参りに制限がある
安置施設では、他の家の複数のご遺体を預かっています。面会時間が決められている、ローソクやお線香などの火の使用が禁じられている、お経を読んではいけないなどの、さまざまな制限や条件があります。

●費用がかかる
安置施設の利用料金が日額でかかります。相場は一日あたり1万円程度で、日数が増えるごとに喪主の費用負担が増していきます。

●故人とゆっくり過ごせない
故人さまを葬儀社に預けると、面会こそできるものの、次に再会するのは、お通夜や葬儀の当日です。それまでは、夜伽や寄り添いなど、故人さまとゆっくり過ごすことができません。

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