葬儀で悩む喪主の挨拶 気を付ける事や大切にしてもらいたい事

葬儀の中で、喪主は参列者に対して挨拶をしなければならない場面がいくつかあります。
故人との死別の中で心が落ち着かない、慣れない葬儀の挨拶で緊張してしまう、人前で話すのが苦手だ、こういう人もたくさんいることでしょう。
この記事を読んでいただき、そんな皆さんが少しでも喪主の挨拶について理解してもらえれば幸いです。

喪主挨拶のタイミング

喪主の挨拶は次の三つの場面が挙げられます。

通夜の閉式後
お通夜を終えた後に、親族やその場に居合わせる参列者に向けて御礼の挨拶を行います。ただし地域によっては、お焼香を終えた参列者を閉式を待たずに通夜振る舞いの席へ案内します。その場合は、座席に座ったままの座礼、あるい入り口に立っての立礼とすることもあります。

(例文)通夜閉式後

私は、故人の長男にあたります、三鷹次郎でございます。ひとことご挨拶をさせていただきます。
本日はご多用中にも関わらず、亡き父、三鷹太郎の通夜式にご参列賜り、誠にありがとうございます。そして、生前に故人が皆様より頂戴致しましたご厚誼につきましても、厚く御礼を申し上げます。
父は●●病院にて、懸命に病と闘いましたが、令和3年1月15日、帰らぬ人となり、80歳の生涯を閉じました。仕事が趣味の父でしたが、晩年は私たち息子夫婦や孫たちのことをかわいがり、旅行を趣味として、家族みんなで全国各地に赴いたのが忘れられない思い出です。
これからは、家族一同父の分まで精進していく所存でございます。どうそ、皆様方におかれましては故人の生前と同様のお付き合いを頂きけましたら幸いです。ご指導ご鞭撻の程、何卒お願い申し上げます。
以上、ご挨拶とさせて頂きます。

本日は誠にありがとうございます。

告別式後の出棺挨拶
告別式を終えた後の出棺挨拶が、喪主がすべき挨拶の中で最もメインとなるものでしょう。これから荼毘に付される故人を前にして、親族や参列者に向けて御礼の挨拶を行います。

(例文)告別式後の出棺挨拶

出棺に先立ちまして、遺族を代表して一言ご挨拶申し上げます。喪主を務めます、故人の長男の三鷹次郎でございます。
本日は、ご多用中のところ、父 三鷹太郎の葬儀・告別式にご会葬くださり、誠にありがとうございました。生前故人が賜りましたご厚誼に対しましても、深く感謝申し上げます。
これより父は、多磨斎場に向けて出棺し、荼毘にふされます。
3年にも渡る期間、闘病を続けておりましたので、私たち家族も覚悟はしておりましたものの、実際にこのときを迎えますと悲しみで一杯でございます。
しかし、このように皆様にお集まり頂いたことにより、父も喜んでくれているかと思います。今後は、私たち息子やその家族たちで、残された母を支えながら、父の分ま力を合わせて頑張っていく所存でございます。
以上、簡単ではございますが御礼のご挨拶とさせていただきます。本日は誠にありがとうございました。

精進落とし
一連のお葬式の最後にとる食事のことを精進落としと呼びます。精進落としを始める前に、最後まで付き合ってくださった親族に向けて御礼の挨拶をします。

(例文)精進落とし

故人の長男、三鷹次郎でございます。
昨夜の通夜式、本日の葬儀式ならび告別式と2日間に渡ってお付き合いを頂き本当にありがとうございました。みなさまのお陰をもちまして、滞りなく父の葬儀を終えることができました。
父はこのような形で遺骨になってしまいましたが、これからは私たち家族が力を合わせて父の分までがんばってやっていきます。また、今後も納骨や法要などが控えております。引き続き、皆様方のお力添えを頂ければと存じます。
以上、甚だ簡単ではございますがご挨拶とさせて頂きます。
精進落としということでお食事をご用意いたしましたので、どうぞ、父のことをお偲びいただきながら、ゆっくりとお召し上がりくださいませ。本日は誠にありがとうございました。

挨拶のポイント

挨拶をするときには、次のポイントをおさえておきましょう。

上手にしようとしなくても大丈夫
誰もが慣れないお葬式で、誰もが慣れない挨拶です。まして喪主は、身内の不幸を最も中心となって弔わなければならない立場にあります。上手に話そうとせず自分の言葉で挨拶をすれば大丈夫です。

紙を読みながらでも大丈夫
人前で何を話していいのか不安な人は紙を読みながらでも構いません。自分で文章をまとめてもいいですし、葬儀社が用意した文例集を参考にしても良いでしょう。インターネットでも様々な挨拶の文例があります。

代理を立てても大丈夫
どうしても喪主が挨拶できない時は、代理を立てても構いません。自己紹介の際に「喪主に成り代わり」と一言添え、故人との関係を伝えましょう。

喪主挨拶で気をつけること

喪主の挨拶ではつぎのことに気を付けましょう。

感謝の気持ちを素直に伝える
故人の死に対してさまざまな感情を持つことになると思いますが、喪主挨拶の場では参列者に対して感謝の気持ちを素直に伝えましょう。

冗長にならない
あまり挨拶が長くならないようにします。伝えたいことがたくさんある気持ちはわかりますが、挨拶の後にもしなければならないことがあるため、3分から長くても5分が目安です。

不吉な言葉や重ね言葉を用いない
たびたび、重ね重ねなどの忌み言葉は控えます。

いかがでしょうか。
何も難しい事を話そうとはせずに、故人のこと、参列してもらったことへの感謝を端的に伝えましょう。
上手に話さなくても構いません。あなたの言葉できちんと語ることでときっと思いは伝わるはずです。

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