新型コロナウイルスの感染拡大をめぐって、葬儀の参列への考え方が大きく変わろうとしています。
「不要不急の外出は控えるべき」との戒めが日本中に行き渡っていますが、ではお葬式への参列はどのように判断すればいいのでしょうか。
※この記事は令和3年2月6日時点で執筆されたものです。
コロナ禍で、葬儀のコンパクト化が進む
新型コロナウイルスの影響で、葬儀のコンパクト化は一気に加速したと言えます。これまでも、少子高齢化や核家族化により家族葬や一日葬が普及していましたが、それが新型コロナウイルスによってさらに押し進められたと言えるでしょう。
ですから、社会はより家族だけでの葬儀に寛容になっていくものだと思われます。これまでは「参列しなければ」「お呼びなしくては」と思われた範囲の人たちも、参列を控える、呼ばないということも珍しくなくなるでしょう。
「コロナが心配だから家族だけで葬儀をします」
「遠方の移動はこわいから、参列を控えさせていただきます」
しばらくの間は、こうしたやりとりが当たり前になっていくものと思われます。
葬儀は重要緊急の用事だが…
とはいえ、葬儀はいまでも不要不急の真逆「重要緊急」の用事だと言えるでしょう。
これまでの日本社会では、どんな仕事やどんな用事よりも葬儀への参列が優先されてきました。
学校や職場で忌引きや慶弔休暇が認められているのは、葬儀への参列が大切であるという認識がベースにあるからです。
しかし、この重要緊急度は故人との距離によって変わってきます。故人の配偶者、または子や孫などの直系親族にとっては、重要緊急度は高いでしょう。
また、傍系親族の中でも故人の兄弟姉妹にとっても葬儀の参列は大切なものですが、その配偶者や子や孫となると、重要度は少し下がるでしょう。
このあたりの線引きは大変難しく、マニュアルがあるわけではありません。
家族や親戚間との関係性や、それぞれの考え方を尊重しながら決めていくしかありません。
最近では、直系家族だけで行う家族葬が急激に増えました。わたしたち東葬祭のある東京都内でも、これまで家族葬といえば20名〜30名程度でしたが、10名前後のお葬式が本当に増えたというのが実情です。
とはいえ、第1回目の緊急事態宣言が解除されて以降、参列人数は徐々に増え始めたものの、2回目の緊急事態宣言でまた減るなど、どこまでの人に声をかけるかは世の中の動きと連動しそうです。
参列する上での注意点
さて、「亡き人の最後を見送りたい」「親戚付き合いをしていくうえで参列しなくきゃ」と考えること自体はまったく自然なことで、むしろ参列をとがめないでほしいと思うのが弊社の正直な思いです。大切な方の最期ですから、ご縁のあった方々には最後のお別れをしてほしいものです。参列そのものを控えるのではなく、むしろ、参列する時の注意点を怠らないようにしましょう。
基本的には、「距離を取る」「マスクの着用」「手指の消毒」の三点の徹底です。東葬祭でも、各会場でコロナ対策を徹底し、可能な限り万全の対応をしてご遺族や参列者の方々の受け入れをしております。
そして、これまで通夜や葬儀の後に必ず行われていた会食は、縮小あるいは中止にするケースが増えました。やはり多くの方は食事の席を気にされますし、社会全体的に見ても、会食の席がクラスターになっているケースがあちことで見られるので、仕方のないことです。
お葬式における会食とは、故人とのつながりや遺されたもの同士のつながりをより強くするために大切な時間でしたが、いまはなにより感染拡大防止が優先されます。東葬祭では持ち帰りのお弁当をお勧めしております。
自粛の促し方、参列の断り方
参列を控えてもらいたいとき、喪主はどのような言葉をなげかければよいのでしょうか。
ポイントは「あなたのため」「故人のため」という視点に立つことです。
「万が一あなたに感染しては申し訳がないから、このたびの葬儀は家族だけで行います」
「故人のために集まったことによって万が一クラスターが起きたら、誰が一番悲しむのはきっと故人で。そのためにも、今回は参列を見送って頂けませんか?」
こういうスタンスで参列を遠慮してもらいましょう。
とはいえ、関係者にも故人を弔い権利があります。
新型コロナウイルスが落ち着いたころに、法事やお別れ会を開催するなどの、代替案を用意する配慮も大切です。
感染防止と故人への弔い。この相反する両者をどのようにバランスをとっていくか。悩ましい問題です。
コロナ禍の中で葬儀にさまざまな不安を持たれているかと存じます。不安や疑問に思うことがございましたら、どうぞお気軽に東葬祭までご相談ください。お申し込みフォーム、またはお電話にて承ります。
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