セクシャルマイノリティ(LGBT)の方の葬儀 パートナーが気を付ける事や注意点

セクシャルマイノリティ、いわゆるLGBTの人は日本の人口の7~12%と言われています。
生き方の多様性が求められているものの、実際の社会生活の中では生きづらさを強いられています。
さらに、冠婚葬祭のような「イエ」が関わる場面では、肩身の狭い想いを強いられてしまいます。

満足に送り出せないパートナーの葬儀

もしも長く連れ添ったパートナーが亡くなってしまった場合、多くは故人の親族が葬儀を行います。
配偶者と認められない以上、喪主として葬儀を取り仕切ることはできませんし、
親族として参列することもできません。
2018年には、大阪府のゲイ男性が、
40年以上連れ添った同性パートナーの火葬の立ち合いを拒まれ、共に築きあげた財産も相続できないとして、親族を相手に訴えを起こした例もあります。

また葬儀だけでなくお墓の埋葬もカップル同士が自由に入ることが許されない現状があります。明治時代以降、お墓は家単位で承継されてきました。
どんなに個人の時代と言われていても、個人よりも家族や血族を優先する風潮は、冠婚葬祭の現場では特に顕著です。

LGBTをサポートする制度の活用

社会の中に根強く残っている親族や血族優先の慣習の中で、少しでも自分たちらしい最期を迎えるために、LGBTの人たちが活用できる制度をご紹介します。

遺書

遺書を残しておくことで、遺されたパートナーにさまざまな権限が与えられます。
遺産相続人をパートナーにしておくことや、葬儀やお墓をパートナーに取り仕切ってもらうこと(祭祀承継者の指定)もできます。
ただし、遺産相続には故人の家族や親族にも、法定相続人として遺留分(最低限の取り分)が保証されていますし、祭祀承継者と認められたとしても、親族の反対なしに進めるにはさまざまな困難がつきまといます。

養子縁組

夫婦ではではないものの、養子縁組を結んで親子関係となることで、家族としてのさまざまな権利が与えられます。
ただし、夫婦ではないことのデメリットもあります。
たとえばパートナーが浮気をしてしまうことで不和となったとしても慰謝料請求はできませんし、将来的に同性婚が認められたとしても、一度親子関係になってしまうと結婚できません。

任意後見制度・死後事務委任契約

任意後見制度とは、パートナーが判断能力を失ったときに、生活費や財産を代理で行う人を指定する制度です。
また、死後事務委任契約を結んでおくことで、パートナーが亡くなったあとの死後事務(葬儀やお墓の手配、病院代の支払い、行政へのもろもろの手続きなど)を行えます。
渋谷区や世田谷区を皮切りに、最近では日本中の自治体が同性パートナーシップ証明制度を導入しています。
われわれ東葬祭も、ひとりひとりが自分らしく住みやすい社会になるよう、さらには葬儀や財産分与やお墓の問題も含めて、イエよりも個人が尊重される時代が一日も早く実現するよう願うばかりです。

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