コロナ禍社会では、何よりも「3密」を防ぎ、感染拡大防止を第一に考えます。
政府の示した『新しい生活様式』では、身体的距離の確保、マスクの着用、手洗いの3点を強調しています。
これを葬儀の現場に落とし込もうとすると、どうしても規模の縮小に向かざるを得ません。
葬儀や火葬は家族だけで行い、親戚や関係者の参列を自粛してもらう、いわゆる「自粛葬」が広がりを見せています。では、自粛葬にはどのような方法があるのでしょうか。
これまでも葬儀の小規模化はいろいろなところで見聞きしてきました。「家族葬」や「直葬」ということばが当たり前のように使われ出したのもこの20年から30年程度です。
コロナ禍社会では、この小規模化の傾向はどんどん加速するものと思われます。自粛葬の具体例を見ていきましょう。
火葬式(直葬)
火葬式(直葬)とは、通夜や葬儀などのセレモニーを執り行わずに火葬だけをおこなう葬儀スタイルです。
これまでも、葬儀費用を抑えたい人や、葬儀を不要と考える人、身寄りのない人たちの葬儀で選ばれてきました。
従来の葬儀では、通夜や葬儀で長時間葬儀会館にいなければならず、たくさんの親戚や参列者との会話を交わします。
また、飲食の席も設けられ、3密とはほど遠い環境だったと言えます。こうした反動から、これからの社会ではコロナウイルス感染拡大防止という理由から、火葬式が増えるかもしれません。
家族葬や一日葬
通夜や葬儀などのセレモニーは行うけれど、極力少人数で行う葬儀として、家族葬や、一日葬がより多く選ばれることでしょう。
家族葬の参列規模の線引きは、その家の考え方によってさまざまでしたが、親戚の参列も辞退するというケースが増えるかもしれません。
そして、家族だけで行うのなら2日に分けてセレモニーをする必要がないとの考え方から、葬儀の1日化により拍車がかかる可能性もあるでしょう。
オンラインの活用
葬儀には直接足を運ぶのが当たり前だと思われていました。わざわざ故人や遺族のいるところまで駆けつけることが、最大の弔意の示し方だったからです。
この人間本来のつながりのための「会う」という行為が自由にできないのがコロナ禍社会の最大の特徴です。
そんな時代だからこそオンラインの活用があります。
YouTubeなどを用いて葬儀の模様を配信するオンライン葬儀の試みが各地で見られますが、「普及している」とまでは言えないのが現状でしょう。しかし、先行している葬儀社では、オンラインで次のようなサービスを実施しています。
●葬儀のライブ配信
●訃報の配信
●会葬受付
●香典のキャッシュレス決済
●弔電、供花、返礼品などの受発注
普及こそしていないものの、オンラインの活用はプラス要素が多いと言われています。これまでは、葬儀会場に行く、行かないの2択でした。行けない場合は香典や弔電や供花などを送って弔意を示すことくらいしかできませんでした。
これはいわば、参列者側の想いを遺族側に伝えるだけに過ぎず、故人のご縁のあった人たちにとってのお別れの場の提供ができないという課題が残ります。
しかし、オンライン葬儀によって「行く」「行かない」のちょうど中間的なツールを提供できるようになったのです。
現地には行けないけれど、遠方からリアルタイムで葬儀を見届け、故人様を見送ることができる。この意義は大きいものがあります。
実際に、葬儀業界よりも先に、寺院業界ではオンラインの活用が末寺にまで及んでいます。導入はそんなに難しいものではなく、葬儀や法要のライブ配信だけであれば、スマホやパソコン1台あればできるのです。
中には遺族の方が参列者席からスマホを取り出して、LINEなどのグループ通話で葬儀の模様を伝える光景が見られます。これも立派なオンラインの活用です。
今後、オンライン葬儀がどこまで普及していくかは、葬儀業界のITリテラシーがどこまで高まるかによるでしょう。弊社にとっても取り組まなければならない大切な課題です。
葬儀前後のオンラインの活用の可能性も考えられます。たとえば、先日ロンドンブーツ1号2号の田村淳さんが始めた「itakoto」のような、クラウド遺言サービスもさらに普及していくかもしれません。
感染拡大防止はとても大切なことです。
その一方で、遺された人が満足に故人を送り出せるか。コロナ禍社会で、亡くなっていく人がこの世での人とのつながりを実感しながら旅立てるか。
葬儀社に課せられる問題は山積していますが、一方で新たな葬儀のスタイルの可能性は広がっているとも言えるでしょう。
コロナ禍の中で葬儀にさまざまな不安を持たれているかと存じます。不安や疑問に思うことがございましたら、どうぞお気軽に東葬祭までご相談ください。お申し込みフォーム、またはお電話にて承ります。
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