コロナ緊急事態宣言終了後のお葬式のマナー マスク着用は失礼にならない?

新型コロナウイルス感染症は、2023(令和5)年5月8日から「5類感染症」になりました。とはいえ、コロナはいまだに流行を続けています。

この記事を執筆している2024(令和6)年8月現在、夏に起こるものとしてはこれまでの最大規模の流行(第11波)が懸念されています。

緊急事態宣言が解除され、第5類に移行したとはいえ、いまだにコロナに気を付けながら生活をしなければなりません。
お葬式に参列する際も、私たちはどのようなことに気を付ければいいのでしょうか。感染予防対策として最も有効なマスクの着用は、失礼に当たらないのでしょうか。解説します。

感染対策「5つの基本」をおさらい

まずは、厚生労働省が発表した5類後の対策である「5つの基本」をおさらいしましょう。
緊急事態宣言下では、「新しい生活様式」として、次のことが推奨されました。

  • ソーシャルディスタンス(2m以上の間隔)
  • マスクの着用
  • 人の多い地域や県跨ぎの外出自粛
  • 3密防止

新型コロナウイルスが5類に移行したあとの感染対策として、厚生労働省の専門家会合のメンバーらは「5つの基本」を挙げています。

体調不安や症状があるときは自宅で療養するか医療機関を受診すること
その場に応じたマスクの着用やせきエチケットの実施
3密を避けることと換気
手洗い
適度な運動と食事

お葬式の参列においても、これら「5つの基本」を照らし合わせて判断するのがよいでしょう。

お葬式のマスク着用は問題なし!

新型コロナウイルスが5類に移行したあとも、葬儀に参列する際のマスクの着用は何ら問題なく、マナー違反には当たりません。

マスクの着用の理由はさまざまです。自身が体調不良で周りの人たちに迷惑をかけたくないから、あるいは自身は元気だけど、コロナが流行して感染したくないからなどが考えられます。

いずれにせよ、自身の判断でマスクを着用した方がいいと思ったのであれば、そのようにして問題ありません。

マスクの色は黒でも白でも構わない

新型コロナウイルス感染症によって、マスクはよりわたしたちの日常に浸透したアイテムとなりました。一時期に比べてコロナが終息したあとも、マスクを着用し続けている人は一定数います。

また、コロナ前はマスクといえばほとんどが白でしたが、コロナ後は白に加えて、黒、ベージュ、ネイビーなど、さまざまな色のものが販売されています。

葬儀や法事の場で着用するマスクはどのような色がよいのでしょうか。結論は、黒でも白でも構いません。

葬儀に参列する際、黒の喪服に身を包みますが、マスクまで黒にする必要はありません。白のマスクが周囲に不快な想いを与えることはありません。

また、黒や白以外でも、ベージュやネイビーなど、落ち着いた色であれば問題ないでしょう。

一方で、華美な色や柄が入っているものは避けるべきです。葬儀はあくまで慎ましやかにしめやかに行われるものですから、華美な印象を与えるものや、個性が出てしまうマスクは控えるようにしましょう。

マナーは誰のためのもの?

マナーは、周囲の人たちへの心づかいの慣習化したものです。大切なのは、相手がどう思うかな? という相手目線に立つことです。

「マスクをして参列したら不愉快に思うかな?」と考えてみてください。誰も不愉快になんて思いません。むしろ、コロナ後のいまの日本社会では、マスクの着用は、自身を大切にすると同時に周囲への配慮のためのアイテムです。

マナーというものは、社会状況や人々の価値観によっていくらでも変わるものです。パンデミックを経て、私たちのマナーも新しい形に進化しています。だからこそ「喪主や遺族、周囲の参列者にとって迷惑や失礼に当たるだろうか」という他者目線が大切です。

マスク以外のコロナ対策(参列者)

もしもあなたが体調不良であったり、感染を恐れているのであれば、マスクの着用以外にも次の点に付けて、新型コロナウイルスの感染拡大防止に努めましょう。

●こまめな消毒
マスク着用と同じくらいに大切なのが手指のこまめな消毒です。斎場の入り口には必ずアルコール消毒液が設置されているので、消毒してから出入りします。

●会話はなるべく最低限に
会話もなるべく最低限に留めます。言葉をかけるときには必ずマスクを着用し、簡潔に述べましょう。

マスク以外のコロナ対策(喪主)

葬儀を主催する喪主ができるコロナ対策には次のようなものが挙げられます。

●会食を控える
葬儀では欠かすことのできない通夜振る舞いや精進落としなどの会食の席ですが、コロナ禍以降は会食を控え、持ち帰りのお弁当、好きな品を選べるカタログギフトを配るなどの新たな方法も選ばれています。近年は葬儀後の会食もかつてと同じように行われていますが、もしもコロナが気になるのであれば、このような代替案を検討してもよいでしょう。

●来てもらう人を限定する
コロナ禍以降、5類に移行したあとも葬儀は小規模化しています。遠方の方、高齢者の方、あるいは縁戚の方の参列は辞退してもらい、近親者だけで執りおこなうのも感染症対策の一環です。

まとめ

いかがでしたでしょうか。

コロナ後の葬儀では、マスク着用は失礼ではなく、むしろ周囲への配慮として推奨されます。色は白や黒、落ち着いた色が無難です。体調に不安があれば、マスクや消毒、会食の制限を徹底しましょう。

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