喪主とは、故人様から最も近く、喪に服す主体であると同時に、葬儀を取り仕切るもののことを指します。葬儀の中で、喪主はどのようなことをしなければならないのでしょうか。
喪主の決め方
喪主の決め方に明確な決まりはありませんが、多くの場合は配偶者や子が務めます。葬儀だけでなく、その後の仏事でも中心となって故人の供養を取り仕切るであろう人が務めます。家族の中で、誰がお寺とのやり取りをするのか、仏壇やお墓を見るのか、ということを考えながら、喪主を決めていきましょう。
とはいえ、すべての役目を喪主ひとりが背負うのはとても大変なことです。お寺とのやりとちは配偶者が務めて、葬儀社との折衝は子が行う。喪主は長男が務めるが、費用負担は兄弟が分担するなどのケースも見られます。
喪主の服装
正式な服装は和装ですが、最近では洋装でも構わないとされています。男性の場合は黒無地の着物かモーニング、しかし現実的にはダブルやシングルのブラックスーツが用いられています。女性の場合も、和装か、ブラックスーツやアンサンブルを着用します。
喪主の挨拶
通夜や葬儀の中で喪主が挨拶をしなければならない場面がいくつかあります。
- 通夜閉式後の挨拶
通夜を終えた後に、参列者に対して御礼の挨拶を行います。しかし通夜の終え方は地域によって異なり、一般参列者は焼香後、閉式を待たずに通夜ぶるまいに案内されたり、帰宅することもあります。この場合、通夜後の挨拶は省略されるでしょう。
- 出棺前の挨拶
葬儀告別式を終え、出棺に先立つ形で参列者に挨拶をします。親族は火葬場に向かいますが、参列者は出棺を見届けてから帰宅するのが通例です。
- 精進落とし時の挨拶
火葬後、精進落としの食事を始める前に挨拶をします。ここでは、通夜葬儀、そして火葬まで立ち会ってくれた親戚の人たちに対しての御礼を述べます。
喪主の焼香
焼香は、喪主から始まります。葬儀社スタッフの指示に従って、焼香をしましょう。焼香後は、座席戻る場合は、参列者に対して立礼をするなど、状況によってさまざまです。
弔問客への対応
喪主は、式中は最前列に着席し、儀式に臨みます。参列者の焼香の際は、座礼、あるいは立礼でお礼をします。そのほか、式の前後でさまざまな参列者がお悔やみを述べに来るので、それらに対応しなければなりません。また、寺院に対しても、式の前には挨拶に、式を終えたあとにはお礼を述べに控室に向かいます。これらすべてを喪主が行うのはとても大変なことです。喪主がすべき役割を、少しでも遺族全体で分担するのが理想でしょう。