葬儀の時にお坊さんからいただく戒名。はたして戒名って必要なのでしょうか。
「名前を付けるだけで何十万円もとられるなんて損だ」
「どうして亡くなった人に新たな名前を付けなきゃいけないの?」
こうした声が聞こえる反面、
「すてきな戒名を頂いてありがとうございます」
「故人さまらしい名前だね」
などと、授かった戒名に感謝したり和んだりと、ほっこりする場面があるのもまた事実です。
この記事では、日ごろ葬儀の現場に携わるものとして、戒名を付ける意味について考えたいと思います。
戒名は仏弟子としての新たな名前
戒名とは、仏弟子としての新たな名前のことです。「戒」とは、お坊さんが守るべき決まりごとのことですが、お坊さんが出家する時には必ずこの戒をさずかり、その証として与えられる名前が戒名なのです。
ですから、亡くなった人ではなく、生きている人でも、出家したら戒名が授けられます。
たとえば、作家の瀬戸内晴美さんは、出家して瀬戸内寂聴という戒名を授かりました。最近よくメディアで見かけるインドで出家された小野龍光さんも、もとは小野裕史というベンチャー投資家でした。
亡き人を出家得度させる「没後作僧」という文化は日本独特のもののようです。この始まりは、江戸時代の檀家制度のようで、なかば強制的だったと言えますが、一方でこの文化が、「亡き人も、新たな世界を生きている」という日本人の素朴な信仰をさらに強固にしてくれた感があります。
「この世界ではいろいろ大変な思いをしてきたけど、あちらの世界では仏さまに守られて幸せにいてくれているよね」
こうした信仰が、遺族の安心感につながるのではないでしょうか。
戒名に込められる生前の記憶
また、戒名には故人さまの生前の一文字が加えられ、その前後には、故人さまの人柄や生きざまを象徴する文字が配されます。
たとえば、俳優の石原裕次郎さんは「陽光院天真寛裕大居士」というまさにスター性を感じさせる文字の配列ですし、歌手の美空ひばりさんの「茲唱院美空日和清大姉」という戒名には、生涯を歌に捧げた生きざまが込められています。
お仏壇やお墓の前で、亡き人に向き合う時、戒名が思い出やつながりを想起させるよるべとなってくれるのです。
僧侶に供養をしてもらうことの安心感
わたしたちは毎日自分たちの手で故人さまを供養し、安寧を祈りますが、それでも自分たちだけの力では心もとなく感じることも多々あります。
「この供養の仕方であってるのかな?」
「故人さまは成仏してくれているのかな?」
だからこそ、供養の専門家であるお坊さんがいてくれています。一周忌や三回忌など、あるいは毎年のお盆参りなど、定期的なお坊さんによる供養が、私たちを安心させてくれます。
お坊さんの供養はその宗派の教義や儀式に則って行われます。故人さまにはその宗派に即した名前を授けることで、より供養されていることの実感が伴うのです。
生前戒名は、自分のために、遺族のために
戒名と聞くと葬儀の時に頂くものと思いがちですが、生きていながら、普段の生活をしながら戒名を授かることもできます。お寺が営む儀式(授戒会)などに参加することで、仏弟子としてのセカンドネームを頂けるのです。
生前戒名は、これまでの自分の半生を振り返り、これからの残りの人生を仏弟子として、善き行いをしながら生きていくための「杖」のようなものです。
また、生前戒名をもらっておくことで、葬儀の時の戒名料の負担を軽減できます。
生前戒名はまさに、自分のために、そして遺された人たちのためにも有効です。
いかがでしたでしょうか。悪者にされがちな戒名ですが、これだけたくさんのメリットがあるのもまた事実です。
もちろん、お坊さんを招かない葬儀、戒名のない葬儀を行う人も一定数いますし、最近ではそうした声に柔軟に対応してくれるお坊さんも少なくありません。
戒名のこと、葬儀のことでお悩みの方は、まずはAZUMA葬祭にご相談下さい。
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