故人との関係が特に親しい場合や仕事上のお付き合いが濃い場合、弔辞を依頼されることがあります。
故人や遺族への思いを述べる大事な役割ですので、できれば引き受けられるといいですね。
弔辞を引き受けた場合、まず文面を考えることになります。今回は弔辞を作成する際の注意点をまとめてみました。
使ってはいけない「NGワード」がある
弔辞は故人への思いと遺族への哀悼の意を表するものです。
心がこもっていることが大前提ではありますが、葬儀という大切な場面で使ってはいけないNGワードも存在します。
弔辞の文章を作成する際には次のような点に気をつけましょう。
重ね言葉や表現は置き換える
・「繰り返し」を連想させる単語
例)重ね重ね たびたび またまた いろいろ
これらの単語は、死や不幸が繰り返されることを連想させるため、避けましょう。
・「続く」ことが連想される単語
例)再三 再び 重ねて 続いて
上記と同じ理由で、続くことが連想される単語も避けましょう。
【置き換え例】
重ねて、重ね重ね → 加えて、深く
また → さらに、改めて
再三、何度も → 大変多く、ひんぱんに
たびたび、しばしば → よく、しげく
再び → 今一度
いろいろ → 多くの
直接的な表現も置き換える
露骨に直接的な表現を使うことも避け、置き換えましょう。
【置き換え例】
「死ぬ」→「亡くなる」
「死亡」→「逝去」
「生存中」→「生前」
「生きているとき」→「お元気なとき」
「四」「九」は使わない
数字の四は「死」そのものを、九は「苦しみ」を連想させることから、葬儀の場では避けたほうがよいとされています。
宗教によって異なるNGワード
葬儀がどの宗教で執り行われるかによって、言葉にも注意が必要です。
【仏教】「浮かばれない」「迷う」という言葉は避けましょう。
【神式・キリスト教】「冥福」「供養」「往生」「成仏」は仏教用語ですので使わないようにしましょう。
立場によって使い分ける
宗教とは関係ありませんが、「大往生」「天寿を全う」といった表現は遺族側が使うべきですので、参列者の立場では使わないようにしましょう。
このようにいくつかの点に留意したうえで、哀悼の気持ちが伝わる弔辞を述べられるとよいですね。