これまで、お葬式といえば通夜と葬儀(告別式)が一体となったものが主流でした。
しかし最近ではこの通夜を省略する人が増えており、こうした葬儀スタイルは「一日葬」と呼ばれています。この記事では、一日葬についてわかりやすく解説いたします。
そもそも通夜とは
通夜とは、故人の死を悼む儀式のひとつで、生前の思い出を語り合い、故人の別れを惜しみます。また、昨今主流となっている通夜式では故人の霊を鎮めるために、僧侶が読経を上げ、親族や参列者は弔意を込めて焼香します。
通夜の語源は、「夜通し」という言葉から来ています。 かつては、故人に夜通しで寄り添い、霊を見守るという風習がありました。しかし、現代では夜通しで故人に寄り添うことは少なくなり、一定の時間に親族や友人が集まって行う儀式のことを指すようになりました。
現在の通夜式は、仕事や学校などを終えた後、比較的弔問しやすい時間帯として、葬儀前日の夕刻、午後6時や午後7時を開式時間とすることが多いようです。
葬儀会館で行われることの多い通夜式では、故人の趣味や人柄を反映した演出も増えており、故人の思い出をより深く振り返ることができます。 また、遠方に住む親族や友人が参列できない場合には、オンラインで通夜に参加することも可能です。
通夜は夕暮れからの風習が変化し続けてきたものですが、故人を偲ぶ場であるという本質は変わりません。
通夜をしない一日葬が増えている理由
2000年代あたりから葬儀の縮小化が進んでいきます。みなさんもご存知の家族葬が登場してきたのもこの頃からです。
葬儀の縮小化の理由はたくさんありますが、主に次に挙げるものが考えられます。
景気の低迷によって、葬儀にお金をかけたくないと考える人が増えた
都市化による地縁(地域のつながり)の希薄化
労働市場の自由化や非正規雇用者の増加による社縁(社内のつながり)の希薄化
高齢化により、故人だけでなく参列してほしい人たちも高齢となり、参列ができなくなった
新型コロナウイルスによる感染拡大防止のため
葬儀のトレンドは一般葬から家族葬へとシフトしていきます。つまり、ご近所の人や会社関係の人は招かずに、家族や親族だけで行う葬儀が増えたのです。
そうすると、今度は喪主や遺族の中からこのような考えが浮かびます。
「ご近所や会社関係の人が来ないのであれば、そもそも通夜をしなくてもよいのでは?」
はじめの章でもお伝えした通り、通夜には仕事や学校などを終えたあとの弔問の場という役割がありますが、そうした人たちによる弔問がそもそも行われないわけです。
このようなことから、一日葬が徐々に広がっていくようになったのです。
一日葬の注意点
一日葬をすることで、費用を安価に抑えられますし、2日かけて行っていたお葬式が1日で済むため、手間もかかりません。
一見メリットばかりのように思えますが、注意点もあります。
▶思っていたより安くならない
費用を安価に抑えるとはいえ、2日間行う家族葬からは多少費用が安くなる程度です。つまり、蓋を開けてみると「思っていたより安くならない」と感じる人も少なくないということです。
よく「2日が1日になったのだから費用も半額だろう」と思い込む方がいるのですが、実際にはそうはなりません。
なぜなら、祭壇や棺、さらには寝台車や霊柩車や火葬など、葬儀日程が2日から1日になったからといって、そのサービス内容が変わらないものの方が多いからです。
節約できるのはせいぜいドライアイスの個数やスタッフの人件費、食事代くらいではないでしょうか。
▶精神的な充足感が得られないかもしれない
一日葬にすることで、手間を省くこともでき、そのため費用も多少なりとも節約できますが、告別式を明日に控えた夜に、故人様を囲んで過ごす時間こそが有意義だという声は実に多く聞かれます。
普段集まることのない親戚たちが思い出話に花を咲かせることができるのは、お通夜があるからこそだとも言えます。
通夜をすべきかしないべきかでお悩みの方、また一日葬についてわからないことがある方は、どうぞお気軽に東葬祭までご相談ください。私たちは葬祭のプロフェッショナルとしてみなさまのご相談やご質問に24時間・365日対応しております。家族葬をお考えの方、お悩みの方は、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
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