暦を気にする日本人。カレンダーの下に書いてある六曜(大安や仏滅など)だけでなく、さらには二十八宿や、天赦日や一粒万倍日なども気にする人もいます。葬儀日程を決める上でこうした暦で気をつけなければならないことはあるのでしょうか。
暦注の意味
日によって吉凶を占うものを「暦注」と呼びますが、この暦注にはさまざまなものがあります。代表的なものをご紹介します。
●六曜
日本人にとってもっともなじみ深い暦注。次の6つの種類があります。
▶︎先勝 午前は吉で午後が凶。
▶︎友引 祝い事はよいが、葬儀は避ける。朝・夕が吉で正午が凶。
▶︎先負 午前が凶で午後が吉。
▶︎仏滅 一日中凶。何事にも慎む日。
▶︎大安 一日中大吉。
▶︎赤口 朝夕凶で正午のみ吉。
●二十八宿
二十八宿とは、天の赤道帯に沿って天球を28区分し、その各々を司る星宿(せいしゅく)が並んでいるとする暦注です。この中には、「角」や「心」など、いくつかは葬式を凶とする日があります。
●天赦日と一粒万倍日
天赦日とは「天が万物の罪を赦(ゆる)す日」とされ、何をやってもうまくいく日とされています。季節と日の干支で決まり、一年に5~6回しかない、大変縁起のいい日です。
一粒万倍日とは、「一粒の籾(もみ)が万倍にも実り、立派な稲穂になる」という意味がある大変縁起のいい日です。月に4〜6日ある縁起のいい日です。
これらはともに縁起がいい日なので、仕事始め、開店開業、出資。宝くじの購入などにいい日とされており、葬儀とはあまり関係がありません。
葬儀日程の決め方
さて、こうした暦注をどれだけ葬儀日程に反映できるかというと、あまり気にしないのが実態です。ひと昔前のように、農耕社会で、太陽や月の運行と生活が密接に関わりあう時代ではありません。
むしろ、暦に合わせて葬儀日程を組むことで、ご遺体の保全面、式場や火葬場の空き状況、親族らの参列にさまざまな不具合や滞りを起こしてしまいます。
友引以外を気にする人はあまり多くないのが実情です。むしろ葬儀日程は、次の要素を調整して決めていきます。
ポイントは「喪主の希望」「火葬場や斎場の空き状況」「宗教者の都合」これら3点を葬儀社と一緒に調整することです。
具体的に解説していきます。
●喪主や遺族の希望
まずは、喪主や遺族がいつ葬儀をしたいかです。仕事や学校の都合で、早く葬儀をしなければならないケースや、少し日を空けなければならないケースなどは、葬儀の現場では日常茶飯事です。また、「故人様に少しでも長く寄り添っていたい」と考える人も少なくありません。まずは、喪主や遺族が希望する葬儀日程を検討しましょう。
●参列者への配慮
喪主や遺族の希望と合わせて考えるべきは参列者への配慮です。比較的参列しやすい土日に設定する人、遠方からの参列を見越して余裕をもって葬儀日程を組む人などいます。実際に弊社でも、故人様の孫が仕事で中東に赴任しており、帰国を待つために葬儀の実施をご逝去の一週間後にしたこともあります。
●火葬場や斎場の空き状況
喪主側の希望が整理出来たら、次に火葬場や斎場の空き状況を確認します。都心部の火葬場は特に混雑状況にあり、3日から一週間待ちということも少なくありません。また、地域によっては友引や年末年始を休業とするところもありますので、あわせて確認しておきましょう。
●宗教者の都合
喪主の希望、そして火葬場や式場の空きが確認できると、菩提寺にいつであれば来てもらえるか、伺いを立てます。僧侶の都合を確認せずに進めてしまうとトラブルに発展しかねません。必ず菩提寺の都合も含めて日程調整しましょう。ただし、菩提寺がなく宗教者を葬儀社に依頼する場合は、喪主の希望の日時で来れる人を手配してくれます。
火葬場や斎場の空き、宗教者の手配などは葬儀社が慣れていますので、担当者とともに進めていきましょう。
友引には気をつけよう
そして、葬儀日程で一番気を付けなければならないのが友引です。友引とは、六曜のうちの1つで、「友を引き連れて行く」ということから葬儀を避けます。これを迷信として気にしない人もいますが、世間的に浸透している習俗なので、相手のことを考えて友引を避ける方がいい場面が多いでしょう。喪主が問題ないと思っていても、参列者が「友引の葬儀なんて大丈夫だろうか?」と気にしながら進んでいくと、満足なお送りにならない可能性があります。また、実際に友引を休業日とする火葬場もたくさんあります。
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