今増えている火葬式 その理由とメリット・デメリット

通夜や告別式を執り行わずに火葬だけで済ませる葬儀スタイルが「火葬式」で、いまこの火葬式が増えています(「直葬」とも呼ばれます)。そこにはどのような理由があるのでしょうか、メリットとデメリットも併せてご説明いたします。

増えている理由

火葬式とは、通夜や葬儀を行わずに火葬だけをする葬儀スタイルです。一般的なセレモニーを行わない火葬式が増えているのにはさまざまな社会的な背景があります。少子高齢化や核家族化により、そもそも葬儀が縮小化しています。その中でも特に、

「葬儀に多くの費用をかけたくない」
「故人も高齢で、ご縁のあった方々もまた高齢。声をかける人がいない」
「葬儀は送り出す家族の心が大切。僧侶の供養は不要だ」
「故人は地方の出身。東京で火葬だけして故郷に戻って葬儀をする」

…などと考える人が火葬式を選んでいます。

また、最近では新型コロナウイルスの感染拡大防止のために、あえて三密の状況を防ぐために、通夜や葬儀をせずに火葬で済ます、という人もいるようです。

火葬式のメリット

火葬式にはどのようなメリットがあるのでしょうか。「安い」「早い」「楽に」というキーワードが挙げられます。

・「安い」費用を安く抑えられる
火葬式では、通夜や葬儀のようなセレモニーを行わないため、葬儀にかける費用を大幅に抑えることができます。式場使用料や祭壇など、葬儀費用にかかわる大部分が節約できます。通常、家族葬をするのには100万円近くの費用がかかりますが、火葬式だと30万円から40万円程度で抑えることができます。

・「早い」その日のうちに葬儀を終えられる
火葬式では、短時間で葬儀を終えられます。通夜や葬儀などなく、火葬時間に合わせて遺族は火葬場に集合します。お別れ~火葬~待機~拾骨といった一連の流れにかかる時間は首都圏の火葬場で約1時間です。

・「楽に」遺族の負担を軽減できる
火葬式は、費用を安く抑えられ、火葬の立ち合いのみで終えることができます。経済的余裕のない人、高齢で体力のない人などの負担を軽減できます。

デメリット

上に挙げたメリットは、人によってはデメリットにもなりえます。デメリットとなる点には十分に気を付けましょう。

・満足感が得られにくい
大切なご家族を「安く」「早く」「楽に」済ますことで、逆に葬儀や供養の満足感を得られなくなるかもしれません。これまでずっと共にいた故人様だからこそ、しっかりと時間をとって、満足いく形で送り出すことが、精神的な充足感にもつながります。葬儀はお金がかかることですが、その分、目には見えない故人の存在を感じられ、自身の苦しみや戸惑いや安堵や感謝などといったさまざまな感情を整理する機会にもなります。火葬式にしてしまうことで、こうした目には見えない大切な事柄が抜け落ちてしまう可能性があります。

・寺院や親戚から苦言を呈される
火葬式の多くは小規模に執り行われます。声をかけられなかった寺院や親戚から苦言を呈されるかもしれません。親族の中には、「最後に一目見たかった」「どうして知らせてくれなかったの」と思う人もいることでしょう。葬儀は故人様とつながりのあった人たちとの最後のお別れの時間です。故人様は家族以外にもさまざまな人とのご縁の中で生涯を全うしたわけですから、当然こうした人たちには弔う権利がありますし、故人様にも弔われる権利があります。周囲の人たちに何も知らせずに火葬式をするということによって、こうした権利を奪われたと受け止める人がいるのも事実です。

また、菩提寺がある場合は、必ず事前に相談しましょう。火葬を終えたあとに「法事をしてほしい」「お墓にお骨を納めたい」と申し出ても、きちんとした葬儀の儀礼(引導や授戒)などをしていないと、法事や埋葬を受け付けてくれない可能性があります。

・葬儀後の弔問の対応に追われる
あとで訃報を聞きつけた人が自宅に弔問に来ることも十分に考えられます。遺族はそのつど弔問客の対応に追われます。

葬儀を行っていれば、故人様とお別れしたい人が一堂に集まり、故人への弔意、遺族へのお悔やみや感謝などをその場ですべて完結させられます。

しかし個別に自宅に弔問にやって来るとなると、そのつど来客に受け入れをして、仏間に案内して、お茶を出して、話を交わし、などと、日常生活に支障が出ることも考えられます。

お葬式は、亡き人との最後のお別れの場です。自分自身の供養心のためにも、対外的な配慮のためにも、家族や周囲の人ときちんと話し合いをしておくことが大切です。

いかがでしたでしょうか。
私たちは、葬儀や仏事のプロフェッショナルです。火葬式にすべきかどうかお悩みの方、火葬式の流れが分からない方、具体的に費用がどれくらいかかるのか気になる方など、火葬式のことで分からないことがございましたら、どうぞお気軽に東葬祭までご相談ください。お申し込みフォーム、またはお電話にて承ります。

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