故人の思い出の場所で散骨したい。出来る場所、出来ない場所。

「お墓を持たなくていい」「費用が掛からない」などの理由から、故人の遺骨を海などに撒く散骨が注目を集めています。そして散骨を考える時に気を付けなければならないのが、実施の場所です。
この記事では、散骨のできる場所、できない場所についてご紹介いたします。

法的には、「どこでもできる」

結論から言いますと、法的には散骨はどこでもできます。2024年3月13日現在、散骨を規制する法律がないからです。法律がないということは、合法とも違法とも判断できないというのが実情です。

法律がない中、散骨がどのように行われ、ここまで普及したのか。その根拠は1991年に示した法務省による「葬送のための祭祀として、節度を持って行われる限り、遺棄罪には当たらない」という見解です。散骨は、この見解に沿って行われ続けてきたのです。

「節度を持って」という表現は実に曖昧ですが、主に粉骨と場所の2点に集約して、解釈されてきました。

▶粉骨
まずは遺骨を必ず粉状にするということです。こうすることで、遺骨がそのあたりにまかれたことが、誰の目からも分かりません。また、遺骨のまま散骨してしまうと、遺棄とみなされ、処罰の対象になります。

▶場所
散骨を実施する場所は、地域住民に迷惑をかけない、ひと目に触れない場所で行うのが望ましいとされています。

要は「他人の目に触れない」「他人に迷惑をかけない」「他人の宗教的感情を損なわない」という観点から、この2つを満たしていれば節度も保たれ、散骨をしても構わないだろうという空気が醸成されます。そして実際に日本各地で散骨業者が登場し、法整備が整うよりも先に散骨が広く普及していきます。

厚生労働省による散骨に関するガイドライン

こうした流れを受けて、2021年3月に、厚生労働省は散骨事業者向けに「散骨に関するガイドライン」を公表しました。

これまで一般的に「節度を持つ」とは、「粉骨にすること」「人のいない場所ですること」を意味してきましたが、ガイドラインは特別目立った点はなく、これまで配慮されてきた点を再確認するといったものです。つまり、従来から行われてきた散骨に対して国がお墨付きを与えた形となります。

以下、ガイドラインのポイントをご紹介いたします。

遺骨は必ず粉骨する

散骨をする時の大原則は、遺骨を必ず粉状にすることです。散骨がどこでもできるとはいえ、焼骨のまま撒いてしまうとこれは遺骨遺棄罪にあたります。
粉状にして、はた目には遺骨と分からないようにする。これが社会に対して節度を持つことにつながるのです。

散骨できる場所

ガイドラインでは、「陸上の場合」と「海洋の場合」の二つに分けて言及されています。

陸上の場合

ガイドラインには、「あらかじめ特定した区域(河川及び湖畔を除く)」とあります。
実際は、「あらかじめ特定した区域」など皆無に等しく、自身が所有する土地であったり、所有者が散骨を許可した場合に限定されます。
たとえば、故人さまが好きだった山に登ってその途中で散骨するということも、現実的にできなくはないでしょう。しかしその山も、だれかが所有する土地です(国有林の場合は国の所有)。他人の土地への勝手な散骨は控えておくべきです。
また、河川や湖畔が除かれているのは、日本の川が生活用水として広く使われているからでしょう。高温度で火葬された焼骨は水に溶けにくく、そのまま水中を浮遊することも考えられます。

海洋の場合

散骨の中でも最もポピュラーなのが海です。実際に散骨業者の多くは海洋散骨をしています。周りに人がいないこと、地権者がないことなど、トラブルのリスクが最も低いためです。
ガイドラインでは、「海岸から一定の距離以上離れた海域(地理条件、利用状況等の実情を踏まえ適切な距離を設定する。)とされ、具体的な距離数などは明記されていないものの、人目に触れない沖合にまで出ることを推奨しています。
ただし、静岡県の熱海市や伊東市など、散骨に対してガイドラインや指針を出している自治体もありますので注意が必要です。
また、海水浴場や養殖場など、人目につくところでの散骨はNGです。

散骨できない場所

故人との思い出の場所と言っても、人の多い公園、テーマパーク、商業施設などでの散骨は控えましょう。どうしても希望するのであれば地権者や管理者の許可が必要ですが、まず現実的に不可能でしょう。
また、先ほども少し触れましたが、日本全国の自治体を見ていると、散骨に関する条例を策定して、散骨を禁止したり、規制をかけているところもあります。こうした自治体ではその条例に則った判断が求められます。
散骨は節度を持って行うこと。周りも納得できる形で散骨をした方が、故人も安心して自然に還ることができますし、遺族も心穏やかに送り出すことができるはずです。

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