故人の記念木の植樹について

記念樹をご存じでしょうか?

新築、出産、会社の開業や出店、卒業記念時などの際に、記念の印として家の庭に植樹を行うことです。この記念樹を、故人を偲ぶために植樹するケースもあると言われています。亡き故人を偲ぶための植樹には、いったいどのような樹木が選ばれているのでしょうか。

故人の記念植樹とは

「記念樹(メモリアルツリー)」とは、人生の節目や出来事を記念して植える木のことを指します。新築や出産、卒業などで植樹することはよく知られていますが、近年では「故人を偲ぶための記念植樹」を行う方も増えています。

亡き人への想いを形として残す記念植樹は、その木が生き続ける限り、故人の存在や記憶をそばに感じさせてくれます。たとえば、命日に咲く花や、紅葉で色づく季節にその人の笑顔を思い出す――そんな自然とのつながりの中で、静かに手を合わせる時間が生まれます。

また、木の成長に寄り添うことで、遺された家族にとっても癒しや希望となることがあります。剪定や水やりなどの手入れを通じて、故人との対話を続けるような営みが、年月を重ねるごとに深まっていくのです。

記念植樹は、単なる「植物を植える行為」ではなく、自然と共に歩む新たな供養のかたちとも言えるでしょう。

故人を偲ぶのにふさわしい樹木

植樹を行う木は、記念すべき行事にふさわしい縁起担ぎや語呂合わせなどとともに選びます。故人が好きだった樹木でも構いませんし、故人の命日に咲き誇る樹木を選んでもいいでしょう。

ここでは、故人を偲ぶのにふさわしい樹木をいくつかご紹介いたします。

カエデ

春に花を開き、秋の紅葉など、四季を通して美しいのがカエデの特徴です。福島県以南の山野に広く自生しており、古くから日本庭園、神社やお寺、さらには一般住宅のお庭でもよく見ることのできる日本を代表する樹木です。樹木葬霊園でも、カエデをシンボルツリーにしているところをよく見ます。

花言葉は「調和」「美しい変化」「大切な思い出」「遠慮」です。

ハギ

草冠に秋と書くハギ(萩)は、まさに日本の秋を代表する樹木です。7月ごろから咲き始め、真夏は一旦花の数が減るものの、9月頃に再び花が咲き開き、満開を迎えます。ハギの赤紫や白は、清楚で上品な印象を与えることから、故人を偲ぶのにふさわしい樹木の一つです。

花言葉は、「思案」「内気」「柔軟な精神」です。

サザンカ

晩秋の花として知られるサザンカ。10月から12月頃に白い花を咲かせます。ツバキによく似ているものの、花全体を落とすツバキよりも、花びら一枚単位で散っていくサザンカの方が縁起が良いという考え方もあるようです。

花言葉は、「困難に打ち克つ」「ひたむきな愛」です。

記念植樹と樹木葬の違い

近年注目を集めている「樹木葬」は、墓石の代わりに樹木を墓標とする新しいかたちのお墓です。自然志向の方や、お墓の継承に悩む方々から支持され、全国の霊園で導入が進んでいます。

一方、「記念植樹(メモリアルツリー)」は、亡くなった方を偲ぶために木を植える行為で、あくまでも“象徴”としての追悼方法です。この二つのもっとも大きな違いは、遺骨を埋葬するかどうかにあります。

樹木葬は「埋葬」を伴うため、法律上「墓地」として認可を受けた場所でしか行えません。これに対し、記念植樹は自宅の庭や公園の一角などに植えることができますが、そこに遺骨を埋めることは法律で禁じられています。もし許可のない土地に遺骨を埋葬した場合、「死体遺棄罪」に問われる可能性があります。

故人を偲ぶ方法としてどちらも心温まる行為ですが、法律やルールを正しく理解し、それぞれの特徴に応じた形で供養を行うことが大切です。記念植樹はあくまでも「想いの象徴」として、樹木葬は「永代供養のひとつ」として考えるとよいでしょう。

植樹の際は、専門家に相談を

故人を偲ぶ記念植樹は、大切な想いをかたちにする行為です。そのぶん、後々まで美しく育ち続けてもらうためにも、植樹の計画段階で専門家に相談することをおすすめします。

たとえば、植える場所によっては、樹木の根が広がりすぎて家屋や塀に影響を及ぼすこともあります。また、落葉の量や虫がつきやすいかどうかなど、種類によって管理のしやすさも大きく異なります。せっかく植えた木が、数年後に伐採せざるを得ない状況になってしまっては、本末転倒です。

植樹を手がける造園業者や園芸店、自治体の緑化相談窓口などでは、ご希望の樹種や記念の背景を丁寧にヒアリングしたうえで、樹木の種類や配置、高さの予測、日当たりや土壌との相性まで、長期的な視点でアドバイスをしてもらえます。

故人を想う心を、末永く育んでいくために。記念植樹は「ただ植える」だけでなく、安心して見守れる環境づくりも大切なプロセスなのです。

おわりに

いかがでしたでしょうか。私たちAZUMA葬祭は、葬儀や仏事のプロフェッショナルです。お葬式全般や仏事について、故人さまの供養について不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。

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