認知症の親族をどうしても葬儀に参列させたいとき、どんなことに気を付ければよいのでしょうか。その考え方やポイントについて解説いたします。
親戚や介護士 まわりの人と協力を
結論から先に述べると、とにかく借りれる手はひとつでも多く借りるという考え方で葬儀に臨むのがよいでしょう。
認知症の方の介護は大変な労力を強います。ただでさえ葬儀の進行にはさまざまな気配りが求められますが、認知症の方のケアが加わることでご遺族の負担はぐっと増します。
この負担を軽減させるためにも、まわりの人たちの力を借りながら、認知症の方のケアをし、葬儀を進めていくのが良いでしょう。
昨今は家族葬が主流ですから、参列者の対応に追われるということもあまりありません。認知症の方が取り乱したからとしても、身内の中で納まることが基本です。
だからこそ、事前に認知症の方の参列があることを他の親戚に伝え、理解してもらっておくことも大切です。
日程で余裕を持たせる
もしも参列先が親族の葬儀で、喪主さまに直接相談できる関係性であるならば、葬儀日程に余裕を持たせてもらえると安心です。
たとえば、葬儀・告別式の時間を少し長くとってもらうなどの対策が考えられます。葬儀・告別式は、そのあとに火葬を控えているため、出棺時刻の厳守が求められます。限られた時間の中での参列は、喪主も、参列者も、慌ただしい思いをしてしまいます。
ですから、通常であれば1時間程度の葬儀告別式の開式を10分ないし30分程度早めるなどすることで、余裕を持って行程を進められます。
控え室や座席の指定
認知症の人は環境の変化に敏感ですから、ふだん経験のない場所、状況に置かれることで、緊張や戸惑いを強いてしまうかもしれません。
万が一の時があった時のために、控室や休憩スペースを設けてもらえると安心です。
また、斎場内に着席する際も、通路側であったり、出入り口付近に座席を用意してもらえることで、万が一のことが起きた時も葬儀の進行の邪魔になりづらいでしょう。
同じ場所にい続けることに苦痛を感じやすいと思われるので、移動しやすい場所、一時的に退避できる場所を持っていることは、本人にとっても同行者にとっても大きな安心感につながります。
火葬場併設斎場がおすすめ
もしもあなたが喪主で、葬儀の詳細を決める立場にあるならば、火葬場併設斎場がおすすめです。
というのも、葬儀の中で認知症の方が一番苦労するのが、場所の移動だからです。葬儀においては火葬場への出棺、そして火葬後の斎場への戻りがこれに該当します。
火葬場に出棺する際は、自家用車やマイクロバスに分乗しなければなりませんし、他の喪家に迷惑が掛からないためにも遅延は許されません。
しかし、火葬場併設斎場でお葬式をするのであれば、出棺も館内の移動だけで済むからです。
葬儀に参列させるかどうか
そもそも、認知症の方を葬儀に参列させるべきかどうかで悩む人も少なくありません。
必ず参列させなきゃいけないと思い込まなくても大丈夫です。実際にショートステイに預けて、参列させないという人もいますし、この選択肢を持っておくことによる心理的な安心ははかり知れません。
とはいえ、配偶者など限りなく近い家族が亡くなった場合、やはり葬儀に参列させてあげたいと思うのが家族の正直な心情です。
「認知症だから分からないだろう」ということで参列を控えさせた場合、あとから「お父さんは今何してるの?」などと問われ、返答に窮するケースも少なくないようです。
ここでは、「お父さんは元気だよ」とごまかすのか、「実はお父さんは亡くなったのだよ」と伝えるかのいずれかの対応が考えられますが、どちらを選んだにせよ、家族にも認知症の方にも違和感が残ります。
もしも葬儀に参列していれば、配偶者を見送った時のかすかな記憶がよみがえり、家族の死を認識できる可能性があります。しかし参列の事実がない場合、それでも夫が自分の周りにいないことに混乱を起こすことも考えられます。
参列させるかさせないか、どちらの選択も間違いではありません。
しかし、お葬式は亡くなった人と遺された人の最期のお別れの場所です。認知症だからという理由で参列させるべきかどうか迷う気持ちはよく分かりますが、可能であれば、親戚や介護士などの力を借りながら、参列させていただきたいものです。
私たちAZUMA葬祭は、葬儀のプロフェッショナルとして、お客様の想いに寄り添って、できる限りのお手伝いをさせていただきます。不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
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葬儀に関するよくある質問FAQ
認知症の方を葬儀に参列させるべきかどうか?
必ず参列させなきゃいけないと思い込まなくても大丈夫です。実際にショートステイに預けて、参列させないという人もいますし、この選択肢を持っておくことによる心理的な安心ははかり知れません。 とはいえ、配偶者など限りなく近い家族が亡くなった場合、やはり葬儀に参列させてあげたいと思うのが家族の正直な心情です。
認知症の方の介護は大変な労力が必要ですが?
葬儀の進行にはさまざまな気配りが求められますが、認知症の方のケアが加わることでご遺族の負担はぐっと増します。 この負担を軽減させるためにも、まわりの人たちの力を借りながら、認知症の方のケアをし、葬儀を進めていくのが良いでしょう。
この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。