公営斎場はサービスが悪い!?民間斎場との違いについて

葬儀を考える上で大切なのが葬儀の場所です。葬儀会館は主に、自治体が運営する公営斎場と、民間の葬儀社が運営する民間斎場がありますが、あなたはこの両者の違いを理解していますか? 東京都の特殊事情も含めて、詳しく解説いたします。

公営斎場はサービスが悪いのか? の結論

まずはじめにこの記事のタイトルにあるように、公営斎場はサービスが悪いのでしょうか?
これはサービスを享受する人の受け取り方によって異なります。悪いといえば悪いし、十分といえば十分です。

基本的に、公営斎場はその地域における公共インフラです。それに対して民間斎場は、営利目的で運営されている葬儀社によるサービス事業です。ですから、民間斎場の方がより消費者のニーズにくまなく応えようと努力するのは、むしろ当然のことです。
会館設備の手厚さという点では、民間斎場の方に分があるでしょう。1家族の貸し切り、自宅のリビングを思わせる控室、広々としたユニットバスなどの付加価値を加えた設備は、公営斎場では実現が難しいでしょう。

遺族が斎場に求めるものは?

しかし、では遺族がそこまでのラグジュアリーサービスを求めているのかという点も見逃せません。
民間斎場は、アクセスや設備などで付加価値をつけて集客しようと考えます。当然会館使用料も割高になります。

一方の公営斎場は、その地域住民の税金で建設、管理、運営がなされていますから、住民への費用負担はきわめて安価です。
そして、あらゆる自治体で老朽化の進んだ斎場の建て替えが見られます。「公営斎場=古臭い」というイメージはとうに払しょくされています。2日だけしか利用しないのであれば、公営斎場の設備で十分ではないか、という声も多く聞かれます。
以上のように、公営と民間、どちらがいいかはその人によります。ここではそれぞれの特徴を取り上げておきます。

公営斎場の特徴

公営斎場の特徴には次のようなものがあります。

(メリット)
●使用料が、民間と比べて安い
●火葬場併設が多く、葬儀の進行がスムーズ
●霊柩車などの出棺車両が不要。費用が節約できる
●宗教・宗派の制限がない
●どの葬儀社でも利用できる

(デメリット)
●その地域の住民でない場合、極端に利用料が上がる
●BGMや装飾を希望通りにできない
●複数の式場が併設されていることが多く、他の家族の葬儀も行われる
●自治体によっては郊外にあり、アクセスが不便

民間斎場の特徴

民間斎場の特徴には次のようなものが挙げられます。

(メリット)
●1家族貸し切りの会館が多い。
●会場設備が充実しており、装飾や音響など希望の演出が可能
●立地条件が良く、車や電車などでアクセスしやすい
●故人様の安置が可能で、数日にわたって付き添えるところもある
●控室が充実して、ゆったりと過ごすことができる

(デメリット)
●会館の利用料金が高い
●運営元の葬儀社以外の施行ができない
●宗教的な制約を設けているところもある

東京の特殊事情

さて、ここまで公営斎場と民間斎場の違いについて解説してきましたが、エリアを東京に絞ると、実は特殊な事情がひそんでいます。と言うのも、東京23区内やその近郊では、一般企業による民間斎場が公共インフラの役割を担っているからです。
東京23区内にある、町屋(荒川区)、四ツ木(葛飾区)、桐ケ谷(品川区)、代々幡(渋谷区)、落合(新宿区)、堀ノ内(杉並区)の各斎場は東京博善株式会社の運営、戸田葬祭場(板橋区)は株式会社戸田葬祭場の運営、多磨葬祭場(府中市)は株式会社日華の運営による、すべてが民間斎場です。
民間企業による運営にもかかわらず、特に火葬場に関しては他の選択肢がないため、実質的な公共インフラとなっているのが実情です。

また逆に、公営斎場は23区内の一部(大田区の臨海斎場や江戸川区の瑞江葬儀所)や東京の郊外(八王子市斎場や瑞穂斎場など)にしかありません。
特に臨海斎場や瑞江葬儀所は、公営斎場であるにもかかわらず、区内の他の民間斎場に引っ張られる形で、費用も若干高めで、サービスの差がそこまであるわけでもありません。

日本国中を見渡しても、火葬場に関してはそのほとんどが自治体による運営であるため、東京は全国的に見ても特殊なエリアと言えるのです。

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葬儀に関するよくある質問FAQ

 

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