葬儀を行うには、親戚や知人、友人への連絡や段取りなど、事細かな打ち合わせが必要です。
葬儀社やお寺に支払う多額な料金も発生します。昨今は婚姻届けの提出だけで結婚式を挙げないという人も増えているように、お葬式も「執り行わない」という選択肢があるのかもしれません。
ですが、お葬式は故人との最後のお別れをするための大切な儀式です。
規模の大小はともかく、故人への礼儀として行うべきではないでしょうか。
法律だけではないお葬式の意味
人が亡くなったとき、法律として定められているのは、火葬などの遺体の処理と死亡届の提出などの戸籍の訂正に伴う手続きのみです。
お葬式は遺体処理を兼ねたセレモニーであり、行わなければ法律的に罰せられる、という位置づけのものではありません。
しかし、法律にはかかわらない意味や必要性もあるのです。
故人とのお別れの儀式
お葬式は故人との最後のお別れをするための儀式です。
第一には故人のため、宗教的な弔いをすることで死後の世界での安寧を願うという意味合いがあります。
第二に、生前故人と関係のあった友人知人、企業や地域に故人が亡くなったことを周知するという社会的な必要性です。
第三に、遺族が葬儀を通して故人の死を受け止め、悲しみを乗り越えていくための儀式、という、残された遺族の精神面からの必要性です。
悔いのないお別れを
故人が生前に葬儀を行わないことを希望していた場合や、どうしても費用的に困難である場合は、葬儀を行わないという選択も決して間違いではありません。
しかし、のちにやっぱり葬儀を上げておけばよかった……と後悔しても、執り行うことはできません。
理由はいろいろあるかもしれませんが、しっかりとした意志をもって、できることをできる範囲で行い、悔いのない最後のお別れの瞬間を迎えることができるのです。想いを込めて故人をお見送りしたいものです。