葬儀の喪主を務めることなど、人生で一度、あるかないかのことです。
費用についても分からないことばかり、相場も分からなければ、自分たちの葬儀費用が高いか安いかも判断がつきません。
この記事では、東京の葬儀費用の平均価格について、分かりやすくご説明いたします。
目次
まずは葬儀の種類もたくさんあることを知ろう
ひとことに「葬儀」と言っても、その内容はご家族によってさまざまですし、葬儀の種類もいくつかに分類されます。
- 家族葬
21世紀に入って葬儀のスタンダードとなった感のある家族葬。家族親族だけでこじんまりと執り行う葬儀のことです。
- 一般葬
通夜と葬儀という2日間の日程で、宗教者を招き、親戚だけでなく知人などにも参列してもらう葬儀のことです。
- 19一日葬
家族葬で、通夜も不要と考える人が一日葬を選びます。
- 直葬
通夜や葬儀のようなセレモニーを不要とする葬儀スタイルです。火葬当日に火葬場に集まり、見届けるだけなので、日程や費用を大きく軽減されます。
この他にも、無宗教葬や、大型葬や、社葬など、さまざまな葬儀スタイルがあります。
次に、葬儀費用の内訳を理解しておこう
葬儀費用は主に次の3つに分類されます。
A:葬儀の基本費用
祭壇・棺・寝台車・ドライアイス・火葬料など
B:飲食接待費
参列者への食事や返礼品などのおもてなし費用
C:宗教者などへの謝礼
寺院へのお布施やお車代やお膳料、現場スタッフへの心付けなど
葬儀費用はセットプラン+オプション項目
ここまで読んで頂いたらある程度想像できるかもしれませんが、葬儀費用というものは自分たちが希望する葬儀スタイルによって、価格を大きく調整できます。
たとえば、参列者を制限することで「B:飲食接待費」が節約できますし、宗教者を呼ばないことで「C:宗教者などへの謝礼」が節約できます。
逆に、祭壇や棺にこだわりたければ費用が高騰するのは言うまでもありませんね。
最近の葬儀社のほとんどはセットプランを設けています。
自分たちが望む葬儀に一番合うセットプランをチョイスして、そこから必要なものを追加していくのがいいでしょう。
セットプランにどこまで含まれているかは、要注意
葬儀に不慣れな人が、いきなりセットプランや見積書を見せられて、なにが足りなくてなにが無駄かの判断は、なかなか難しいことです。
葬儀社のスタッフに、プランに含まれていないものの説明をきちんと求めた上で、総費用の概算を計算してもらいましょう。
葬儀社に支払うもの以外に、どれくらいの金額を用意しておかなければならないを教えてくれるでしょう。
東京で葬儀をする場合の平均価格を示すデータ
それでは、東京の葬儀の平均価格を示すデータをご紹介します。
- 日本消費者協会『第11回葬儀に関するアンケート調査』は186万円
2016年8月から9月にかけて行われたアンケート調査。関東B地区(東京・神奈川・埼玉)の平均価格は186万円だそうです。
葬儀の基本費用、飲食接待費、寺院の費用などもすべて含めて、いわゆる喪主が負担した費用全体の金額です。
また、家族葬、一般葬、直葬など、葬儀スタイルを区別することなく平均価格を算出しています。
多くの葬儀社がこのデータを平均金額の根拠にしていますが、中にはサンプルの信憑性を疑う声もあります。
- 葬儀社アーバンヒューネス(東京都江戸川区)の運営する『エンディングデータバンク』
https://data.urban-funes.com/
自社データの公表という形をとっているのがアーバンヒューネスです。このサイトでは、自社施行の葬儀費用を1円単位から公開しています。
・家族葬(2017年のデータ)1,132,527円
・一般葬(2014年のデータ)1,873,558円
・火葬式(2014年のデータ)303,630円
・全葬儀スタイル総計(2014年のデータ)1,145,778円
ちなみに、なにが含まれて、なにが含まれていないかが明示されていなかったので、電話で確認しました。
この金額に含まれていないのは、式場使用料と、寺院の費用と、式場や火葬場での飲み物代だそうです。とても丁寧に教えてくれました。
東京の葬儀の平均価格は、このアーバンヒューネスの示す数字が1つの目安になるのではないかと思います。
参考にしてみて下さい。
東京の葬儀が価格の傾向
よく「東京は物価が高い」などと言われますが、葬儀費用に関しては、全国平均とそう大差がないと言われています。これは、地方の人たちの方が手厚い葬儀をするのに比べ、都市部は簡素化が進んでいるなど、さまざまな理由が考えられます。
ただし、火葬料金に関しては東京23区内は割高です。全国的に見ても珍しく。23区内および一部の周辺地域の火葬場は民間経営なのです。そのため火葬料も6万円前後します。日本中のほとんどの公営火葬場は地域住民の税金で成り立っていますから、火葬料はゼロ円からせいぜい1万円くらいでしょう。
また、東京は他の地域と比べて、貸し式場の利用が多い地域です。葬儀社保有の斎場ではないので、そのつど葬儀社が式場で祭壇を設営し、撤収します。こうした手間の費用も加算される傾向にあるでしょう。
反面、さきほども触れたように、都心部ほど葬儀の簡素化が進んでいること、さらには競合がひしめき合っているために、価格の高騰が見られない、という面も考えられるでしょう。