葬儀では、喪主や遺族にかける言葉として「ご愁傷様」という言葉を用います。普段なかなか口にしない言葉ですから、自分の使い方が合っているのか、間違っているのか、分からないものですよね。
この記事では、「ご愁傷様」の正しい使い方と意味について、詳しく解説いたします。
ご愁傷様は、悼み悲しむ相手によりそう挨拶語
まずは「愁傷」という言葉をひもといてみます。『広辞苑』(第5版)には次のように書いてありました。
しゅう-しょう【愁傷】うれえいたむこと。嘆き悲しむこと。
「愁」の文字は訓読みで「うれい」とも読みます。物寂しさを感じて心が沈む。思い悩む。悲しむなどの意味です。この状態に「傷」という言葉をつけ、最大限にその痛ましさを表現しています。
その「愁傷」の状態にある喪主や遺族の心情を慮るように「御」と「様」をつけて、葬儀の時の挨拶の言葉にしているのです。
ちなみに、相手の状態を示す言葉に「御−様」をつける挨拶表現は他にも見られます。
たとえば、「ご苦労様」や「お疲れ様」などは、大変な思いをしている相手をねぎらう挨拶として浸透していますよね。「ご馳走様」は、馳走(=食事や、食事を用いたもてなしのこと)に対しての感謝と敬意が込められています。
ご愁傷様 2つの意味
さて、次に広辞苑で「ご愁傷様」という言葉を調べてみました。そこには次のように記載されています。
ごしゅうしょう-さま【御愁傷様】人の不幸に際し、その縁者に同情して言う挨拶の言葉。また相手の期待はずれを皮肉っていう時にも用いる。
たしかに、葬儀の時以外にも、相手をからかうように「ご愁傷様」を言うことがあります。「お気の毒」や「残念」という意味も含んでいますが、日常会話の中で別の意味で使われるのを、みなさんも耳にしたことがあるのではないでしょうか。
葬儀では、まず「ご愁傷様」を述べる
葬儀への参列シーンでは、まず「このたびは、ご愁傷様でございます」と述べておけばマナー違反には当たりません。
葬儀に参列するとはじめに受付に通されますが、そこでも「ご愁傷様」を用いましょう。なぜなら受付係りの人たちは。喪主の代理としてそこにいるからです。
「ご愁傷様です」の使い方
それでは、実際の葬儀の現場で、どのように「ご愁傷様です」を使えばよいのか、正しい使い方を解説いたします。
普段使い馴れない言葉だからこそ、ついつい口に出すときに緊張してしまうものです。しかし、葬儀という普段合ってほしくない場であるからこそ、普段使わない言葉がより弔意を示す効果を伴ってくれるものとも考えます。
▶受付で記帳、香典を差し出す時
葬儀会場に到着すると、まずは受付で記帳をし、香典を差し出します。この時、受付係の方に対し、「ご愁傷様でございます」とひと言挨拶を述べます。
すると受付係の方は「ありがとうございます」と、あなたの弔意に対してお礼を述べ、「こちらにご記帳をお願いします」と記帳を促し、「ありがたく拝受いたします」と香典を受け取ります。
▶喪主や遺族に対面した時
葬儀会場の中で喪主や遺族に対面した時は、直接お悔やみの言葉を述べます。その冒頭に「ご愁傷様でございます」と添えます。例文としては次のようになります。
「ご愁傷様でございます。突然の知らせで、驚きました」
「ご愁傷様でございます。生前お世話になりました〇〇と申します」
「ご愁傷様でございます。先月お会いした時にはお元気だったので、こんなことになってしまったのが残念で、いまでも信じられません」
あまり固苦しくならないように
ここまで読んで頂いて分かる通り、「ご愁傷様」はかしこまった公的な挨拶表現です。気心の知れた相手に対して「このたびはご愁傷様でございます」という挨拶は、逆にぎこちなく感じられるものです。まして最近は家族葬が多いので、公的な関係よりも私的な関係性における参列が増えているのではないでしょうか。
相手を思いやる想い、共に悲しみ悼みますという想いを、自分の言葉で述べるほうが、より相手の心に響くということもあります。不慣れなことで何を述べたら分からないという方は、まずは「ご愁傷様です」と用いることで、正しくあなたの弔意を相手に伝えられます。その上で、ただ決まりきった挨拶を述べるだけでなく、相手の心に寄り添う言葉を心がけてみてください。
いかがでしたでしょうか。AZUMA葬祭は、三鷹市、武蔵野市を中心とした地域密着型の葬儀社です。これからも普段なかなか経験することのない葬儀の参列マナーやしきたりについて積極的に情報発信して参ります。また、お葬式全般に関して疑問をお持ちの方は、どうぞお気軽にご相談下さい。葬祭のプロフェッショナルとしてみなさまのご相談やご質問に24時間・365日対応しております。
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