葬儀後の手続き ほっと一息ついても怠ると大変

家族が亡くなると深い悲しみとともに通夜、葬儀が執り行われます。

葬儀が始まるまでも、介護や看護の付き添いなど、さまざまなことで家族は大変な思いをしております。だからといって、葬儀が終わると一息……という訳にもいかず、さまざまな手続きや届け出をしなくてはなりません。

ここでは手続きの期限が早い順にまとめてみました。

それぞれの手続きが必要になる対象者は条件により異なりますが、今一度確認しましょう。

1. 税金関係の手続き

・雇用保険受給資格者証の返還(故人が雇用保険を受給していた場合)【死亡から1カ月以内】

雇用保険を受給していた人は速やかにハローワークに申し出ましょう。

・相続の放棄手続き(相続人が遺産の相続を放棄する場合)【死亡から3カ月以内】

相続人の中で相続放棄したい人は、被相続人の死亡から3か月以内に家庭裁判所に申し出なければなりません。資産だけでなく借金などの負債も相続の対象になるので、充分に気をつけましょう。

・所得税準確定申告・納税【死亡から4カ月以内】

故人が自営業、あるいは年収が2000万円以上ある場合は、準確定申告と納税を行います。

・相続税の申告・納税【死亡日の翌日から10カ月以内】

相続財産が基礎控除額を越える場合は個人の住所地の税務署に相続税を申告します。

・生命保険の請求【死亡から2年以内】

故人が加入していた生命保険があれば速やかに請求しましょう。

2. 補助金・給付金関係の手続き

・国民年金の死亡一時金請求

国民年金を3年以上納めた人が老齢基礎年金、障害基礎年金どちらも一度も受け取らずに亡くなった場合、個人と生計をともにしていた遺族に支払われます。【死亡から2年以内】

・埋葬料請求(健康保険加入者)

企業や団体の健康保険に加入していた人は、その本人、家族が亡くなった場合、葬儀・埋葬の補助として5万円が支給されます【死亡から2年以内】

・葬祭費請求(国民健康保険加入者)

国民健康保険の被保険者が亡くなった場合、葬祭費が支給されます。支給額については自治体により異なります。

3. 年金などの手続き

・高額医療費の請求

「高度医療費制度」により、1カ月の医療費の自己負担額が高額になった場合、手続きすることにより一定金額を超えた分を払い戻してもらえます。

原則としては事前申請が必要ですが、死後の申請もできます。【対象の医療費支払いから2年以内】

・国民年金の遺族年金請求【死亡から5年以内】

故人が国民年金に加入中に死亡した場合、配偶者と子に遺族基礎年金が支払われます。子への支払いは、18歳になった年度の末日までです。

・国民年金の寡婦年金請求【死亡から2年以内】

夫が年金を受給する前に亡くなった場合、妻に対して支払われる年金です。ただし死亡一時金との同時受給ができないため、どちらかを選ばなければなりません。

・厚生年金の遺族厚生年金請求【死亡から5年以内】

遺族厚生年金は、会社員などで厚生年金加入者が死亡したした際に支給される遺族年金です。遺族基礎年金と合わせて受給できます。

・労災保険の遺族補償給付請求(労働者が業務上の事故で亡くなった場合)【死亡から5年以内】

 

4.故人名義の変更など

・不動産、預貯金、株式、自動車所有権、公共料金の名義変更

・運転免許証、パスポートの解約、返納

・介護サービスなどの解約、精算

基本的なことだけでもこれだけの手続きや届け出が必要です。

受けられるべき補助が受けられなかったり、支払いが必要になったりするものもありますので、手続き漏れのないように進めましょう。

 

5.手続き以外にも葬儀後にしなければならないこと

 

役所関係の届け出や手続き以外にも、葬儀後に遺族がしなければならないことがあります。おもに法事に準備や、関係者への返礼やあいさつなどです。どのようなことをしなければならないのか、分かりやすくまとめたので参考にしてください。

 

  • 四十九日法要の手配

四十九日は、故人が成仏して忌があける大切な法要です。家族や親族が集まって故人を供養します。寺院と相談して日程や場所が決まったら、速やかに参列してもらう人たちに連絡します。それに合わせて、料理や引き物の準備もしておきます。法要の後には会食の席を設け、一組にひとつ引き物を手渡します。

 

  • 仏壇や位牌の準備

四十九日を終えると、故人は祖霊として祀ります。白木の仮位牌を本位牌にして、仏壇の中で祀ります。ですから、四十九日までに位牌を用意しなければなりませんし、仏壇がない家はあわせて仏壇も準備しましょう。

 

  • お墓への彫刻

もしも四十九法要の日にお墓に納骨する場合は、墓石に戒名などの文字を刻みます。石材店に連絡して手配しましょう。お墓がない場合、一周忌や三回忌にあわせてお墓を建立するのが慣例です。

 

  • 香典返し

葬儀でいただいた香典へのお返しは、香典返しの品物として先方に贈るのが慣例です。香典返しは四十九日法要が無事に済んだことの報告も兼ねますので、早めの手配が必要です。

 

東葬祭では、葬儀後のさまざま仏事を手厚くサポートしています。四十九日法要や、仏壇、位牌、お墓、さらには香典返しの手配は、東葬祭にお任せ下さい。

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