東京都が運営する都立霊園。都立霊園を利用したい場合、どうすればいいのでしょうか?
ここでは都立霊園の詳細と、申し込み方法などをご紹介します。
東京都内には8カ所ある
現在、都内には雑司ケ谷霊園、青山霊園、谷中霊園、染井霊園、八柱霊園、八王子霊園、多磨霊園、小平霊園と、都立霊園が8箇所あります。
都立霊園 人気の理由
墓地には、公営霊園、民営霊園、寺院墓地などがありますが、特に光栄霊園が人気です。都内には他にも市が運営している公営霊園もありますが、都立霊園と併せて人気が高い傾向にあります。行政が運営しているという安心感、管理料の安さ、宗旨・宗派不問、石材店を自由に選べるなどがその理由でしょう。
さまざまな墓地やお墓のスタイル
「霊園」と聞くと一般的な墓石を建てるための墓地を連想しますが、都立霊園ではほかにもさまざまなタイプの墓地やお墓が用意されています。
【埋蔵施設】
埋蔵施設は、いわゆる「お墓」と思えば良いでしょう。
- 一般埋葬施設
一般的な墓石を建てるための区画です。貸付された区画を取得すると、基礎工事、外柵、墓石等はすべて使用者が設置します。
- 芝生埋蔵施設
芝生の上にコンパクトなお墓が等間隔に並びます。予めカロート(納骨棺)が設置されているので、そこに希望の石材で石碑を据え付けします。囲いを設けることはできません。
- 壁型埋蔵施設
壁状にならぶ墓石。墓地と墓石はあらかじめ設置してあります。小平霊園、八柱霊園、多摩霊園にあります。
- 合葬埋蔵施設
ひとつのお墓に複数の人の遺骨を共同埋葬するための施設です。墓守や跡取りがいない人、単身者世帯やなどに選ばれています。小平霊園、八柱霊園、多摩霊園にあります。
- 立体収蔵施設
20年間は納骨室に遺骨を安置し、それ以降は地下カロートに合葬します。青山霊園、谷中霊園に設置されています。
- 樹林型・樹木型埋蔵施設
いわゆる「樹木葬」の墓地です。樹林型は共同埋葬、樹木型は個別埋葬を行います。小平霊園に設置されています。運営開始当初は、都立霊園が手がける樹木葬ということで大変に注目を集め、メディアでもたびたび報じられました。
【収蔵施設】
収蔵施設はいわゆる納骨堂と思えば良いでしょう。
- 長期収蔵施設
30年間使用でき、それ以降も更新が可能です。多摩霊園みたま堂内に設置されています。
- 短期収蔵施設
5年間使用でき、それ以降も更新が可能です。雑司ヶ谷霊園の崇祖堂の中に「家族納骨壇」として作られました。
- 一時収蔵施設
一時的な遺骨の保管のための施設です。1年間使用でき、最大4回まで更新可能です。多摩霊園、八柱霊園、雑司ヶ谷霊園にあります。
募集スケジュール
都立霊園の申込は毎年同じようなスケジュールで行われます。
- 募集開始は毎年7月ごろ
募集開始は毎年6月下旬から7月上旬に行われます。2019年度の場合は6月21日から7月10日までです。この期間に申込書が配布され、希望者は申込をします。申し込みは都立霊園のホームページや、石材店の資料などから応募ができます。
- 抽選は8月
1つの区画に複数の申込が重なる場合は抽選が行われます。2019年度の場合は8月21日。申込者には事前に受付番号が通知され、倍率が発表されます。場所によりばらつきがありますが、20~30倍以上の競争率で大変人気です(平成29年度の場合)。
- 書類審査は9月〜10月
当選者には書類審査が行われます。
- 使用料の支払いは11月上旬
使用料は11月上旬に支払います。
- 使用許可は12月
所定の方法で支払いが完了した当選者には使用許可証が交付され、晴れて墓地を使用することができます。
申し込みの資格条件
応募したい墓地やタイプにより資格条件が異なります。
・都内の在住年数(申込者本人の居住年数)
・遺骨の親族との間柄
・遺骨の祭祀の主催者であること
・申し込みたい墓所のタイプなど
それぞれ細かく条件が異なり、書類の作成にも時間を要するため、業者による申し込み代行などもあります。
区画の大きさは選べない
抽選で当選した場合、更地の墓地が引き渡しになり、その後、墓石工事を行うことになります。
公営墓地ということで民間霊園よりは若干安い規格になっていますが、都立霊園には区画面積が大きいものもあります。
注意したいのは、区画の広さを選んで応募することができないことです。
区画が広い墓所が当たった場合にはそれだけ工事費もかかるため、当選した時点で現地確認をし、初期費用を把握しておきましょう。
お墓を継ぐ人がいなくなると返還
都立霊園は使用料を支払うことにより永代使用権を得ることができます。
初期費用の面をクリアできれば、土地そのものは貸与の形となるため固定資産税などはかかりません。
維持費は民間に比べて安い傾向にあります。
ただし、お墓を継ぐ人がいなくなった場合には返還しなくてはなりません。
管理料が5年続けて支払われなかった場合には、後継者がいないとみなされ権利がなくなる場合がありますので注意しましょう。