自宅に帰ってみると、大切な家族が亡くなっている。そんな状況に見舞われたら、だれもが、驚き悲しみ、そしてパニックになってしまいます。しかし、いつあなたのもとにそのようなことが起こるかは、分かりません。
この記事では、そんな緊急時に冷静に対処するための3つの連絡先と、その後の流れについて解説します。救急車の呼び方から警察への連絡、そして葬儀までの適切な手続きなど、家族がすべきことを一つひとつ丁寧に案内します。
3つの連絡先
自宅で家族が亡くなっていることを発見した際には、まずは次の3つのいずれかに連絡します。
救急車(119)
亡くなっているのか、それともまだ生存の可能性があるのかの判断がつかない場合は救急車に連絡します。
しかし、明らかに死亡が確認できる徴候がある場合(腐敗、変色、死斑などが見られる時)は、救急車よりも警察への連絡が優先されます。
判断に迷ったときには、救急相談センター「♯7119」に電話してみるという方法もあります。
かかりつけ医
日常的に往診に来てもらえる医師であれば、ご家族の普段の体調について把握しているはずです。家族の容体を看て、死亡を判定します。死亡の状態を確認して不審な点が見られなければ、その後の手続きで必要となる死亡診断書を作成してくれます。
死亡診断書を受け取ったら、葬儀社に連絡して、葬儀の話を進めていきましょう。
警察(110)
かかりつけ医がいない場合、あるいは不審死や自死の場合は警察に連絡します。この段階では死亡原因が判明しないため、まずは警察が事件性の有無を確認し、その後監察医(東京23区内)や警察医(東京市部地域)によって死因の特定が進められます。
警察が介入した場合、ご遺体が引き渡されるまでの手順が少し複雑ですので、次章で詳しく解説いたします。
検視~検案~死体検案書発行までの流れ
警察が介入した場合、故人の死因は「検視」と「検案」という手続きを踏んで特定していきます。
検視とは警察が事件性の有無や身元の確認を行うこと、検案とは監察医や警察医と呼ばれる法医学の専門医が具体的に死因や死亡時刻を判断することです。こうした流れを経て「死体検案書」が発行され、ご遺体は家族に引き渡されることとなります。
検視・検案の場所
検視や検案は、自宅か警察署のいずれかで行われます。どちらになるかはその時の状況によって異なるので、警察の指示に従いましょう。
遺体を触ってはいけない
正確な死因が判明するまで遺体に触れてはいけません。場合によっては事件性を疑われる可能性もありますので気を付けましょう。
東京都23区と市部の違い
東京都の場合、検視と検案の流れは23区と市部で異なります。
23区内で亡くなった方の場合、東京都監察医務院と警察が連携します。検視は各警察署員が行い、検案は監察医務院の医師が23区内の警察署を巡回して行います。検視と検案が日をまたぐことも少なくありません。
市部の場合は、各警察署が指定する医師が検案を行います。
場合によっては解剖検査も
検案を終えたあと、解剖検査を行うことがあり、その場合ご遺体の引き渡しはさらに一日程度延びることとなります。警察が介入しての解剖検査は、主に次の2つに分けられます。
●行政解剖
検案を行った上で、それでも死因が特定できない場合に行われます。23区内であれば東京都監察医務院、市部であれば杏林病院(三鷹市)などで行われます。検査が終わり次第、死体検案書は家族に発行されますが、正式な死因が判明するまで約2か月程度を要します。
●司法解剖
事件性があると判断された場合は司法解剖を行います。司法解剖は都内の法医学教室を有する大学病院で行われます。
葬儀社には早めに連絡しておく
多くの家族は、検視や検案が終わった後に葬儀社に連絡しようと考えます。しかし、検視や検案はとても長く時間がかかりますし、いつ終わるかの見通しもつきません。その間、家族はじっと待ち続けるしかありません。
そのため、検視や検案が行われる間、早めに葬儀社に連絡しておきましょう。
葬儀社に連絡しておくことで、遺体が引き渡されたあとの動きもスムーズに行えます。
加えて、葬儀社が安心できる相談相手となってくれます。検視や検案など、分からないことばかりで不安に思うことはなんでも葬儀社に話を聞いてもらいましょう。
最後にもう一度おさらいです。自宅で家族がなくなっていた場合、次の3つに連絡します。
●救急車…生存しているかしないかの判断がつかない場合
●かかりつけ医…往診の医師がいる場合
●警察…死亡が確定しており、往診の医師もいない場合
そして、なるべく早めに葬儀社に相談しておいてください。いざという時にすぐに対応できますし、不安な気持ちでいっぱいのあなたに寄り添える相手となってくれます。
私たちAZUMA葬祭は、検視や検案の現場を何度も経験している葬儀のプロフェッショナルです。お客様の不安に耳を傾け、想いに寄り添いながらサポートさせていただきます。不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
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この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。