高額な出費をともなう葬儀費用です。だれしもが、その費用、そして支払いについて気になっているのではないでしょうか。一体誰がその費用を負担すべきなのかについて考えたことはありますか? この記事では、葬儀費用を誰が支払うべきなのか、さまざまなパターンをご紹介いたします。
葬儀社への窓口は喪主が一元化
通常、葬儀費用の支払いは喪主が窓口となって行います。葬儀費用そのものを親族など複数の人で出し合うのはもちろん構いませんが、支払いの際は一箇所にまとめて、代表者が一元化するようにしましょう。
親族で出し合っても構わない
支払いは一元化すべきものの、葬儀費用の負担の仕方はさまざまです。喪主が全額を負担するケースもありますし、親族間でお金を出し合うこともあるでしょう。たとえば3人の子供たちがいたとして、親の葬儀を均等に3分割して出し合うということも、家によってはあるかもしれません。こうした細かい事情は、家族によってさまざまです。
香典という形で喪主を支援する
葬儀費用の支払いを間接的に支援する方法として香典があります。香典は、故人への弔意の表現と、喪主や遺族への経済的なサポートの意味合いがありますが、家族間や親族間で香典を包むことになんらおかしいことはありません。一般的な相場には捉われず、「葬儀費用を自分も負担するんだ」という想いから数十万円の香典を包むケースだって考えられるでしょう。
喪主は長男でなくても構わない
喪主が葬儀費用を支払いますが、では、喪主は誰が務めればよいのでしょうか。最も多いのは配偶者や長男です。旧民法では長男が家督を継いだので、その名残がいまの世の中でも残っています。とはいえ、喪主の決め方は、むしろ、「葬儀後に誰が故人の供養を主体的に行うか」という点が重視されており、このあたりは家族構成や事情によってさまざまです。必ずしも長男ではなく、次男や三男が務めることもしばしばです。
施主を立てることもある
喪主とは別に「施主」ということばを聞いたことはあるでしょうか? 喪主とは喪に服する主体であるのに対し、施主は葬儀の進行を取りしきる主体で、さまざまな手配や支払いを行います。最近の葬儀では喪主と施主を同一の人が行うのが通例ですが、これらの役割を分けても構いません。喪主に経済力がない時には、親戚などが施主になるケースもあります。
社葬の場合は、会社が葬儀費用を負担する
最近の葬儀では、喪主と施主を分けることはあまり見られませんが、いまでも施主を立てる葬儀として行われているのが、社葬です。
社葬とは、会社の創業者や功労者の葬儀を、会社が主体となって行う葬儀のことで、社葬にかかる費用は会社が負担するのが基本です。
社葬の場合、親族代表が喪主を務め、会社代表が葬儀委員長を務めます。供養の主体となるのは喪主ですが、葬儀費用を負担し、葬儀全体を取り仕切るのは葬儀委員長をはじめとする会社です。
実際には、遺族負担の費用と会社負担の費用の線引きは、そのつど話し合いで決められます。式典を執り行うのに必要なもの(葬儀費用、会場費、告知にかかる費用など)は会社が負担し、故人の供養にかかる費用(お布施、仏壇、お墓、香典返しなど)は遺族が負担するケースが多いようです。
実際に国税庁も「社葬費用の取扱い」という通達を出しており、社会通念上社葬を行うことを相当とした場合、その経費を損金処理できるとしています。この損金処理できる費用項目に関しては会社側で負担することが多いようです。
葬儀費用の支払いは当日~1週間まで
支払いの中には、料理や返礼品など数量が変動する可能性があるものも含まれていますし、急な追加発注が生じることがあります。葬儀の行程をすべて終えたあとに、請求金額を計算することとなるため、請求書の発行は早くても当日、あるいはあくる日となることが多いようです。
支払い方法はさまざまです。葬儀社によってはクレジットカードや電子マネーなどに対応しているところもありますが、香典のやり取りが現金が主流であることから、葬儀社への支払いも、現金、または銀行振込が一般的です。
いかがでしたでしょうか。高額な葬儀費用だからこそ、自分ひとりで背負い込むのではなく、家族や親族と相談しながら進めていきたいものです。その協力している姿こそが、故人にとって一番の供養なのかもしれませんね。
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