取引先の社長が亡くなると、多くのケースでは社葬として執り行われます。
現役の社長の葬儀ですから、さまざまな関係先からの多くの人たちが参列します。取引先の会社、さらにはあなたにとってライバルになる会社からの参列も当然考えられます。そんな中で社の代表として参列するわけですから、きちんとした振る舞いが求められます。「社葬と普通の葬儀では何が違うのかな」「取引先の人とどのように話をすればいいのかな」などと、不安に思われる方もいるのではないでしょうか。
参列者はどのような振る舞いをすればいいのでしょうか。
社葬に参列する際に気をつけなければならないつ3つの注意点についてご説明します。
1.葬儀の情報を詳しく確認する
通常、社葬の案内は案内状、電話、ファックス、メールなどで送られてきます。社葬の実施の連絡を受けたら、まずは葬儀がどのように行われるのかを確認しましょう。
- 誰の葬儀か
社葬は、社長の葬儀だけとは限りません。会長職に当たるような前任者であったり、現役社員のこともあります。まずは誰の葬儀であるかをきちんと確認します。
- 日時と場所と葬儀委員長
いつ、どこで、葬儀が行われるのか。そして葬儀委員長を誰が努めるのかもきちんと把握しましょう。
- 香典、供花、供物について
香典を受け取るか、辞退するか、また、香典は辞退していても、供物や供花は受け付けるか、葬儀によって方針が異なります。
2.可能な限り社長が参列する
社長の葬儀の場合は、可能な限り社長が参列するのが望ましいでしょう。故人より下の役職者が参列するのは失礼にあたるためです。ただ、どうしても参列が難しい場合は、代理人を立てて参列します。その上で、香典や弔電、さらには供花などを用意しましょう。こうすることで社長としての弔意を示すことになります。
3.参列時のマナー
葬儀に参列する際は、通常の葬儀と同様に振る舞いましょう。
- 服装は略礼服
男女ともに、黒の喪服、いわゆる略礼服が基本です。通夜の場合は、黒や紺やグレーのスーツなどでも構わないとされています。もしも通夜がなく、日を改めて執り行われる本葬の場合は、服装の準備に時間的な余裕があるため、必ず略礼服を着用します。会社を代表しての参列ですから、社章がある場合は身につけましょう。
- メイクや小物は華美にならないように
髪型は清潔感を意識し、メイクもナチュラルメイクを意識し、華美にならないよう気をつけます。アクセサリーは控え、靴やバッグも喪服に合うフォーマルなものでまとめます。社葬だから特別な服装があるわけではありません。
- 名刺を忘れない
名刺は必ず忘れないようにしましょう。もしも自分が代理人として参列するのであれば、自分の名刺と代表者の名刺の2枚を持参します。社葬で差し出す名刺は、弔意を表しために右肩に「弔」と書きましょう。自分が代理人の場合は「代」と書きます。
- 通夜ぶるまいを辞退しない
通夜ぶるまいは、葬儀を主催する側からの参列者へのおもてなしの気持ちです。可能な限り、参加しましょう。たった一口でも食べ物を口にすることで、故人様の供養につながります。
- 名刺交換は厳禁
社葬では、知り合いや同業者と顔を合わすこともありますが、あくまでも社長の葬儀の場です。名刺交換、打ち合わせなどはしないように気をつけましょう。
4.弔辞を依頼されたとき
弔辞とは、故人に対しての別れの言葉を葬儀・告別式の中で読み上げることです。依頼者側からすると、数ある関係者の中から「ぜひこの人に」と依頼をしているわけですから、弔辞の辞退は失礼に当たります。故人のため、そして先方の会社のためにも、快く引き受けましょう。
弔辞は、3分から5分に納まる時間で、1,000字程度の文量が一般的です。弔辞者は着席する場所が決まっており、ご霊前まで進み出てから弔辞を読み上げます。具体的な段取りや進行の確認は、葬儀・告別式の開式前に葬儀社スタッフと打ち合わせをしますので、わからない点などがあればその時に確認しておきましょう。
弔辞は、故人と特に関係の深かった方、または会社にとってとても大切な方に依頼するのが通例です。公の場でのスピーチではあるものの、故人への語りかけを意識しましょう。また、社葬ですから、故人がどれだけ会社に対して功績を残したか、どれだけ多くの人に影響を与えたかなどのエピソードを織り交ぜても良いでしょう。
5.弔辞の文例
◯◯会社 取締役会長 ◯◯◯◯殿
先月、敬愛する会長が病に付されたとの方に接し、1日も早い快方をお祈りしておりましたが、闘病の甲斐もなく、去る◯月◯日、帰らぬ人となってしまいました。心からご冥福をお祈りいたします。
◯◯会長の、業界への、そして地域社会への貢献は、いまここで私が語るまでもありません。平成◯年に◯◯会社の社長に就任され、独自の見識と他を圧倒する実行力で、縮小傾向にあった業界全体に新たな可能性を見出しただけでなく、発展の基盤を確かなものにし、さらに拡大への道を開いてくださいました。◯◯会社がいまの業界を牽引しているのも、会長のご尽力があってこそのものです。同じ志を持つものとして、心から称賛いたします。
また、会長とは友人としてもどれだけ同じ時間を過ごしたことでしょうか。プライベートでは旅行、食事、ゴルフなど、国内外、さまざまなところに出かけましたね。こうした時間はかけがえのないものです。一人の友人を失ったことは、ただただ悲しみの極みです。
しかし、会長にはそのあとを任すことのできる有能な後継者や社員がいます。◯◯社長は、会長の意志と情熱を引き継ぎ、◯◯会社をさらに力強く前進させてくれています。社員一人一人も、いつも目を輝かせながら業務に取り組んでおられます。会長の意志が、このように新しい世代に引き継がれているのを目の当たりにしますと、我がごとのように誇らしく感じます。
ですから、どうぞいまは安心して安らかなる休息をとられることをお祈りいたします。天国で、大好きだったお酒を飲みながら、◯◯会社のことを、そして私たちのことを見守り続けてください。
安らかなご冥福をお祈り申し上げて、お別れの言葉といたします。
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