「荼毘(だび)に付す」という言葉を耳にされたことがありますか。
時代とともに変わる火葬の方法について考えてみましょう。
「荼毘(だび)に付す」は仏教徒の言葉
荼毘とは、仏教徒に対して使われる言葉で、インドのサンスクリット語で「火葬」という発音に由来すると言われています。
仏教徒が亡くなり火葬する際に「荼毘に付す」と言い、ほかの宗教徒の場合には火葬という言葉を使います。
火葬の歴史
火葬の歴史は古く、考古学上では5世紀後半頃の遺跡から焼骨が発見されています。
寺院で葬式、火葬、埋葬をすべて担っていたようですが、主流は土葬でした。
しかし、時代とともに多くの人口を抱えるようになり、埋葬地の確保や衛生面の問題などから、現在、国内の火葬率はほぼ100%となっています。
ただ、ごく一部の地域では、土葬の風習を残しているようです。
葬儀ができない「葬儀難民」?
最近、都市部において「葬儀難民」が問題化していると言われています。
火葬の予約を取るのに3日以上かかる場合や、ときには10日待ちということもあるそうです。
火葬場が少ないうえ、大勢の人が同じ時間帯に利用するため混雑を引き起こしているようです。
新しい火葬場を作ることは住環境の問題などから難しいため、死亡者数が増加していく今後は、ますます予約が取りにくくなるのではないでしょうか。
増えつつある「家族葬」「直葬(ちょくそう)」
最近の葬儀では、家族や親族のみの少人数で見送る「家族葬」が多くなっています。
その中で「直葬」という形式も見受けられます。
これは通夜や告別式などを行うことなく、火葬のみを行うというものです。
葬儀に多額の金額をかけられない、親戚や知人を煩わせたくない、身近な人だけでのお別れに時間を取りたい、といったことが直葬を選ぶ理由のようです。
「直葬(ちょくそう)」とは
火葬は、死亡後24時間以内はできません。ただし感染症(一類・二類・三類)の場合は24時間以内であっても火葬が原則です。
安置している病院の霊安室や自宅などでお棺に納棺し、直接、火葬場へ向かいます。
火葬後、拾骨をして終了になります。場合によっては、火葬炉の前で僧侶に読経をお願いすることもあります。
葬儀会場での儀式も弔問客もないため、身内のお別れの時間を十分に取ることができます。
遺族の精神的、肉体的負担が少なく、葬儀費用も抑えることができます。
直葬にお金をかける人もいる
安く済ませるために直葬をする。これまではこのように考えられてきました。
しかし、中には経済的な理由ではなく、宗教的な理由で通夜や葬儀を省略して直葬をするという人も少なくありません。こうした人たちの中には、直葬であろうと、少しでも手厚く故人を送り出したいと考える人もいます。
葛飾区にある四ツ木斎場は2016年12月にリニューアルオープンし、新設された「貴殯館」は火葬料金が28万円もします。
どうして火葬だけで28万円もするのかというと、火葬設備がこれまでの火葬場のイメージを覆すほどに充実しているからです。
館内は最大102名まで着席できる控室があり、火葬や食事のどの場面でも他の家族と会わないよう設計されています。
また、受付や、モニター・思い出コーナーなどが設置され、お別れの空間も光の演出がされており、厳かな雰囲気の中で火葬を見届けることができます。
通夜や葬儀をすると100万円近くの費用がかかる反面、直葬だけでは物足りない。四ツ木斎場の「貴殯館」は、その隙間のニーズに応えた直葬の提案をしているのです。そう考えると、28万円という金額も決して高くはないのかもしれません。
住み慣れた自宅からの出棺
これまでのお葬式は、葬儀会館で告別式をし、それから火葬場に向けて出棺していました。
しかし、家族葬が普及し、コロナ禍で三密を避けるようになってからは、ごく近しい家族だけが自宅に集まって最後のお別れをし、そこから火葬場に向けて出棺する人が増えてきました。
また、どうしても自宅に帰ることができない場合は、家族だけが集まることのできる小規模のお別れスペースが人気です。通夜や葬儀の時のような2日間利用ではなく、1日のみ、しかも時間区切りで利用できます。
こちらも、「通夜や葬儀は不要だけど、直葬だと物足りない」というニーズに応える形の葬儀スタイルと言えるでしょう。
家族の形が変化していく時代の流れの中で、この形式は今後増えていくと考えられています。
自分はどのような形の葬儀を希望するのか、心と時間に余裕のあるときに、葬儀の形式などを調べてみてはいかがでしょうか。
私たちAZUMA葬祭は、葬儀や仏事のプロフェッショナルとして、お客様の想いに寄り添ってご相談にお答えします。不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
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