墓地の使用をめぐっては紛らわしい用語や、勘違いされている事項が多くあります。
ここではその一つ、「永代使用(えいたいしよう)」という言葉について考えてみましょう。
「永代使用」とは使用権利のこと
「永代使用」とは寺院や管理会社に「永代使用料」を支払って、墓地の永代使用権を保有することを指します。
本人が生前に契約することもできます。
ここで勘違いしてはいけないのは、お墓の土地はあくまで寺院や管理会社のもののままであり、土地や家のように購入したり所有したりできるものではない、ということです。
「永代使用料」というお金を払って使用権利を保有するものであり、そのため、転売などはできないのです。
寺院などに永代使用料を払い続けることにより、永代にわたってお墓の土地を使用することができるというのが正解です。
引越しなどでその墓地の維持が難しくなったり、お墓を移したりする場合には、墓石などはしかるべき手順で撤去し、土地は寺院などに返還しなくてはなりません。
「永代供養(えいたいくよう)」とは意味が異なる
似た言葉に「永代供養」という単語があります。
これはお墓を相続する人がいない場合に、親族に代わってお寺などが供養をしてくれるというものです。
これも文字の雰囲気から永久に供養してくれるイメージを持つかもしれませんが、これにも期限があり、平均すると三十三回忌まで、となっていることが多いようです。
その後は納骨堂に合祀されるなど、無縁仏になる心配はありません。
「永代使用」と「永代供養」
このように、このふたつの言葉は似ているようで全く非なるものだということがわかります。
どちらも文字から受ける印象とは違ってわかりにくいですね。
きちんと理解をしないといざという時に混乱してしまうかもしれません。
頭の片隅に置いておくといいでしょう。