冬の葬儀では、防寒対策が必須ですが、コートやマフラーをどのように扱うべきか、そのマナーについて詳しくご存じでしょうか。この記事では、冬の葬儀の服装選びや喪服のマナーについて解説いたします。
コートやマフラーはOK 色柄に注意して
コートやマフラーの着用そのものはマナー違反ではありません。黒や濃紺やグレーなどの、ダークカラーでシンプルなデザインのものであれば構いません。膝下丈のダウンコートや、トレンチコート、ダッフルコートも、それらがカジュアルに見えなければ問題ありません。ただし、革やスエード、毛皮素材のものは避けましょう。
葬儀会場に入ったら、コートやマフラーは外すのがマナーです。会場内は暖房が効いているので、これらを脱いでも寒さを感じることはないでしょう。もしも式場内にクロークがあれば預け、なければ自分で持っておきます。
ストッキング? それともタイツ?
女性の方は、特に足元が冷えてしまいます。ストッキングの代わりに黒いタイツを着用するいますが、タイツは基本的にはカジュアルアイテムです。厚手のものを履くとフォーマル感がなくなってしまうので、できれば黒のストッキングを履きましょう。
ただしどうしても寒さに耐えられない場合、60デニールくらいまでであれば許容範囲内だと言われています。
冬の靴選び
男性も女性も、季節を通じて喪服に合った靴を履きます。男性だと黒の革靴のストレートチップ、女性だとシンプルな黒のパンプスが基本です。
しかし、寒冷地や雪の多い地域では、目立たない地味なものなら、ブーツや長靴でも構わないとされています。その日の天候や地域性にあわせて臨機応変に対応しましょう。
手袋は使ってもいい?寒い冬の手元マナー
冬の葬儀では、手袋の着用が必要になる場面もあります。手袋は着用してもマナー違反にはなりませんが、素材やデザインには注意が必要です。喪服に合うよう、黒や濃紺などのダークカラーで、シンプルなデザインを選びましょう。特に革や毛皮素材は避けるべきで、ウールやカシミアなどの上品な素材が適しています。
また、手袋は葬儀会場に入ったら外すのが一般的なマナーです。コートと同様に、式場内での着用は控え、クロークがあれば預け、なければ自分で持ちましょう。手元の防寒にも気を配りながら、礼を重んじた装いを心がけることが大切です。
式場内と外でメリハリを
防寒対策が特に必要なのは葬儀会館に到着するまでで、建物の中に入ると暖房が効いています。これまでお伝えしてきた通り、マナーの観点からも、コートやマフラーは式場に着いたら脱ぐようにしましょう。遺族や親族は控室に置いておきます。一般参列者はクロークがあればそこに預け、なければ自身の手で持っておきます。
また、焼香の際には手荷物台が用意されているので、それを利用しましょう。
式場であたたかい飲み物を飲んでもいい?
葬儀式場において、寒さ対策として温かい飲み物を持ち込むことは、基本的にマナーとしては控えるべきです。葬儀は厳粛な場であり、参列者が個別に飲み物を持参している姿は、他の参列者や遺族に対して無礼に映る可能性があります。特に式の最中に飲むことは避けましょう。
ただし、持病や体調不良でどうしても必要な場合には、あらかじめ目立たない形で準備し、飲む際も周囲に配慮することが大切です。式場内は暖房が効いていることが多いので、上着を脱ぐなどして寒さを調整し、飲み物が必要ないよう心掛けるのが望ましいです。
自分自身でできる防寒対策
式場の中にいても、寒さが抜けないという人も少なくありません。参列先で体調を崩すと、自分自身も辛い思いをするだけでなく、遺族にも迷惑がかかってしまいます。可能な限りの防寒対策をしましょう。
たとえば、ホッカイロを貼る、ストールやひざ掛けを用意する、あたたかい素材のインナーを着るなどが挙げられます。
インナーは、黒や肌色など目立たない色を選び、厚手すぎないものが基本です。ヒートテックや保温性のある素材は、薄手でも十分な防寒効果があります。
また、襟元や袖口からインナーが見えないように工夫することも大切です。
体温調整のために、ストールやひざ掛けを使うのも良い対策ですが、派手なデザインや素材は避け、シンプルで控えめなアイテムを選びましょう。フォーマルな装いを保ちつつ、寒さに備えた適切な準備が必要です。
おわりに
いかがでしたでしょうか。冬の葬儀では、防寒対策をしながらも、喪服のマナーを守ることが大切です。コートやマフラー、手袋、インナーなどの防寒具は、シンプルで控えめなものを選び、式場内では適切に取り扱いましょう。寒さから体調を崩さないようしっかり準備をしつつ、礼を重んじた服装で故人を見送ることが重要です。しっかりとマナーを守りながら、安心して参列できるよう心がけてください。
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