4年に1度だけ訪れるうるう年。季節と暦の運行のズレを調整するために平年よりも日付が1日ほど多くなり、日本では4年に1度、2月が29日までとなります。では、この2月29日に亡くなった場合、その人の命日はどのように捉えられるのでしょうか。この記事では、葬儀のプロフェッショナルであるAZUMA葬祭が、役所への届け出と、お寺による供養と、その両面で解説いたします。
そもそもうるう年とは
まずは、うるう年がどういったものなのかを押さえておきましょう。
閏年(うるう年)とは、一般的には、通常よりも1日長い年のことを指します。これは主にグレゴリオ暦(西暦)で使用されており、1年が365日ではなく366日となります。この追加される1日を、2月29日とします。
閏年は地球が太陽の周りを一周するのに要する時間(太陽年)と、暦年(365日)の間のわずかなずれを調整するためのものです。地球が太陽の周りを一周するのに実際には約365.24日かかるといわれており、4年に1回のペースで1日を追加することによって、このずれを補正しています。
ただし、これだけではまだ正確ではないため、グレゴリオ暦ではさらに精密なルールが設けられています。具体的には、4で割り切れる年は閏年ですが、100で割り切れる年は閏年ではないものの、400で割り切れる年は閏年となります。このルールにより、閏年は4年に一度が基本ですが、100年に一度の年はうるう年を飛ばし、400年に一度の年はうるう年を採用することになります。
死亡届への記載は2月29日のまま
死亡届には、死亡時刻を書く欄がありますが、ここには事実の通り「2月29日」と記載します。
死亡日時(書類上は「死亡したとき」)は、家族が勝手に書くものではありません。医師が下した死亡時刻をそのまま死亡届に転載します。
死亡届はA3サイズの用紙で、右半分が医師が記入する「死亡診断書」なっています。正確な死亡時刻は医師が書き込んでくれるので、死亡届の記入欄にも、その通りに書かなければなりません。
位牌への記入も2月29日のまま
では、お坊さんが用意する位牌にはどのように書かれるのでしょうか。この場合も、事実の通り「2月29日」と書き、これを命日とします。
葬儀で使われる位牌は白木の仮位牌で、お寺が用意します。葬儀の後には位牌や墓石に故人様の命日を彫刻しますが、ここにもお坊さんが書いた通り、「2月29日」と刻印しましょう。
お参りや法要は前倒しで行うことが一般的
2月29日が4年に一度しかやって来ないとはいえ、故人様の命日は事実として2月29日で代わりはありません。
しかし、だからといって故人様の法事やお参りが4年に1度しか行われないのかというとそんなことはありません。その前後で日にちを調整して、きちんと故人様を供養します。
実際には、毎月行われる「月参り」や、一周忌や三回忌などの「年忌法要」では、29日より手前のどこかで行うのが一般的で、3月1日以降に行うのはあまり見られません。
命日を前倒しにして法要を執り行うのは、仏事の世界ではごく一般的に行われており、何もうるう年の2月29日の人だけに限りません。たとえば、一周忌や三回忌などの忌日が平日と重なってしまった場合、その日に法要をしようとしても、仕事や学校などで親戚が集まれません。そのため、命日よりも手前の土日祝日に行うのです。
同じような感覚で、2月29日にご命日を迎える人の法要は、その手前の土日祝日に行います。
また、毎月の祥月命日にお坊さんが檀家の各家をお参りする「月参り」でも、命日を早めてお参りすることは日常的に見られます。
たとえば、31日が命日だった人は、31日がない月にはお参りができないのかというとそんなことはなく、その月だけ30日にお参りするなどで対応しています。
29、30、31日のいずれかにお亡くなりの人は、28日までしかない2月に関してはお参りがないのかというとそんなことはなく、月末のどこかをお参りの日としているので、安心して下さい。
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葬儀に関するよくある質問FAQ
うるう年の位牌への記入は?
お坊さんが用意する位牌にはどのように書かれるのでしょうか。この場合も、事実の通り「2月29日」と書き、これを命日とします。
うるう年のお参りや法要はどうするの?
命日を前倒しにして法要を執り行うのは、仏事の世界ではごく一般的に行われており、何もうるう年の2月29日の人だけには限りません。たとえば、一周忌や三回忌などの忌日が平日と重なってしまった場合、その日に法要をしようとしても、仕事や学校などで親戚が集まれません。そのため、命日のよりも手前の土日祝日に行うのです。
この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。