この記事では、新型コロナウイルスに感染してお亡くなりになった人の葬儀についてお伝えいたします。
新型コロナウイルスで亡くなった志村けんさん
新型コロナウイルスが猛威を振るっている中、政府は4月7日に、東京、神奈川、千葉、埼玉、大阪、兵庫、福岡の1都7県に緊急事態宣言が発令しました。
はじめはどこか「他人ごと」のように思えていた新型コロナウイルスですが、タレントの志村けんさんの訃報が、コロナウイルスの脅威を「自分ごと」として捉えるきっかけになったように思えます。
志村けんさんの訃報は、いろいろな意味で私たちに衝撃を与えましたが、新型コロナウイルスの感染者が亡くなった場合には、病院や火葬場での立ち合いすらできないということに、多くの人は驚き、無力感を覚えたのではないでしょうか。
新型コロナは24時間以内に火葬ができる「指定感染症」
亡くなった人の火葬や埋葬などを定める「墓地、埋葬等に関する法律(以後:墓埋法)」の第3条に、「埋葬又は火葬は、他の法令に別段の定があるものを除く他、死亡又は死産後24時間を経過した後でなければこれを行ってはならない」と規定されています。つまり、通常は死後24時間が経過してからでなければ火葬ができないのです。
しかし、志村けんさんは24時間以内に火葬されました。これは、志村けんさんの死亡が、先ほど引用した「墓埋法」の「他の法令に別段の定があるもの」に該当するからです。
「感染症のう予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律」の第30条には、このように示されています。
一類感染症、二類感染症、三類感染症又は新型インフルエンザ等感染症の病原体に汚染され、又は汚染された疑いがある死体は、二十四時間以内に火葬し、又は埋葬することができる。
厚生労働省は令和2年1月28日に、新型コロナウイルスを指定感染症として定めています。そのため、志村けんさんは感染拡大防止のために、24時間を待たずに火葬されたのです。
火葬後の葬儀
志村けんさんは、病院や火葬場に誰も立ち会われることなく遺骨となり、ご親族の元に帰って行かれました。報道によりますと、葬儀は近親者のみで行われたとのこと。もしかしたら、コロナウイルスが収束した段階で「お別れの会」が開催されるかもしれません。
新型コロナウイルスの感染者に限らず、どんな人の葬儀でも、参列者を招かない家族葬がほとんどだと言われています。参列した人たちの間で感染が拡大してしまったら、故人さまも悲しい思いをされるでしょう。
家族だけで葬儀を行い、その後必要に応じてお別れの会を開く、というようなスタイルが今後定着していくかもしれません。
とはいえ、何よりもまずは、志村けんさんをはじめ、新型コロナウイルスでお亡くなりになった人のご冥福と、新型コロナウイルスの1日も早い収束をお祈りするばかりです。