故人様を棺の中にお納めする「納棺」は、葬儀の一連の流れの中でも、特にご遺族と故人様の距離が近づく大切な時間です。そんな納棺を取り仕切る納棺師になりたい人も数多くいます。
納棺師とはいったいどのような仕事をするのでしょうか。詳しく解説いたします。
納棺とは
2006年に公開された映画おくりびとを通じて多くの人が納棺師という仕事のことを知ったのではないでしょうか。
納棺とは、亡き人のご遺体を棺の中に納めることですが、納棺は納棺式という儀式の形にして行います。ご遺体を棺の中にただ納めるだけなので、わざわざ儀式化しなくても、ひとつの作業として行えばいいように思われますが、そこに儀式性を持ち込んだところに、人々がいかに納棺を大切なものと考えているかがうかがいしれます。
また、最近は日本納棺士技能協会によって納棺士の資格認定制度ができました。これまで葬儀社ごとが地域の慣習にならって行われてきた納棺の統一化と納棺士の技能向上が目的です。それだけ葬儀の現場の中で納棺の果たす役割が大きくなってきていることを意味しているものと思われます。
納棺師の4つのスキル
納棺師がなぜ専門職として存在するのか。それは納棺師だからこそ求められるスキルがあるからです。そのスキルとは主に次の4つです
ご遺体の腐敗の防止
人の体は、息を引き取った直後から細胞活動が低下し、時間の経過とともに腐敗が進行していきます。葬儀までの間にご遺体の様子が変わっていくさまは、ご遺族をさらに悲しませてしまうこととなり、この腐敗の進行を防止するのも納棺師の大切な仕事です。一般的にはドライアイスをおなかまわりや首まわりに当てて、ご遺体の内臓部分を中心に冷却します。また、綿詰めをして体液が漏れ出ないよう衛生的な処置を施します。
湯灌
湯灌とはご遺体を綺麗に洗い清めることです。古くから遺体を棺に納める前に湯灌を行う風習がありました。
具体的な方法は地域によってさまざまですが、逆さ水などで綺麗に拭き清める方法が一般的です。最近では病院で清拭を終えた状態で遺体を引き渡されることが多いため、形式上の「拭き湯灌」を家族たちで行うのが主流です。故人様の身体にゆっくりと触れることのできる最後の時間です。家族に寄り添いながら湯灌を進めていきます。
現代の葬儀で納棺師を招いて行う湯灌となると自宅の中にユニットバスを持ち込んでシャワーのお湯で綺麗にします。
ラストメイク(化粧)
納棺師の大切な仕事に死化粧があります。息を引き取るまでの間、寝たきりや闘病で苦しい思いをされた方もたくさんいるでしょうし、その分、お葬式の時ぐらい故人様を晴れやかな顔で送り出してあげたいと望むご遺族様もたくさんいます。お亡くなりの時にはさまざまな事情があるため、骨格が歪んでいる、亡くなって日にちが経っているなどのケースも考えられます。納棺師の化粧は可能な限り故人様の自然の面影を復元してくれます。
納棺
納棺師による納棺では経帷子の着せ付けも含めて一連の儀式として行われます。ご遺体を大切に取り扱う姿に、遺族の悲しみはわずかばかりでも癒え、救われる気持ちになることでしょう。亡くなったばかりの辛そうな姿ではなく新たな旅立ちのためにきれいに整えられた故人様の姿こそ、残された私たちを慰めてくれるのかもしれません。
納棺師の資格
納棺師になるための必要な学歴や資格はありません。
納棺師になるには、葬儀会社に就職、納棺専門業者に就職することです。毎日の業務の中で知識と経験を積みながら納棺のスキルを高めていきます。
また最近は納棺師になるための専門学校も開校されており、こちらに進学してから葬儀社や専門業者に就職するという方法もあります。
おくりびとアカデミーの「納棺士コース」は、週3日、半年間の受講で、学費は120万円。納棺師として必要なマナーや知識、そして実技を通じて遺体の処置やメイクなどについて学べます。
納棺師の手配はオプションサービス
ほとんどの葬儀社では、納棺師による納棺はオプションサービスで、別途お金が必要となります。しかし当社のプランではラストメイク(お化粧)が含まれています。最後は晴れやかに旅立っていただきたい。そのような想いから、故人様のお顔をきれいにして差し上げるサービスに取り組んでいます。
闘病生活が長く、お風呂にも入れなかったのであれば、是非とも湯灌やラストメイクをして差し上げることで、故人様も私たちも救われる思いがするのではないでしょうか。
私たちAZUMA葬祭は、葬儀や仏事のプロフェッショナルとして、お客様の想いに寄り添ってご相談にお答えします。不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
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