年末が近づいてくると郵便受けから喪中はがきを手にすることが多々あります。
悲しいお知らせの喪中はがきですが、遺族の立場として出す場合、どのような文言で、いつ出せばよいのでしょうか?
正しい書き方、出す時期はいつ? などの疑問にお答えします。
「喪中はがき」は感謝の気持ちをこめて
「喪中」とは死者を偲ぶ期間です。
通常は四十九日法要が過ぎてから半年から1年を喪中としますが、故人との関係でその期間は変わってきます。
「喪中はがき」とは、正式には「年賀欠礼状」と呼びます。普段年賀状のやりとりをしている方へ、喪に服しているため年始のご挨拶を失礼することを伝えるために出すものです。また最近では家族葬が多く、喪中はがきを受け取ってはじめて故人の死を知るというケースも増えています。
「生前故人が皆さまに賜った感謝」と、「残された遺族をこれからもよろしくお願いします」の気持ちを込めて書きましょう。
喪中の範囲は?
喪中の範囲は、通常2親等までと考えられています。故人から見た1親等には、両親、配偶者、子が含まれます。2親等には、兄弟姉妹、祖父母、孫が含まれます。また、2親等に含まれていなくても一緒に生活していたなどで、喪中はがきを出すケースもあります。
喪中はがきはどこで用意する?
喪中はがきはどこで買えばいいのでしょうか。店頭、インターネット等さまざまな方法がありますので、特徴と合わせてご紹介いたします。
- 市販のはがきを購入して自ら作成する。
市販のはがきを購入し、自ら筆を取って文面に書く方法があります。はがきは郵便局やコンビニや文房具店などで販売しています。無地のものを買って、手書きや自宅プリンターで作成できます。また、柄が入ったものやあるいは文面が印刷されたものもありますが、故人の情報などは手書きしなければならないため、手間がかかるでしょう。
- はがき印刷サービス
はがきだけでなく印刷サービスも併せてしてくれるため、大変便利です。郵便局、コンビニ、写真店などだけでなく、インターネット専用の印刷業者もあります。デザインや定番のフレーズを自由に選んで、簡単に注文できます。最も主流な注文方法でしょう。
- 葬儀社に依頼する
葬儀社でも喪中はがきの受付をしてくれます。故人の情報などを把握してくれているので話が早く、細かいことは任せておけば安心です。ただし、印刷業者との間に入って葬儀社が取り次ぎをしてくれるので、費用は若干高めでしょう。
はがきと切手は弔事用を用いる
使用するのは「私製はがき」または「官製はがき」です。
厳密な決まりはないのですが、本来は「私製はがき」に弔事用の切手を貼って出すものです。
文章は年賀を欠礼することのみを書く(下記参照)
・文書の形式は縦書きです。
・薄墨でなくてもかまいません。
・親族が亡くなったため年賀を欠礼する旨を記します。
・年賀欠礼のみを書き、近況報告などほかのことは書かないようにします。
・夫婦連名で出す場合、故人との続き柄は夫に合わせます。
・感謝の言葉を書き添えます。
投函するのは11月中が望ましい
喪中はがきの投函は、できれば11月中に、遅くても12月初旬までには相手方に届くように投函しましょう。多くの人は、12月16日以降に年賀状をポストに投函するという調査結果が出ていますが、中には早めに年賀状の準備をする人もいますので、遅くならないようにするのが相手に対しての配慮です。
喪中はがきの期間が過ぎると寒中見舞いに切り替わる
もし年末までに出せなかった場合には、年が明けて松の内(1月7日)が過ぎてから「寒中見舞い」として送ります。
寒中とは、二十四節気の小寒(1月5日頃)から大寒(2月4日頃)までのことを指します。
もとは、雪の多い地域や寒さの厳しい地域で相手を気遣うための手紙として用いられていますが、年賀状の返答や、喪中はガキもこの期間に差し出すものとされています。年賀欠礼としての寒中見舞いはがきも市販のものや印刷サービスがありますので、それらを利用しましょう。
不祝儀を辞退したい時の一文
最近は家族葬が多いため、喪中はがきではじめて死亡の事実を知るというケースも少なくありません。この場合、受け取った人の心理としては「何か御香典やお供えを送らなければ」となるものです。実際に、香典を持参しての弔問、進物線香の配達などが増えていると言われています。もしもこのような弔意を辞退する場合、次のような一文を追加しておきましょう。
「なお、誠に勝手ではございますが、お心遣いはご辞退申し上げますので、何卒ご了承のほど、お願い申し上げます。」
喪中なのに年賀状を受け取ってしまった場合の対処法
こちらの喪中はがきが先方に届く前に、こちらに年賀状が届いてしまうことがあります。その場合は、寒中見舞いとしてお礼を差し出しましょう。その中で、喪中のために年賀欠礼をしたこと、そして年賀欠礼のお知らせが遅れたことをお詫びしましょう。
「喪中はがき」とは、感謝の気持ちをこめて送ることを忘れないようにしましょう。
【あいさつ文の一例】