形見分けはどのようにするべき?またいつ行う?

遺品整理の一環として行われる「形見分け」は、故人が愛用していた品物を親族や親しい友人に分けることです。これは単なる遺品の分配ではなく、故人の思い出や、故人との絆を共有し、心の中で供養を行う意味をも持っています。
形見分けは、いつ、どのように行えばよいのでしょうか。詳しく解説いたします。

形見分けとは

形見分けは、家族や親族、故人の友人など故人が遺した品を大切に受け継ぎ、そのものを通じて故人を偲ぶことを指します。形見分けは、遺品整理としてだけでなく、供養の一環にもなるのです。
なお、金銭的価値のあるいわゆる「遺産」は相続人に分割相続されるため、形見分けの対象からは外します。

形見分けの時期

形見分けの時期に決まりはありませんが、いわゆる「区切りとなるタイミング」をきっかけにすると行いやすいでしょう。

四十九日間は忌明けとされているので、それ以降で親族が集まりやすいタイミングで行うとスムーズに形見分けができるでしょう。たとえば、四十九日、一周忌、三回忌などの法事、年末年始やお盆などが挙げられます。

また、形見分けのために関係者で日程を決めて、全員が集まる日を決めてもよいでしょう。

形見分けの手順

形見分けは、次のような手順で行います。

1)遺産分割協議を終える
まず遺産分割協議を終えます。故人の遺品は相続人全員のものあり、個人の判断で処分することはできません。親族や関係者が集まるのは、これが目的であるとも言えます。

金銭的価値のあるものとないものに区別をし、貴金属や骨とう品など、価値があるものは相続の対象となります。

2)形見分けの対象を選定する
故人が愛用していた品物や思い出の詰まった品物を選びます。一般的には次のようなものが挙げられます。

  • 日常的に使用していたもの(筆記具、時計、めがね、カメラ、数珠など)
  • 愛用していた衣類(衣服、帽子、ネクタイ、靴、バッグなど)
  • コレクション(食器、書籍、雑貨など)
  • 思い出の品(写真、アルバム、ノートなど)

身近な関係者の中で「誰がどれを受け取るか」を決め、次に「誰にどれを贈るか」を決めます。

3)品物をきれいにする
形見分けする品物を誰かに贈る場合は、クリーニングやメンテナンスを行い、きれいな状態にしてから贈りましょう。特に衣類や時計などは注意が必要です。

4)贈る相手を考慮する
形見分けは故人と親しかった人に贈ります。

5)包装について
形見分けはプレゼントではないため、特別な包装は不要です。しかし、手渡す相手や遺品そのものに対する敬意を表す意味で、簡易的な包装(半紙や風呂敷で包むなど)をするとよいでしょう。

贈与税や相続税に注意

形見分けは、基本的には資産価値のないもので行われますが、万が一資産価値があるもので形見分けした場合、贈与税や相続税が発生するおそれがあります。骨董品、美術品、宝飾品、着物、趣味のコレクション、盆栽などは、資産価値があるものとみなされるかもしれません。

判断がむずかしい場合は、鑑定士などに依頼してみましょう。

受け取る側のマナー

もしも形見分けの品物が贈られたら、基本的には受け取るのがマナーです。どうしても受け取れない場合は丁寧に理由を説明して断りましょう。また贈る側も、相手が受け取りを拒否した場合は、無理強いすべきではありません。

また、形見分けをいただいたからといって、お礼は必要ありません。

おわりに

いかがでしたでしょうか。

形見分けは、単なる物の受け渡しではなく、故人との絆を再確認し、供養の一環として大切にされています。マナーや時期に気を配りながら、大切な人の思いを遺された人たちにつなぐためにも、感謝の気持ちで形見を贈りましょう。

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