葬儀日程(お通夜・お葬式・法事法要)のスケジュールはどうやって決めるか

お葬式の日程は、どのように決めるのでしょうか。
葬儀日程は、故人さまが息を引き取ったその日のうちに、遅くても翌日には決めておくことが一般的です。そして2、3日のうちに通夜、告別式、そして火葬を終えてしまいます。
喪主や葬儀社との打ち合わせの中で、どのように日程を決めているのでしょうか。詳しく解説いたします。

ご遺体の安置が済んでから日程について考えよう

お身内の方の訃報が飛び込んできたら、「いつ葬儀をしようか」と考えがちですが、まずは焦らず、故人様をしかるべき場所に安置して、それから葬儀日程を決めるのがよいでしょう。

病院で亡くなった場合は、医師による説明や死亡診断書の受け渡し、看護師による清拭などが済むと、ご遺体はすみやかにご家族の元に引き渡されます。

しかし、もしも警察が介入するような事案であれば、監察医や警察医による検案や、場合によっては解剖検査をしなければならないこともあり、葬儀日程を組みづらい状況が続きます。

ご安置は、自宅か葬儀社などの安置施設のいずれかになります。まずは故人様にお休みいただき、状況が落ち着いた段階で、葬儀社と一緒に葬儀日程を決めていきましょう。

葬儀日程と場所は一番はじめに決めなければならないこと

葬儀社との打ち合わせでは決めなければならないことがたくさんあります。
その中でも葬儀日程と場所をなによりもはじめに決めます。

なぜなら、日程や場所が決まらないことにはその他のすべてのことが進まないからです。
親族や関係者への訃報の連絡もできませんし、葬儀社側からしても見積もりのしようがなく、各方面への手配ができません。
葬儀日程を決めるときには次の4つの要素を調整しながら決めていきます。

●喪主や遺族の希望
まずは喪主や遺族が希望する日程で調整します。「早く葬儀を済ませてしまいたい」「遠方にいる親戚が集まりやすい日にしたい」「わずかでもいいから故人さまに寄り添いたい」などの希望がかなうよう、葬儀日程を決めていきます。

●宗教者の都合
もしも菩提寺(先祖代々を供養してくれている寺院)がある場合は、菩提寺を葬儀に招くため、そちらの都合も確認しておかなければなりません。
菩提寺がない場合は葬儀社にお寺を紹介してもらえますが、その場合は希望の日時で来れるお寺を手配してもらいます。

●式場の空き状況
喪主や宗教者の都合にあった日時で式場や火葬場が予約できるか。これが葬儀日程を決める上でとても重要です。
火葬場併設の式場などは特に人気で、3〜4日待たなければならないことはざらにあります。

また、自宅からの距離や、葬儀の規模に合う大きさなどの要素も考えなければなりません。
どんなに他の式場が予約で埋まっているかといって、家から遠い、しかも家族葬なのに大きい式場を予約しても、場所を持て余すだけですし、式場利用料も高くついてしまいます。

●火葬場の空き状況
都内の火葬場は混雑することで有名です。出棺後の火葬は11時から13時の枠に集中しますが、この時間帯がいっぱいであるために葬儀日程をずらすというケースも少なくありません。
こうした4つの要素を調整しながら葬儀日程と場所を決めていくのです。

死亡後24時間は火葬できない

法律では、死亡後24時間は火葬できないとされています。直葬を希望する人は特にこの点を注意しておきましょう。

たとえば深夜に亡くなった故人様のご遺体をその日の朝に引き渡された。物理的にはその日の日中に火葬ができそうなものです。

しかし、法律では死後24時間の火葬を認めていないので、1日はどこかに安置しなければならないのです。

友引や仏滅は? 六曜と葬儀の関係

友引の日には葬儀はすべきでないとされています。これは、友引を「友を引く」日と考えるからです。友引の日に葬儀をすることで、だれかが道連れになってしまうという迷信からきています。

実際に友引に葬儀をする人はほとんどおらず、地域によっては友引の日を休業にしている火葬場もあります。24時間365日営業しているわたしたち葬儀社にとってはつかの間の休息の機会にもなります。

もちろん迷信ですから科学的な根拠はありません。たとえば浄土真宗の開祖である親鸞聖人は、「吉両日を視ることを得ざれ」と、迷信に惑わされてはいけないと言っていますが、だからといって浄土真宗の人たちがみんな友引も気にせず葬儀を行っているかというと、そうでもありません。たとえ迷信だとしても、誰だって不吉なことを率先して行おうとはしないものです。

友引に避けるべきは葬儀ですから、通夜を執り行うことはなんら問題ないとされています。

また、最近では、東京都内でも一部の民営火葬場は友引でも稼働するようになりました。火葬件数が増え、現状の火葬炉の数では火葬が追いつかないからです。

また、もうひとつ気になる不吉な六曜といえば仏滅ですが、こちらは気にしなくてよいとされており、当たり前のように葬儀が執り行われています。

仏滅は、「仏が滅びるような凶日」としてお祝い事などを避ける傾向にあります。しかし、かつては「物滅」と言われていたことから、「いったん物事がゼロになり、新たなことを再スタートできる日」としてポジティブに捉える考え方もあります。この考え方はまさに葬儀の意義と重なっていると言えるでしょう。

法事法要の日程の決め方

一方、法事はあらかじめ故人さまの命日が分かっているので、日程調整はそう難しくはありません。

「●月●日が故人さまの一周忌だ」とわかっていれば、事前にその手前の土曜日や日曜日などに設定します。
年忌法要は本来は命日当日に行うのが望ましいのですが、平日は仕事や学校などで忙しいため、親戚たちが集まりやすい休日に執り行うのが一般的です。

ただし、忌日を過ぎるのはよくないとされています。休日は他の家の法事も重なり合うことが予想されるため、早めにお寺に連絡して法事日程を押さえておきましょう。

以下、代表的な法事日程の決め方について解説します。

●初七日法要

死後七日目に行う法要が初七日法要です。しかし最近では家族や親族が集まっている葬儀当日に、初七日法要を繰り上げて行うことが増えています。葬儀式の式中に組み込んだり、火葬後に式場や寺院に戻って執り行うなど、ケースによってタイミングが異なります。

●四十九日法要

死後四十九日目に行う法要のことで、「満中陰法要」や「忌明け法要」などとも呼ばれています。死者が祖霊となる大切な法要で、この日を境に死者は成仏し、家族の忌も明けると考えられます。仏壇や位牌の開眼法要を合わせて行うこともありますし、この日に遺骨をお墓に納めることもあります。家族や親族などに連絡しなければならないので、なるべく早めにお寺と相談して日程を決めておきましょう。なお、四十九日当日が平日の場合、その手前の土日や祝日に行うことも日常茶飯事です。

●一周忌、三回忌などの年忌法要

一周忌以降は故人様の命日、またはその手前の土日や祝日に法事を行います。早めにお寺と相談して参列してほしい家族や親族に伝えておきましょう。なお、「一周忌」は亡くなった年の翌年、「三回忌」は亡くなった年の2年後、「七回忌」は亡くなった年の6年後に行い、十三回忌、十七回忌、二十三回忌、二十七回忌、三十三回忌と続きます。

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