跡継ぎがいなくなったお墓はどうなるの? 墓じまいとは

葬儀や埋葬の方法が多様化し、少子高齢化が進むなか、跡継ぎがいなくなったお墓の「墓じまい」を考える人も増えているようです。

ただ、先祖代々守られてきた大切なお墓を、自分の代で撤去し処分してもいいのだろうか、と迷う人も多いことでしょう。そんな疑問にお答えします。

目次

「墓じまい」とは

お墓を解体・撤去することは「墓じまい」と呼ばれています。

実はお墓の承継には決まりはありませんので、誰が継いでもよいとされています。ですが、跡継ぎがいなくなった場合、現実的に継ぐのはむずかしくなります。

継承者が絶えてしまうとお墓は無縁仏として処分されてしまうため、事前に「墓じまい」を行うというやり方があるのです。

「墓じまい」の背景にある事情

「墓じまい」を考える背景には、さまざまな事情があるでしょう。

 ・結婚していない。子どもがいない

 ・子どもはいるが、結婚相手の墓に入ることになっている

 ・子どもは遠方に住んでいる

 ・墓を守る親族がいない

 ・お墓を守るために生じる金銭的負担を子どもにかけたくない

 ・お墓を維持する経済的な余裕がない

 ・高齢のため、お墓参りやお墓の維持がむずかしい

このようなことも理由になっているようです。

「墓じまい」 6つの手順
「墓じまい」と聞くと、ただ墓石を撤去すればいいんだと思う人が多いのですが実はそうではありません。墓じまいをするためには次に挙げる6つのことを同時にしなければなりません。
●新しいお墓を決める
墓じまいをするということは、その中にあるお骨をどこか別の場所にも移さなければなりません。つまり、新しいお墓をまずは決めるのです。ここで言う「お墓」とは、なにも墓石のことだけを指しているのではありません。納骨堂や樹木葬もこれに含まれます。中には個別にお墓参りすることがないため、合祀や散骨といった方法をとる人もいるでしょう。
●霊園への墓地返還手続き
いまお墓のある霊園の管理者(霊園の管理事務所やお寺の住職)に、墓じまいして墓地を返還する旨を伝えましょう。必要な手続きを行います。寺院墓地の場合、墓地の返還がそのまま離檀(檀家をやめること)につながることもあるので、あわせて相談します。

 

●改葬許可証を役所からもらう
新しいお墓が決まったら、いまお墓がある自治体の役所から「改葬許可証」を発行してもらいます。発行のためには
・いまのお墓の管理者による納骨証明
・新しいお墓の管理者から受入証明
・役所が指定する書類
をそろえなければならず、それなりの手間がかかるでしょう。

 

●お寺に魂抜きをしてもらう
墓石の解体撤去工事に入る前には必ずお寺に魂抜きの法要をしてもらいます。これを「お性根抜き」や「閉眼供養」などとも呼びます。墓石の中に仏さまやご先祖さまの魂が込められているとされています。これまでの感謝の気持ちも込めて、必ず魂抜きをしてもらいましょう。石材店は、魂抜きをしたかしていないかを必ず確認します。中には魂抜きの済んでいない墓石の墓じまいは受け付けてくれないところもあるでしょう。

 

●石材店による墓じまいの工事
新しいお墓が決まり、墓地の返還手続きをし、改葬許可証が発行され、お寺による魂抜きが済んで、はじめて墓じまい工事に取りかかることができるのです。墓じまいの工事では、墓石を解体撤去し、墓地をきれいに更地にします。撤去した石材は許認可を受けた産業廃棄物処理業者で処理し、砕石として再生利用されます。また、更地にした墓地は、霊園に返還しなければなりません。転売や譲渡はできないので気を付けましょう。

 

●新しいお墓への納骨
墓じまいが無事に済んで遺骨を取り出すことができたら、いよいよ新しいお墓へと納骨します。納骨の際には役所から発行された「改葬許可証」が必要となるので、忘れないようにしましょう。

 

「墓じまい」の注意点

では実際に「墓じまい」する場合の注意点をみていきましょう。

煩雑な手続きに加えて費用もかかります。

計画から実行まで数年かかる心づもりで準備しておきましょう。

① 親戚との話し合い

親戚と十分に話し合い、了承を得るようにします。お墓は家族だけのものではなく、お参りするすべての人のものだからです。もちろん、お墓をどうするかは「祭祀承継者」が決めることができますが、お参りをする権利は等しく他の人にもあります。トラブルにならないためにも、大切な親戚とは事前に話し合いをしておきましょう。

② 離檀の可能性

お寺にお墓がある場合は計画段階から相談しましょう。お墓を閉じ、別のところに改葬するにはお寺から証明書を出してもらう必要があるからです。また、墓じまいをして別の霊園、別のお寺のお世話になる場合、それは「離檀」になつながる可能性があるため、あわせて相談しておきましょう。檀家を離れるための「離檀料」をお寺に支払う場合もあります。

③ 石材店を相見積もりする

墓じまい工事に入ってもらう石材店を相見積もりし、比較検討しましょう。少しでも安く済むに越したことはありませんし、きちんと仕事をしてくれるかどうかも大切です。ただし墓地によっては石材店が指定されていることもあるので、気を付けましょう。

 

さまざまな事情によってお墓を維持管理するのが困難になることもあるでしょう。

結果として片付けることになったとしても、先祖への供養と、家族を大切に弔う気持ちを忘れないようにしましょう。

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