えっ、いけないの!? ご遺体の移動は、普通の車じゃダメなんです。

「少しでも葬儀費用を安く抑えたいから、自分たちの車でご遺体を運びたいけど可能ですか」 たまにこうしたお問い合わせをいただきます。

一昔前は、多くの人たちは自宅で息を引き取っていたので、遺体の搬送という問題がありませんでした。

しかし、近年は病院で最期を迎える方も多くなり、葬儀を行う上で遺体の搬送は不可欠な行程です。

遺体を自家用車で自宅や斎場へ搬送することは法的に問題ありませんが、遺体の状態や移動距離によっては棺に納め、葬儀社に依頼する方がよいでしょう。

遺体搬送の際の注意事項を確認しておきましょう。

遺体搬送業務は、国土交通大臣の許可が必要

まずはじめに知っておいていただきたいのは、私たち葬儀社がご遺体を搬送するために所有している寝台車は、一般貨物自動車運送事業として、国土交通大臣から許可を受けたものということです。いわゆる「緑ナンバー」ということです。

お客様からお金をいただく以上は、大切なご遺体を安心かつ確実に、ご指定の場所までお運びしなければならず、それ相応の設備や経験が求められます。緑ナンバーの寝台車を使用するということは、葬儀や遺体の取り扱いに長けたプロが、大切な故人様をお運びするということに他ならないのです。

「白ナンバー」でも遺体の搬送は可能

では、遺体の搬送は普通の車、いわゆる「白ナンバー」ではダメなのか、というとそんなことはありません。事業として行わない、つまりお金を頂かないのであれば、普通の車で搬送しても構わないのです。

遺体の搬送は「死亡診断書」が必要

ただし、気をつけなくてはいけないのは遺体を搬送する場合には、「死亡診断書」の携行が必要であることです。たとえ病院から斎場や自宅への移動などの短距離であっても、死亡診断書を持っている人が同乗しなくてはなりません。

病院で亡くなった場合、医師から死亡診断書が発行されます。遺体の搬送と死亡届(火葬許可の申請)に必要な書類なので、必ず大切に保管しておきましょう。

不慣れなみなさんが普通の車でご遺体を搬送するのはさまざまなリスクがあります。次の章で詳しく見ていきましょう。

自分自身で遺体を搬送することのリスク

さて、遺体の搬送は自分たちで行ってはいけないのでしょうか?

さきほども述べましたが、死亡診断書を携行していれば、法律的には問題ありません。ただし、普段遺体の扱いに不慣れな家族が自分たちの手で搬送するのはそれなりのリスクがあります。

遺体の扱いの難しさ
ご遺体は想像以上に重く感じられるかもしれません。葬儀社のスタッフは普段からご遺体のお運びや処置に慣れていますが、みなさんが行うとなるとそう簡単にはいかないでしょう。また、葬儀社が保有する寝台車にはストレッチャーや担架などの専用設備があり、お運びしやすい準備が整っていますが、普通の車であればそうしたものに頼ることもできません。

体液流出の恐れや衛生管理
病院や施設ではエンゼルケアをしてくれますが、それでも体液の流出の危険性があります。葬儀社では専用の布団や納体シートなどの準備がありますが、一般家庭には、綿づめの道具や、手袋、シート、専用布団などありません。遺体の搬送の際は、ご遺体の保全だけでなく、感染予防など、自分たちの身体も守らなければならないのです。

車の中にどう乗せるか
葬儀社の車であればストレッチャーごと車に乗せます。ベルトで固定されているため、移動中も体が揺さぶられることは有りません。しかし、一般家庭の自家用車であれば、ミニバンなど後部が広ければいいのですが、乗用車にもたせかけるように座らせるのは至難の業でしょう。

以上のリスクを考えると、故人様のため、自分たちのためにも、経験豊富で手慣れた葬儀社に任せるのが賢明でしょう。

さて、次の章からは、実際に葬儀社にご遺体の搬送を依頼する際に、どのような流れで進んでいくのか、詳しく解説していきます。

搬送先と葬儀社は事前に決めておくのがよい

遺体の搬送先には、自宅と、専用の安置施設と、2つの選択肢があります。

病院で息を引き取ると速やかに遺体を運び出さなければならないため、「どこに運ぶか」「どの葬儀社に依頼するか」は事前に決めておきましょう。

いざ家族が息を引き取ると、精神的に、落ち着かなくなり、冷静な判断ができなくなることもあります。

事前に決めておくことが、あとから大きな安心感につながります。

 

自宅安置の流れ

もしも自宅への搬送が希望であれば、その旨を葬儀社に伝えましょう。葬儀社が病院に到着すると、すみやかに搬送しなければなりません。事前に自宅の中のどの部屋に安置するかを決めておき、すぐに故人様を寝かせられるようきれいにしておきます。

仏間だけではなく、お参りの人がいるのであれば玄関から仏間までの導線はきれいにしておかなければなりません。

ご遺体を布団の上に寝かせると、葬儀社がご遺体にドライアイスの手当をして、枕飾りを設置してくれます。

 

霊安室安置の流れ

昨今では住宅事情により自宅に遺体を搬送することが少なくなりました。また、家族葬を希望しているために近隣住民に知られたくないという人もいます。

最近では斎場や火葬場や葬儀社が霊安室を保有しています。何らかの理由で自宅安置ができない場合は葬儀社に相談しましょう。

ただし、霊安室は複数の家族が共有しています。他の家の故人様も安置されているため、一定のルールが設けられています。線香やローソクなどの火が使えない、面会時間に限りがあるなど、そうした条件は事前に確認しておきましょう。

また、安置した分費用もかかるので、長期間の安置には注意が必要です。

病院出入りの葬儀社には注意する

亡くなってすぐに業者が決められない場合には、病院で葬儀社を紹介してくれることもあります。

その際、もしも後で葬儀会社を選びたいという場合には、きちんと「搬送のみ」をお願いする旨を伝えましょう。

搬送を依頼したからといって、必ずしもその業者に葬儀全般を任せないといけない、という決まりはありません。

病院に出入りしている業者は、名目上は霊安室の管理のためにそこにいますが、実際は、どの葬儀社よりも早く遺族と接点を持てるというメリットがあります。

喪主が他の葬儀社に連絡を取る前に、あれやこれやの手を使って契約にまでこぎつけようとします。

葬儀社選びは、冷静に、慎重に行いましょう。

 

長距離の搬送

長距離を移動する場合にはやはり業者にお願いする方が無難でしょう。

距離や日数、その際に必要なドライアイスの量などに応じて料金が変わります。

高速道路やフェリーを使用する場合にはその分が実費でかかってきますが、特にフェリーなどに乗せる場合には棺に安置する必要があります。

移動の際に用意してもらった棺はそのまま葬儀まで使用できますので、そうしたことを見越して業者にお願いするのがよいでしょう。

 

自分自身で遺体を搬送することのリスク

さて、遺体の搬送は自分たちで行ってはいけないのでしょうか?

さきほども述べましたが、死亡診断書を携行していれば、法律的には問題ありません。

ただし、普段遺体の扱いに不慣れな家族が自分たちの手で搬送するのはそれなりのリスクがあります。

 

  • 遺体の扱いの難しさ

人間の遺体は、想像以上に重く感じられるかもしれません。葬儀社ではストレッチャーや担架などの専用器具を用いて遺体を搬送しますが、そうしたものに頼ることもできません。

 

  • 体液流出の恐れや衛生管理

病院や施設ではエンゼルケアをしてくれますが、それでも体液の流出の危険性があります。葬儀社では専用の布団や納体シートなどの準備がありますが、一般家庭には、綿づめの道具や、手袋、シート、専用布団などありません。故人様を大切に扱うだけでなく、自分たちの身体もまた自分たちで守らなければなりません。

 

  • 車の中にどう乗せるか

葬儀社の車であればストレッチャーごと車に乗せます。ベルトで固定されているため、移動中も体が揺さぶられることは有りません。

一般家庭の自家用車であれば、ミニバンなど、後部が広ければいいのですが、乗用車にもたせかけるように座らせるのは至難の業です。

 

以上のリスクを考えると、故人様のため、自分たちのためにも、経験豊富で手慣れた葬儀社に任せるのが賢明でしょう。

AZUMA葬祭は民間救急も手がける搬送に長けた葬儀社です。プロフェッショナルな社員が皆様のお悩みや疑問に対して、無料にて事前相談をお受けしています。
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