弔電をいただいた方へ、感謝のお礼状の書き方のコツ

 

葬儀が滞りなく済んだあとも、喪主や遺族がしなければならないことは、たくさんあります。

その中の一つは、弔電をいただいた方へのお礼状を送ることです。

お礼状の書き方や差し出し方にはいくつか決まりがありますので、紹介していきましょう。

1.本来なら会ってお礼すべきものであること

 

弔電のお礼でまず忘れてはならないのは、本来は会ってお礼をすべきものだと言うことです。

これは、お手紙で出す礼状は略儀であるということを意味します。

「本来であれば直接出向いでお礼申し上げるべきところですが、略儀ながらお手紙で済ます失礼をお詫びいたします」というひと言を入れるようにしましょう。

 

2.お礼状は手紙を郵送する

 

お礼状は郵送するのが一般的です。近頃ではメールなどで送信する場合もあるようですが、よほど親しい仲でない限りメールは避けるようにしましょう。

封書(封筒に納めた手紙)とハガキでは、どちらも失礼には当たりませんが、より丁寧なのは封書でしょう。

また、弔電のお礼は会葬御礼や香典返しとは別のものです。

お葬式に参列いただいた方に渡す会葬礼状や、香典返しに添える礼状とは別の文面を用意するようにします。

3.お礼と感謝の気持ちを伝える

 

内容としては弔電をお送りいただいたことへのお礼、あわせて、生前お世話になったことへの感謝を記すようにします(下記をご参照ください)。

【おたよりの一例】

 

 

4.故人の名前の書き方

故人の名前は「亡父 〇〇儀」または「故〇〇儀」の2種類があり、どちらを使ってもかまいません。肩書きが必要な場合には氏名の前に入れ「弊社社長 故〇〇儀」とします。

「儀」…「〇〇のこと」「〇〇に関すること」という意味があります。

「茲」…「ここ」と読む。あらたまった席や書面において使い、通常は使わない漢字です。

4.お礼状を出す時期

決まった時期はありませんが、なるべく葬儀後すぐに出すようにしましょう。

5.本文の書き方

時候の挨拶は必要ありませんが、「拝啓」「謹啓」などはあると丁寧な印象になります。

また、句読点はつけません。

句読点をつけない理由には諸説ありますが、受取り手に対しての敬意を表すためや、葬儀が滞りなく終了したことを報告する文書のため、文章を区切るものは必要ないとの考え方もあるようです。

ハガキと封書のどちらでも構わないとされていますが、より丁寧な方法を採るのであれば、封書で送ります。文面は縦書きの便箋に書きます。

6.差出人の名前

差出人の名前は文面の最後に書きます。住所を書き、その後に「喪主 ○○」と喪主を務めた人の名前、その隣に「親族一同」を付け足すのもよいですね。

お礼の気持ちをこめてなるべく早く送るようにしましょう。

 

7.品物を添える必要はない

 

弔電のお礼には、香典返しのように、品物を添えるまででもないと考えられています。

ただし、これさまざまなケースが考えられます。

葬儀に参列できないために弔電を贈る人もいれば、香典と弔電を贈る人もいるでしょう。

基本的な考えとしては、弔電だけの人にはお礼状のみ、弔電と別の何かを加えて贈られた人には、それ相応の品物とお礼状を送るようにしましょう。

 

8.弔電以外の弔意への御礼の方法

 

弔意の表し方は、なにも弔電だけではありません。弔問、香典、供花、供物、弔辞など、さまざまです。

それぞれに、どのようなお礼の方法があるかをまとめました。

 

  • 弔問

弔問とは、自宅や葬儀式場に実際に足を運んで故人を偲ぶことです。

通夜や葬儀に弔問に来られた人には「会葬御礼」の品を全員に配ります。

よく選ばれているのは、お茶やハンカチなどです。費用にして500円〜1000円前後のものが多いでしょう。

会葬御礼の品物にはお礼状と清め塩をつけます(浄土真宗などの宗派や、喪主の希望によってつけないこともあります)。

 

  • 香典

香典とは、故人や遺族に供える金品のことです。

香典のお礼、いわゆる「香典返し」は、四十九日法要にあわせて、挨拶状を添えてお礼の品を贈ります。

葬儀を終えて、誰がどれくらいの金額を包んでくれているかを確認し、その額にあわせて品物を選ぶため、香典返しの発送には時間を要します。

また、四十九日法要が無事に済み、忌が明けたことを報告する意味もあるため、通常は法要の翌日から10日前後に先方に届くように手配します。

最近は、葬儀当日に配る「即日返し」も多く選ばれています。

費用は、いただいた額の2分の1から3分の1の中から選ぶのが多いでしょう。

 

  • 供花・供物

供花や供物などをいただいた方へのお礼は状況によって異なりますが、基本的にはお礼の品物とお礼状を添えるのがよいでしょう。

お花やお供えは、香典に加えて贈るのが一般的です。

香典返しの品物に、供花や供物の金額分を上乗せした品物を選びましょう。

香典分、供花分、供物分と分けて用意する必要はないでしょう。

ただし、お礼状には供花や供物をいただいたことへのお礼もきちんと書きましょう。

 

  • 弔辞

弔辞をいたただいた方にも心を込めたお礼をしましょう。

弔辞者は、当然葬儀式場まで足を運んでいますし、香典も用意していることが多いでしょうから、香典返しに弔辞分も上乗せした品物を選び、香典返しとして贈ればよいでしょう。

ただし、お礼状の中には弔辞をいただいたことへのお礼もきちんと書きましょう。

 

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