宗教法人とはどんな法人なのか?

ニュースや新聞、インターネットなどよく「宗教法人」ということばを聞きますが、いったいどのような組織なのかご存じですか?
わたしたちの身の回りにあるお寺や神社もすべて法人ですし、さまざまな新興宗教の中でも法人格を取得しているところとそうでないところがあります。
宗教法人とは一体、どのような法人なのか、分かりやすく解説いたします。

法人とは

法人とは、さまざまな組織や団体に法律上の人格を認めるものを指します。経済活動を円滑にするために、人の集まりでできあがった団体そのものに人格を与えて、人間と同じように法律行為を行なえるようにしているのです。
ちなみに、法的に与えられた人格を「法人格」、法人格を与えられた集団を「法人」と呼びます。
法人には、株式会社、学校法人、医療法人、社会福祉法人、NPO法人などがあり、団体を組織する時にその目的に見合った法人格を選びます。
宗教団体も、このようなさまざまな法人のうちのひとつに含まれるのです。

宗教法人は、国や自治体が認める宗教団体

宗教法人とは、都道府県知事または文部科学大臣の認証を経て法人格を取得した宗教団体のことです。日本国内には約18万もの宗教法人が存在します。日本中でよく見る地域の神社や、お寺、教会、さらには「新興宗教」と呼ばれる団体も、宗教法人です。

宗教法人法は、次のように定義しています。

第一条(この法律の目的)
この法律は、宗教団体が、礼拝の施設その他の財産を所有し、これを維持運用し、その他その目的達成のための業務及び事業を運営することに資するため、宗教団体に法律上の能力を与えることを目的とする。

第二条(宗教団体の定義)
この法律において「宗教団体」とは、宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的とする左に掲げる団体をいう。
一 礼拝の施設を備える神社、寺院、教会、修道院その他これらに類する団体
二 前号に掲げる団体を包括する教派、宗派、教団、教会、修道会、司教区その他これらに類する団体

もちろん、法人格を取得していない宗教団体やサークルも存在しており、これらはあくまで宗教団体であるものの、宗教法人ではありません。

宗教法人の種類

わたしたちの身の回りにあるお寺や神社のほとんどが宗教法人です。
宗教法人は主に次の3つに分けられます。

  • 包括宗教法人
  • 非包括宗教法人
  • 単立宗教法人

お寺を例に分かりやすく説明すると、包括宗教法人は宗派の本山寺院、非包括宗教法人はその本山に属する末寺、単立宗教法人はどの宗派にも属さないお寺と理解しておけばよいでしょう。

宗教団体 4つの要件

信教の自由が保障されている日本では、宗教活動そのものは、誰もが行うことが可能です。
しかし、その活動団体を法人化しようとすると、すでに宗教団体が存在し、活動が行われていることが前提となります。

宗教団体の要件は、次の4つです。

●教義を広める
宗教としての行儀を持ち合わせ、それを人々に広める活動をしているかが求められます。

●儀式行事を行う
常日頃から儀式行事が行われていないといけません。

●信者の教化育成
信者への教化の実績、信者名簿などが必要です。

●礼拝の施設
宗教団体としての礼拝の施設が必要です。一般住宅などではなく、公開性を有しているかどうかが大切です。

宗教法人になることのメリット

宗教団体が法人格を取得することでさまざまなメリットがもたらされます。

●社会的な信用が増す
その団体の冠に「宗教法人」の冠が付くということは、国や自治体に認められたことを意味します。よって、社会的な信用度が増すことが期待されます。

●税制上のメリット
宗教法人になると、宗教活動に係る法人税などが非課税になります。主に次のものが挙げられます。

境内地及び境内建物の固定資産税
都市計画税
法人事業税
道府県民税、市町村民税

●不動産の名義
宗教法人となると、不動産の名義が法人になります。もしも代表者の肩書で不動産を取得していた場合、代表者が交代するたびに名義変更をしていかなければなりません。しかし宗教法人となることで、組織そのものが独立して権利や取引の主体となるため、そのつど名義変更をする必要がなくなります。法人としての活動がスムーズに移行でき、永続性が担保されます。

終わりに

宗教法人は、同じ宗教を信仰する信者、同じお寺を共有する檀家、同じ神社を支える地域の人たちによって成り立っています。お寺や神社は住職や宮司だけのものではなく、みんなのものであるということを法律が保証しているともいえる制度です。
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