入院中にいただいたお見舞いの品。通常であれば、快気祝いの品物をお贈りし、元気に退院できたことの報告を兼ねてお返しします。
しかし、闘病の甲斐なく亡くなってしまった場合はどうすればよいのでしょうか?詳しく解説いたします。
故人が生前に頂いたお見舞いにもお返しをする
まずはお返しをするべきか、しない方がいいのかと迷っている方へ。本人が帰らぬ人となった場合も、お見舞い品へのお返しは必要です。
たしかに、お見舞いのお返しは「おかげさまで元気になりました」という報告を兼ねるものなので、「亡くなってしまった場合はお見舞い返しは必要ない」という考え方もあります。
しかし現在では、お見舞いをして下さったこと、生前に故人がお世話になったことへの感謝の気持ちを込めてお返しするのが一般的です。
ただし快気祝いのような慶事包装ではなく、弔事包装で先方にお返しします。このあたりのマナーついて、詳しく解説いたします。
弔事包装で、表書きは「御見舞御礼」
本人が故人となったあとにお見舞いのお返しを贈る場合、品物には弔事用ののし紙(掛け紙)を付けます。黒白の水引(関西だと黄白のこともある)で結びきりにします。
表書きは「御見舞御礼」と書き、水引の下部に、苗字の名入れをします。
また、のし紙を付けた上から包装紙で包む「内のし」と呼ばれる体裁で贈るとよいでしょう。
金額は「半返し」から3分の1を目安に
お見舞品のお返しは、快気祝いや香典返しと同じように「半分~3分の1」の金額で選びます。
昔から「半返し」という言葉があるように、例えば1万円のお見舞いを頂いたら、お返しの品は3千円〜5千円ぐらいの予算で考えます。
お返しを贈るタイミング 四十九日後が多い
お見舞い返しは四十九日法要を終えた忌明けに贈ることが多いようです。
●死亡したことをすぐに伝える場合
もしも、死亡したことをすぐに伝えるのであれば、自然な流れとして、相手はそのまま葬儀への参列、あるいは香典などを用意することが予想されます。
一方で、遺族が慌ただしい思いをしていることは、相手もよく分かっていることなので、無理せず「急いでお返しをしなければ」と思う必要はありません。
ごく自然なのは、香典返しと併せて行うことです。香典返しは、葬儀や弔問などでいただいたお香典のお返しを、四十九日法要が無事済んだことの報告を兼ねて行います。
香典返しは、葬儀後約1カ月をかけて、だれに何を贈るのかを決めていきます。お見舞い返しも、このタイミングでするのがいいでしょう。
●死亡したことを葬儀のあとに伝える場合
最近は家族葬が多く、弔問を控えてもらうために、訃報をすぐには伝えずに、葬儀を終えた後に連絡する人が増えています。この場合は、故人が亡くなったこと、葬儀を無事に終えたことの報告と合わせて、お見舞い返しをしましょう。
ただし、相手は訃報を知ったことにより改めて香典などを贈ってくることが予想されます。その場合は改めて香典返しもしなければなりません。
お見舞い返しと香典返しは一緒? 別々?
香典返しとお見舞い返しは一緒にしてもいいのでしょうか?
それとも別々の品物を用意した方がいいのでしょうか?
これは、どちらがいい、どちらがダメというものではありません。どちらの方法でお返しをしても失礼には当たらないでしょう。
●別々の品物でお返しする場合
もしも別々の品でお返しをするのであれば、それぞれに適したのしを付けます。香典返しには「志」「満中陰志」など、お見舞いのお返しには「御見舞御礼」とします。また、品物に添えるお礼状にも、香典返しの意味合いのものと、お見舞い御礼の意味合いのものをそれぞれ同封します。
●ひとつの品物でお返しする場合
ひとつの品物でふたつのお返しを兼ねるのであれば、香典返しの表書きでもよいでしょう。「志」や「満中陰志」と書きましょう。
この時に気を付けなければならないのは、品物の金額です。お見舞いと香典の合計金額に対してお礼の品を選びましょう。
たとえば、5千円のお見舞いと1万円の香典をいただいた場合は、1万5千円に対して半分~3分の1の品物を選びます。
また、同封する挨拶状には、香典返しの文面に加えて、「生前にお見舞いをいただきありがとうございました」と、お見舞いに対してのお礼も一文添えておくとよいでしょう。
お返しの方法は、地域性もあるので、お住いの葬儀社やギフトショップに相談してみることをおすすめいたします。
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