成人の日は、新成人が無事に大人になったことを祝うための通過儀礼です。しかし同時に、お葬式も亡き人があちらの世界に旅立つための通過儀礼です。成人の日に葬儀の実施は可能なのでしょうか。また、成人の日と葬儀が重なった時にはどちらを優先すべきなのでしょうか。
成人式も葬儀も大事な通過儀礼
成人の日とは、国民の祝日のうちの一つで、1月の第2月曜日に実施されます。かつては1月15日に行われていました。国民の祝日に関する法律では、「おとなになったことを自覚し、みずから生き抜こうとする青年を祝いはげます」ことを趣旨としており、冠婚葬祭の「冠」に当たる大切な通過儀礼です。
松の内期間中であること。そして成人の日も大切な通過儀礼であること。こうしたことを踏まえた上で、葬儀をしてもいいのかどうかを考えていきましょう。
成人の日でも葬儀は実施されている
結論から言うと、成人の日でもお葬式は行われており、成人の日だからお葬式ができないという考え方は特にありません。葬儀はいつ発生するか分かりませんから、身内の不幸が成人の日に重なるということは充分に考えられることです。
なお、お葬式ができない日というのは、火葬場が休業になっている日です。また、友引は葬儀を避けるべきと考えられていますが、地域によっては友引も火葬場が稼働しており、葬儀を実施しているところもあります。
身内の不幸と成人の日が重なった場合
では、家族の中に新成人がいた場合、どのように考えればいいのでしょうか。
基本的には成人式への参加を控えるべきです。慶事と弔事が重なった場合は弔事を優先するのが一般的で、わが家の中に不幸が起きた場合は祝い事は控えるからです。
ただ、もちろんこれはケースバイケースです。ひと昔前に比べると、冠婚葬祭に対する考え方は柔軟になっていますし、家族間での話し合いが大事ではないでしょうか。
たとえば、おばあちゃんが亡くなったとします。おばあちゃんはきっと孫が成人となる瞬間、晴れの姿を喜んでくれているかもしれません。亡くなったおばあちゃんはきっと「せっかくの成人式だから、参加してきてもいいよ」と想ってくれているかもしれません。
ですから、家族の中で話し合い、みんなが納得するのであれば、成人式に参加してもよいでしょうし、振袖を着てもよいでしょう。
また、もっと具体的に考えるならば、成人式は日中で、通夜は夕刻に行われます。ですから、日中に成人式に参加して、その後喪服に着替えてお通夜に参列するということもできるわけです。
もしもどうしても、日中に行われる葬儀告別式と成人式が重なってしまった場合は、葬儀告別式への参列を優先させましょう。
親戚の葬儀と成人の日が重なった場合
もしもあなたの親戚、あるいは知り合いから訃報が届き、成人式と葬儀日程が重なったとします。この場合、あなたは喪に服すべき「遺族」ではないため、成人式への参加そのものは問題ありません。また、実際の参列も状況によって判断します。
成人式と通夜が重なった場合は、日中に成人式に参加し、夕刻にお通夜に参列します。
もしも成人式と葬儀・告別式が重なってしまった場合は、前日の通夜に参列をして、翌日は成人式に参加する、という方法も取れます。
どうしても両日とも参列できないのであれば、代理の人を立てる、あるいは後日改めて弔問に出向く、御香典やお供え物を贈るなどの方法もあります。
大切なのは故人さまへの想い、家族間の納得
最後にもう一度整理します。
古くからの冠婚葬祭に対する考え方は、ある程度柔軟になっているので、成人式と葬儀が重なった時の対応方法は、故人さまへの想い、そして家族間での話し合いで決めたらいいでしょう。
ただ、基本的には葬儀はどんなことよりも優先すべきことと考えられています。なぜなら、その方とお会いできる最後の機会だからです。
とはいえ、故人さまがもしもあなたの晴れの姿を喜んでくれているのなら、その姿を見せてあげるのもまた供養です。
お葬式には、お通夜と葬儀と、2回参列の機会がありますし、家族葬であれば成人式を外して葬儀日程を組むこともできます。
故人さまへの想い、家族の納得をベースに考えて決めていくのが良いでしょう。
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