親族が亡くなる前に確認しておきたい遺産相続の仕組み

相続手続きはとても複雑で、手続きのためには数多くの書類を用意しなければなりません。また、相続がこじれて「争続」になってしまうこともしばしばです。遺産相続が原因で、家族や親族間の関係が破綻してしまうとはよく耳にしますよね。この記事では、煩雑な相続手続きについて、まずはその仕組みを、3つのポイントを中心にご紹介します。
すこしでもあなたが遺産相続について理解してくださり、相続手続きの負担が軽減できれば幸いです。

遺産相続とは

預貯金や不動産などの私有財産は、所有者が亡くなることで遺産となります。そして遺産は、決められた人たちに決められた割合で受け継がれていくものとして法律で定められています。遺産相続とは、亡くなった方の遺産を次の世代に受け継ぐことを指すのです。

相続 4つの基礎知識

この記事では、相続について、もっとも基本的なことを4つほど確認します。

■相続財産はなに?
財産には、相続財産と祭祀財産があります。相続財産はお金に換えられるものが対象になり、所有者が亡くなったあとは相続されます。現金、預貯金、不動産などがこれにあたります。また、借金などの負債や権利義務(家賃の支払い義務など)も相続の対象です。一方、仏壇やお墓などの先祖を祀るための資産は「祭祀財産」と呼ばれ、慣例にならって祭祀承継者を1人立てるのが一般的です。

相続財産と聞くと、プラスの財産を思い浮かべる人が多いのですが、実は借金や税金などのマイナスの財産も、相続人に承継されます。相続財産には、次のようなものが挙げられます。

【プラスの相続財産】
●現金や有価証券(現金、預貯金、株券、小切手、貸付金など)
●不動産(土地、宅地、建物、店舗、借地権、借家権など)
●動産(自動車、船舶、家財、貴金属、宝石、美術品、骨董品など)

【マイナスの相続財産】
●負債(借金、ローンなど)
●税金(未払い分の住民税や所得税など)
●その他の支払い(未払い分の家賃や治療費など)


■誰が相続する?
故人の遺産をだれが相続するのか。これには2種類あります。法律が定める「法定相続」と、遺言書がある場合の「指定相続」です。

遺言書がない場合は法定相続人たちで遺産分割します。法定相続人には順序がありますが、亡くなった人に配偶者がいれば必ず法定相続人になります。以下、次の順序で定められています。


第1順位 子供
子供には、養子縁組の養子、別れた妻や夫との間の子も含まれます。
第2順位 親
両親とも健在であればふたりが、片方が亡くなっていれば片親が、ふたりとも亡くなっていて祖父母が健在であれば祖父母が相続人となります。
第3順位 兄弟姉妹
子供や親がいない場合は兄弟姉妹が相続人になります。兄弟姉妹が亡くなっていて子供がいる場合は甥や姪が相続します。こうした法定相続人以外にも財産を渡したいと思う場合は、遺言書を作成しておきます。ただし、法いて相続人には「遺留分」の権利があり、最低限の遺産の取り分が認められています。


どういう割合で分割する?
遺産分割の割合のことを「法定相続分」と言いますが、法定相続分は次のように定められています。

相続順位
第1順位 子供
子供がいる場合
配偶者 2分の1 子供 2分の1を
人数で分割します
第2順位 親
子供がおらず親がいる場合
配偶者 3分の2 父母など 3分の1を
人数で分割します
第3順位 兄弟姉妹
子や親がおらず兄弟姉妹がいる場合
配偶者 4分の3 兄弟姉妹 4分の1を
人数で分割します

遺産分割の際は遺産分割協議書を作成し、相続人全員が参加します。なにかとトラブルになりがちな遺産分割。遺産分割調停には、弁護士に相談することをおすすめします。

■遺言書がある指定相続

被相続人(故人)が遺言書を遺していた場合、遺言内容によってだれが遺産を相続するかが決まります。ただし、法定相続人にひとつも遺産が入らないかというとそうではなく、「遺留分」と呼ばれる最低限の取り分が留保されます。遺留分は、故人の配偶者、子、直系尊属に認められており、故人の兄弟姉妹には遺留分権は認められていません。

相続を「争続」にしないために

遺産相続には争いごとがつきものです。お金をめぐって残された家族の関係が悪化するとは本当に悲しい話で故人も喜びません。相続を「争続」しないためには、故人の意思を明確に示しておくことが大切です。そうした意味では遺言書を作成しておく、あるいはそこまでしなくてもエンディングノートに自分の思いを書いておくのでも良いでしょう。普段の会話の中で家族に考えを話しておくのでも構いません。あなたの思いを大切な家族に伝えておくことが、なによりも大切なことなのです。

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