お通夜のあとに振る舞われる食事のもてなしのことを「通夜振る舞い」と呼びます。喪主は参列者に対して感謝の気持ちを込めて食事を用意します。
最近では家族葬が多くなったこと、コロナ禍の影響もあり、通夜振る舞いを省略するケースも少なくありませんが、それでも多くの方が通夜後に食事の席を囲んで、故人さまを偲びます。
この記事では、通夜振る舞いについて詳しく解説します。葬儀後に振る舞われる精進落としとの違いにも触れますので、どうぞ最後まで読み進めてみて下さい。
通夜振る舞いとは
通夜振る舞いとはお通夜のあとに振る舞われる飲食のことです。
昔から仏事や神事のあとは、参加者全員が同じものを飲食するしきたりがあります。これには、同じ行事に参加した者同士が、そのつながりを確認しあい、絆を強める効果があると言われています。
通夜や葬儀後の飲食の場合、ともに故人を偲び、ともに悲しみ、ともに思い出話をすることで、故人さまとのつながり、そしてそこにいる者同士のつながりを再確認し、強固にします。
通夜振る舞いに参加する人
東京をはじめとする関東地方では、通常、遺族や親族だけでなく、一般会葬者も通夜振る舞いに招かれます。焼香を終えた会葬者はその後、飲食会場へと進みます。テーブルに並ぶ料理を食べることが、故人さまの供養につながると考えられています。
ただし、近年は家族葬の増加やコロナ禍の影響で、通夜振る舞いを行う機会が減少していますが、会葬者をお招きする一般葬では、いまでも通夜振る舞いが出されます。
通夜振る舞いの料理
通夜振る舞いは、大皿料理を並べるのが慣例です。これは、会葬者の人数が不確定であるため、ひとりに一膳の料理を用意することが物理的に難しいからです。
大皿料理には、お寿司、煮物、オードブルなどが挙げられます。これらを小皿に取り分けて食べあいます。
精進落としとの違い
精進落としとは、通夜の翌日に執り行われる葬儀・告別式の日に振る舞われる飲食のことです。
火葬を終えて、葬儀式場に戻ったあとに振る舞われるので、原則として火葬場に同行した親族だけが参加します。
精進落としは、参加者の人数が明確なため、ひとりに一膳の会席料理を振る舞うのが慣例です。
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