友引の日には葬儀をすべきでないとされていますが、一方でそれは迷信だという人もいます。
火葬場も休業のところもあれば友引でも営業しているところもあります。
さらに、葬儀はダメだけど通夜は大丈夫とも言われており、何が何だか分からないという人も少なくないのではないでしょうか。
この記事では、お葬式と友引について解説します。
友引とは
友引は六曜のうちの一つです。暦やカレンダーに「友引」「先勝」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」と書かれているのをみなさんも見たことがあると思います。
これらは中国を起源として、その日の吉凶を表したものです。
●先勝(せんしょう・さきがち)
午前中が吉の日。それが転じて何事においても先手を打つことがよい日とも考えられます。
●友引(ともびき)
勝負事において「共に引き分ける」という意味で、本来は良くも悪くもない日。これがいまでは「友を引っ張る」という意味に変わり、葬儀を避ける日となりました(後述)。
●先負(せんぶ・さきまけ)
午前中が凶、午後を吉の日。それが転じて、急用を避けて、何事も慎重に行うべき日と考えられています。
●仏滅(ぶつめつ)
何事もよくない日とされる大凶日。特に祝い事を避けるべき日とされています。
●大安(たいあん・だいあん)
何事においても良い日とされる大吉日。結婚式、住宅の建前、開店、開業など、大切な行事を大安にする人は多くいます。葬儀や法事も問題ありません。
さて、友引ですが、「友を引く」ということばから、死者がまわりの誰かを道連れにするのではないかという俗信が広まり、いまでは友引には葬儀をしないのが一般的です。
しかし実際には友引をはじめとする六曜は、中国の伝統的な暦注や陰陽道など、どこにも正当な根拠も見いだせないと言われていますし、そもそも仏教では日々の運勢や吉凶よりも自分自身の苦しみと向き合うことを大切にする教えを説いています。
気になるなら避けるべき
もしもあなたが「気になる」のであれば、友引の葬儀は避けておくのが賢明です。友引のことが気になって故人に心がまっすぐ向かないからです。
また、仮に葬儀のあとに何かが起きた場合、「友引に葬儀をしたからだ」と自分自身を責めたりしないでしょうか。
そのようなお葬式は、あなた自身も故人も望んでいないはずです。後悔の恐れがあるくらいなら、はじめからすべきではないでしょう。
友引人形を用いる地域も
友引でも当たり前のように葬儀をする地域では、棺の中に友引人形を入れたりもします。
「人形が故人のすぐそばに寄り添ってくれるから、淋しい想いをせず、友を引っ張ることもない」という考えからきているようです。
友引は、火葬場が休みのところも
友引に葬儀をするべきか控えるべきかと悩む方もいるでしょうが、火葬場によっては友引を休業日としているところも少なくありません。
わたしたちAZUMA葬祭が最も多く利用している多磨葬祭場(府中市)は、友引の日を火葬場の休業日としています。葬儀告別式、ならびに火葬が物理的にできません。
東京都23区内に6つの火葬場を持つ東京博善グループも、基本的に友引は休みです(一部友引営業日があります)。その他、戸田葬祭場(板橋区)や、都立瑞江葬儀所(江戸川区)、立川聖苑(立川市)なども、友引の日の火葬炉の稼働を止めています。
中には、友引の日でも火葬が影響しているところもあります。港区、品川区、目黒区、大田区、世田谷区の共同事業である臨海斎場(東京都大田区)なんかはまさにそうです。また、八王子市斎場は、葬儀式場は休業しているものの、火葬炉は友引の日でも火葬を実施しています。
このように、火葬場や自治体によって対応が異なるので、まずは自分たちが利用することとなる火葬場の休業日について確認しておきましょう。
友引の通夜は問題ない
友引を避けるべきとされているのはあくまでも葬儀や火葬のことです。その前日に行われる通夜が友引であっても、なんら問題はありません。
本来、「葬儀」とは、葬儀式という式典と、墓所までの葬列、そしてお墓への埋葬がすべてワンセットで行われていました。これらすべての行程を一日かけておこなったのです。
そして通夜とは、「通夜式」という式典があるわけではなく、夜通し故人様に寄り添うことを意味していました。
ですから、友引が避けるべきは、あくまでお葬式の本番である「葬儀・葬列・埋葬」のことであり、通夜はその対象から外れていたのです。
現代は、葬列や埋葬(土葬)をすることはほとんどなく、その代わりに告別式の直後に火葬をすることが一般的です。だからこそ古くからの慣習の名残として、友引の日には葬儀告別式や火葬などの実施を避けるべきと考えられているのです。
葬儀の慣習やしきたりについてどこに聞いたらいいか分からないとお悩みの方は、どうぞ私たちにご相談ください。
私たちAZUMA葬祭は、葬儀や仏事のプロフェッショナルとして、お客様の想いに寄り添ってご相談にお答えします。
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葬儀に関するよくある質問FAQ
友引とは何ですか?
友引は六曜のうちの一つです。暦やカレンダーに「友引」「先勝」「先負」「仏滅」「大安」「赤口」と書かれているのをみなさんも見たことがあると思います。 中国を起源として、その日の吉凶を表したものです。 「友を引く」ということばから、死者がまわりの誰かを道連れにするのではないかという俗信が広まり、いまでは友引には葬儀をしないのが一般的です。
友引の通夜は問題ない?
友引を避けるべきとされているのはあくまでも葬儀や火葬のことです。その前日に行われる通夜が友引であっても、なんら問題はありません。
この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。