お正月にはおせちを食べますが、おせちにはたくさんのお祝いのための料理が詰められています。喪中の家では、1年間はお祝いごとを控えるべきとされており、こうした方々のためにお祝いの食材を抜いたふせち料理が広まりつつあります。この記事では、そんなふせち料理について解説いたします。
おせちとふせち
お正月に食べるものといえばおせち料理。おせち料理はもともとは歳神様へのお供え物と始まり、現代では縁起のいいものを重箱に納め、新年を祝い、幸せな年となることを願って食べるものです。おせち料理の代表的なものに、次のようなものがあります。
- 黒豆(まめに働けるように)
- 数の子(子だくさん、子孫繁栄)
- ぶり(羽振りがよい)
- 鯛(めでたい)
- 蓮の酢の物(先を見通す)
- 昆布巻き(喜ぶ)
- 田作り(田んぼが豊作になる)
- たたきごぼう(商売が根付いて(=ごぼうの性質に見立てる)安定する)
- 紅白かまぼこ(おめでたい色)
- 伊達巻(巻物=長く続く、学業成就のための巻物)
- 栗きんとん(金運上昇)
- 錦玉子(おめでたい色、金運上昇)
- 海老(長寿の象徴。腰が曲がるほど長生きする)
- 蛤(良縁。貝同士がぴったりとひっつくものはこの世に一つしかない)
しかし、喪中の家では、お正月の祝い事を控えます。そのため年賀状や初詣などに加えて、お祝いの食材が並ぶおせち料理も避けたほうがよいとされています。
そこで考案されたのがふせち料理です。ふせち料理にはお祝いの食材が使われていないため、お正月の雰囲気を残しつつ、お祝いを意味する料理を食べずに済みます。喪中にお正月を迎える家にとって、ふせち料理は最適な料理といえるでしょう。
「お祝いをするわけではないけれど、きちんとした食事で来客をもてなしたい」
「お正月に帰省した家族たちと一緒に食事を囲んでみんなで故人様を偲びたい」
このようにお考えの方は、ぜひともふせち料理を検討してみましょう。また、地域によってはお盆の帰省時に、初盆に集まった家族や親族にふるまうためにふせち料理を用意する地域もあるようです。
ふせち料理 その中身は?
ふせち料理の中身は料理店によってさまざまですが、とある料理店を参考にその一例を挙げてみます。
・はもの湯引き
・枝豆豆腐
・稚鮎の南蛮漬け
・鮑の酒蒸し
・季節野菜の冷やし鉢
・かぼちゃの煮付
・茄子田楽
・鰻の白焼き
・辛子蓮根
・鴨胸肉の味噌焼き
・魚の照り焼き
・エビチリソース
・海月の酢の物
・豚の角煮
こうしてみると、黒豆、数の子、ぶり、鯛などの、お祝いを意味するおせちの食材を使わない懐石料理であることが分かります。
ふせち料理 費用相場は
ふせち料理の費用相場は1万円から2万円です。費用相場そのものはおせち料理とそう変わりはありません。料理の内容と量(重箱の段数)によって費用が異なるようです。
ふせち料理 どこで手配する
ふせち料理は仕出し店や料理店で注文できます。「ふせち料理」として売り出しているところもありますが、そうでないところでも「おせちの食材を使わない懐石料理を重箱に詰めてほしい」と伝えると、オーダーに応えてくれるでしょう。
葬儀から1年間は祝いごとを避ける理由
どうして葬儀から1年間は祝いごとを避けるべきとされているのでしょうか。
かつての慣習では、身内を亡くした際の喪に服す期間が明確に定められていました(服忌令)。その名残はいまの世の中でも根強く残っているのです。
実際には時代の流れとともに消えていったしきたり、根強く残るしきたりがそれぞれあります。
たとえば、四十九日間は生臭物(肉や魚)を避ける精進料理のみを食べて、身を清めて供養していました。しかしいまでは通夜や葬儀当日にふるまわれる食事に、肉や魚は当たり前のように出ます。
一方でお正月の祝賀行事、初詣や年賀状などは、いまでも避けるべきと考えられています。ふせち料理もそのうちの一つなのかもしれません。
通常わたしたちはお正月をお祝いの季節として過ごしますが、この一年ばかりは、静かなお正月を、故人様と共に過ごしてみるのもよいかもしれませんね。家族でふせち料理を囲んで、故人様との思い出を偲んでみてはいかがでしょうか。
いかがでしたでしょうか。喪中は身を慎む期間とされていますが、食事を囲んで故人様を偲ぶ時間にはとても意義深いものがあります。あなたも、ふせち料理を囲んで、故人様との思い出話をしてみませんか?
私たちはAZUMA葬祭は、葬儀のプロフェッショナルです。ふせち料理をはじめとする仕出し料理も承っております。分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。
お申し込みフォームはこちら
お電話:0120-66-5940(24時間・365日)
葬儀に関するよくある質問FAQ
ふせち料理とはなんですか?
喪中にあたる家では、お正月の祝い事を控えます。年賀状や初詣などに加えて、お祝いの食材が並ぶおせち料理も避けたほうがよいとされています。 そこで考案されたのがふせち料理です。ふせち料理にはお祝いの食材が使われていないため、喪中にお正月を迎える家にとっては最適な料理といえるでしょう。
ふせち料理はどこで手配するのですか?
ふせち料理は仕出し店や料理店で注文できます。「ふせち料理」として売り出しているところもありますが、そうでないところでも「おせちの食材を使わない懐石料理を重箱に詰めてほしい」と伝えると、オーダーに応えてくれます。
この記事を書いた人
株式会社AZUMA代表取締役
ご葬儀は、故人から遺された方たちへの最後のあいさつの場であり、そして贈り物です。そこに集う人々がこころゆくまでお別れができる葬儀を常に探究。コラムやYouTubeなどでも葬儀に関する解説などを積極的に配信しています。