2017年に日本消費者協会が発表した葬儀にかかる費用のアンケート調査では、全国平均が196万円だと言われています。
そこまでの費用をかけないにしても、家族葬を執り行うだけで100万円近くの費用がかかってしまうのが現実です。
葬儀費用を少しでも抑えるにはどのようにすればいいのでしょうか。
まずは葬儀費用の内訳を理解する
ひとことに「葬儀費用」と言っても、その内訳は実に多岐に渡ります。まずは、葬儀費用の内訳がどのようになっているのか、その特徴も合わせて理解しましょう。
(1)【葬儀基本料金】
葬儀を執り行う上での基本費用です。多くの葬儀社はこの【葬儀基本料金】の部分をセットプランとしてパッケージしています。直葬、一日葬、家族葬、一般葬など、選ぶお葬式のスタイルによってプランが構成されます。祭壇や棺や搬送車、ドライアイス、火葬料金などが含まれます。葬儀基本料金に含まれる主な品目は次の通りです。
- 葬儀式場で必要な備品(祭壇、棺、会館使用料、遺影写真、看板、受付備品、スタッフ人件費など)
- 搬送車両(寝台車、霊柩車、マイクロバスなど)
- ご遺体のお手当品(ドライアイス、ご遺体安置料、仏衣、納棺用品など)
- 自宅で必要な備品(枕飾り、後飾りなど)
- 火葬費用(火葬料、収骨容器など)
(2)【飲食接待費】
葬儀に来ていただいた人へのおもてなし費用です。主に料理や返礼品がここに該当します。参列者の人数によって金額が変動するという特徴があります。
(3)寺院への費用
読経してもらう寺院への謝礼です。お布施、お車代、お膳料などがここに含まれます。
最も安く葬儀をしたいのなら直葬
最も安く葬儀をしたいのであれば、迷わず直葬にしましょう。
通夜や葬儀といったセレモニーを執り行わずに、火葬だけをする葬儀スタイルです。亡くなった方のご遺体を火葬場や葬儀社などの安置室に預け、火葬当日に遺族が立ち会います。
通常、家族葬であっても、100万円近くの費用はかかります。通夜葬儀と2日分の式場を借りて、祭壇を飾りつけたりするとどうしてもこれくらいの費用はかかってしまいます(もちろん、相場よりも安い家族葬もご提案可能です。お困りの方は東葬祭にご相談ください)。
それに比べると直葬は安価です。式場を借りる必要もありませんし、祭壇を飾る必要もないからです。
東京23区内と一部の地域は火葬場が民間経営のため、火葬料が6万円前後かかり、直葬トータルで20万円から30万円近くで済むでしょう。
その他、東京でも郊外や、関東一円の公営の火葬場の場合、火葬料は無料〜1万円程度とさらに安く抑えられ、トータルで15万円前後で直葬が可能でしょう。
家族葬 参列者を抑える小規模葬
どんなに費用を抑えたいとはいえ、なんらかのセレモニーを行いたいのであれば、家族葬にしましょう。
参列者がいないため、おもてなし費用が不要ですし、他の人の目がないので、祭壇も簡素なもので構いません。
ひとことに家族葬とは言っても、喪主や家族の希望で豪華にも質素にもできます。
自分たちの希望を葬儀社に伝えて、予算内での葬儀をデザインしてもらいましょう。
また、家族葬の参列の範囲は、喪主によって決められます。何らかの事情でとにかく安く葬儀をしたいのであれば、極力参列を辞退するという方法もあります。
一日葬 通夜を行わない葬儀スタイル
家族葬が普及すると、通夜の必要性の是非が問われるようになってきました。
なぜなら、現代における通夜は親族以外の人たちの弔問の場として捉えられてきたからです。
「そもそも家族だけでするのなら、通夜もいらないではないか」という考えから始まったのが一日葬です。
葬儀日程を1日でまとめることで、家族葬に加えて、さらに通夜で必要な経費を節約できます。
無宗教葬 お寺を呼ばないお葬式
無宗教葬とは、僧侶や神主といった宗教者を呼ばない葬儀スタイルです。
これによって、数十万円という寺院への謝礼(お布施)などが節約できます。
しかし、葬儀はあくまでも亡き人をあちらの世界に送り出すための儀礼ですから、宗教者のいない葬儀に満足感を感じるかどうかは、人によっては大いに疑問となるところでしょう。
また、仏式や神式など、特定に則った儀礼が行われますが、無宗教葬では一連の形式がありません。それぞれがどのようにセレモニーを進めるかは葬儀社の腕にかかってしますし、遺族の満足度がどれくらい満たされるかはふたを開けてみないと分かりません。
また、もしも菩提寺がある場合、法事や納骨といったのちのちの仏事でトラブルになるかもしれないので充分に気をつけましょう。
このように、さまざまな葬儀スタイルを変えるだけで葬儀費用は大きく節約できます。
しかし葬儀はその人にとっては最初で最後のとても大切な儀式です。一度行ってしまうとやり直しができません。
充分に家族と話し合って、費用の節約に努め、後悔のない葬儀にしましょう。