孤独死・孤立死で困らないための準備とは? 障がいを抱えた子ども(障がい者)を残して先立てない!

社会福祉政策の中で、高齢者福祉や地域福祉よりもその対応が遅れていると言われているのが障がい者福祉です。障がい者本人や、同居している家族の社会の社会的孤立は、そこまで認知されていないものの深刻な問題です。

病気やけがで、いつ障がい者になるか分からないことを考えると、誰にとっても他人事ではない問題です。万が一にも孤独死・孤立死に陥らないために、障がいのある子を持つ親はどのような手段を講じるべきでしょうか。この記事では、障がい者福祉のさまざまなサポート制度や、その現状について取り上げます。

1.孤立しないために、普段から社会とつながりを持つこと

ひとくちに「障がい」といっても、その状況は知的、身体的、精神的とさまざまです。

日常生活において何らかの不便が伴い、だれかの援助を必要とする場合が多いことでしょう。

たとえばその障がいが、本人の就業や結婚といった人生の糧や支えとなるものを得られないほどのものだとしたら、親としては自分亡きあとその子の将来について悩むものです。

親としてどんな準備をしてあげられるのでしょうか。

健常者であろうと障がい者であろうと「孤独死」「孤立死」を防ぐ一番の方法は、「普段から社会とつながりを持つこと」です。

健常者であっても高齢や急病などで孤立死が増えているのは、社会とのつながりが希薄になっていることも原因の一つと考えられています。

外で働くことができる方の場合にはそこでの人間関係があり、その分だけ見守る人が増えることになります。

2.社会とつながるための「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」

自らの力で外とのつながりを持てない障がいがある場合にはどうすればよいのでしょう。

社会と障がい者をつなぐものの一つに「障害者手帳」があります。障害者手帳には「身体障害者手帳」「療育手帳」「精神障害者保健福祉手帳」の3種類があります。

 

・「身体障害者手帳」は肢体不自由や視覚・聴覚障害など身体障害のある人に交付されるものです。指定の医師に診断してもらい、診断書を発行してもらいます。各都道府県に申請し、受理されれば手帳を持つことができます。身体障害者手帳を保持しておくことで、保育・教育・雇用面での援助が受けられます。

 

・「療育手帳」は知的障がいのある人に交付されます。知的障がいの判定は、児童相談所や知的障害者更生相談所で行われます。療育手帳の場合でも、手帳を保持しておくことで保育・教育・雇用面での援助が受けられます。

・「精神障害者保健福祉手帳」は精神障害のある人に交付されます。都道府県知事又は指定都市市長に申請します。精神障害者保健福祉手帳を保持しておくことで保育・教育・雇用面での援助が受けられます。また、ホームヘルプなどの生活面でのサポートも受けやすくなります。

それぞれ細かい違いはありますが、障がいの程度によって区分があり、それに基づいたサービスが受けられるようになっています。

またこれらの手帳の重要性は、この手帳を交付されることで社会的に「障がい者」と認められることにあります。

つまり公的に「障がい者」と認められることで、さまざまなサービスを受けられると同時に、行政の見守りの対象となるのです。

それらのサービスを介して他とのつながりを持ち、孤立を防ぐことになります。

3.障がい者福祉サービスを受けようとしない本人や家族の心理

 

しかし、実際の障がい者福祉の現場の事情はそう単純ではないと言われています。相談支援相談員などを通じて行政が支援に介入しようとしても、障がい者単身者よりも、家族がいる方が介入が難しいという事例が指摘されています。

2012年に札幌市で起きた姉妹孤立死事件。これを受けて市は福祉サービスを受けていない在宅の知的障がい者に調査を行いましたが、68%が民生委員のへの情報提供について「知ってほしくない」、81%が民生委員の訪問について「来てほしくない」と回答したという結果が出ています。行政側がサポート体制を強化しても、障がい者本人やその家族たちからすると、そうしたサポートや福祉サービスを必ずしも希望しているわけではないという面も見逃せません。全国の障がい者数は787.9万人と言われていますが(「障害者白書」平成27年度版)、その内で障がい者福祉サービスの実利用者は69.6万人で、わずか8.8%です。

 

4.民生委員でもボランティアでも まずは外の人とのつながりを

 

障がい者の人をサポートしようとする取り組みはさまざまな面で見られます。都道府県や市町村などが行なう自立支援給付や地域生活支援事業、地域包括支援センター、民生委員やボランティア、さらには福祉事業を手掛ける一般企業など、まだまだ社会には認知されてはいないものの、障がい者サポートの実施者はたくさんあります。まずは一人で悩む、そして考えることなく、外部の専門家に相談することが一番でしょう。

 

参考文献

大村美保(筑波大学)『障害者の社会的孤立とその対応に関する文献検討』

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