「年忌法要」でお坊さんにいくら包めばいいの? お布施の金額相場について

お葬式や法事法要の際、お坊さんに渡す謝礼を「お布施」といいます。

命日から1年目(一周忌)、2年目(三回忌)、6年目(七回忌)といった節目に「年忌法要」を行いますが、お布施には決まった金額があるわけではありません。

年忌法要を行う際に、お坊さんにお渡しする「お布施」で悩む人も多いはずです。

いったい、いくらお包みすればよいのでしょうか?

 

お布施は気持ち 本来金額に決まりはない

 

お布施というのは気持ちです。

ですから、本来は金額に決まりなんてないのです。

金額は施主であるみなさんが決められたらいいことです。

実際に、お寺さんに相談してみても「お気持ちで」と言われることはしばしばです。

しかし、こう言われてしまったらこちら側としては何を基準に考えたらいいか分からなくなります。

この記事ではお布施の相場について綴りますが、まずはお布施というものが本質的にどういうものなのかを考えていきましょう。

 

お布施の本来の意味

 

  • そもそも修行の一環

 

布施とは、そもそもは修行の一環だったのです。

「六波羅蜜」と呼ばれる悟りの境地にたどりつくための6つの修行法があり、その内のひとつが布施です。

布施とは、自分以外の人に、金品を施し(財施)、真理を伝え(法施)、安心を与える(無畏施)ことです。

ですから、利己主義(自分の利益ばかり考える)ではなく利他主義(他人の利益を考える)であることを勧めているのです。

たとえばお金を軸に考えてみますが、自分のお金を他人のために差し出すのは、これなかなかできないことですよね。

仏教では、このお金に対しての執着を手放すことを勧めていますし、その上で、手放されたお金は誰かのもとにまわることで、その人のために使われます。

こうして、自分自身は執着心から解放されますし、世の中は上手く回っていく。

これがお布施の最も大事なところです。

 

  • お寺はみんなのもの

 

お寺は住職のものだと思われている人が多いと思うのですが、実はお寺は檀家全員のものなのです。

昔は、ひとつの村の中にひとつのお寺があったものです。

家それぞれには亡くなった先祖の霊がありますが、各戸の先祖供養を一手に担っていたのが菩提寺です。

だからこそ、お寺は地域共同体の中心でしたし、みんなでお金を出し合って、お寺を直し、建物を整え、本山から住職を迎え入れたのです(お寺が世襲化したのは明治に入ってからです)。

いまでも、お寺によっては、檀家と住職が話し合って、葬儀のお布施、法要のお布施の金額を決めているところがあるようです。

みんなで出し合ったお金で、みんなのお寺が維持されているからです。

 

  • お布施は感謝の気持ち

 

お布施は感謝の気持ちの表れです。

でも、「感謝」って目に見えません。

一方、お坊さんは亡くなった人の供養をしてくれるのですが、「供養」も目に見えません。

つまり、目に見えないものに対して目に見えないものでお返しする。

この目に見えないもののやりとりこそが葬儀であり、供養であり、宗教なのだと思います。

だからこそ、お布施の金額を定額にはできないのです。

目に見えないということは、受け取り方はその人たち次第だからです。

お金持ちの人の10万円と、お金のない人の10万円では、重みが違いますよね。

施主が、故人の供養のために、あるいはお坊さんの読経に対して、どれだけの気持ちを込めてお金を用意できるか。

これがお布施の本質です。

ですから、経済的に苦しい人は無理をしなくてもいいのです。

自分たちの中での精一杯の金額を用意すればいいのではないでしょうか。

 

お布施の金額は、お坊さんに相談する

 

お布施をいくら包むべきか困ったら、まずはお寺に相談しましょう。

お寺の方針として金額を決めているところもあれば、「お気持ちで」と答えるところもあるでしょう。

「お気持ちで」と答えられて困ってしまった場合、親戚や知り合いにそのお寺の檀家がいれば相談してみましょう。

もしかしたら、すでに葬儀や法事をしたことがあって、その時のどの程度の金額を包んだかを教えてもらえるかもしれません。

 

お布施の相場

 

さて、ここまで綴った上で、それでもお布施の金額が決められないという方は、これから挙げる相場を参考にしたらいいかと思います。

これはあくまで相場です。

お布施は、施主の想い、お寺と家の関係性、お寺の考え方、地域性などによってさまざまなので、あくまでも参考程度にしていただければ幸いです。

 

  • 一周忌・三回忌 3万円~5万円
  • 七回忌以降 1万円~5万円
  • 納骨法要 1万円~5万円
  • 新盆法要 3万円~5万円(2年目以降は5千円~2万円)

4や9の数字がつく金額は避けるようにしましょう。
このほかに、お車代とお膳料を用意すれば、より丁寧な対応ができます。

 

お車代とお膳料の考え方

 

お車代とは交通費です。

市内のお寺様が来ていただくのであれば、5000円~10000円でよいと思われます。

もしも県外や遠方から来られるのであれば、ガソリン代や高速道路代などの実費を考えて包みましょう。

家族が送迎する場合、あるいはお寺で法要を行う場合は不要です。

 

お膳料とは、食事の代わりに用意するものです。

法事のあとは、参列者が集まって食事をするのが慣例で、そこにお坊さんも同席してもらいます。

最近では、お坊さんが同席しないことが多いため、お膳料に代えてお渡しします。

相場は5000円~10000円でしょう。

もしもお坊さんの食事も用意するのであれば不要です。

お布施袋の書き方

お布施袋は、市販のものを用います。白黒、黄白、白無地など、地域の慣習に従いましょう。

表書きには中央上部に「御布施」、その下に施主の名前もしくは「〇〇家」と記入します。

裏書きでは、封筒の左下に住所と金額を書きます。「金壱万円也」という具合に、旧字体の漢数字で書くのが基本です。

参列者が包むお香典の相場

一方、法事に参列する側はお香典を携えます。費用相場は1万円から2万円でしょう。法事では料理と引き物を用意してもらえますが、これらの合計が1万円前後になります。この費用が目安となります。法事では、御香典を施主に直接手渡しましょう。「御仏前へ、お供えしてください」と一言添えると良いでしょう。

 

不幸というものは突然起こります。
事前に準備されていない方がほとんどなのではないでしょうか

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