葬儀社は、地域に根差す企業です。
どれだけインターネットが発達して、WEBから葬儀社を選ぶ時代が来ようとも、多くの人は地元の葬儀社を選択します。
それは、葬儀というものが古くは企業が提供するサービスではなく、地域共同体の中でなされる文化的な儀式だったからかもしれません。
葬儀には地元の寺院の力が不可欠ですし、風習も地域性が色濃く出ます。
そのため、葬儀社も、地域に根差したさまざまな貢献活動を行っています。
その一例をご紹介します。
地域行事への参加
地元の商工会や商店街の組合に加盟している葬儀社はとても多く、地域行事に積極的に参加しています。
お祭りであったり、盆踊りであったり、地域に根差した葬儀社ほど積極的に参加しています。
地域住民向けのセミナーなどの開催
葬儀や仏事について分からないという人はとても多く、そうした人向けに積極的に終活セミナーや会館の見学会などを実施しており、多くは無料で開催しています。
葬儀について気になることがある人は参加してみるとよいでしょう。
ただし、会員への入会や生前予約への過剰な勧誘がある場合には、無理せず、自分の意志をはっきり伝えましょう。
災害時の救援活動
大規模災害が起きた時に、葬儀社だからできることがあります。葬儀の業界団体である全日本葬祭業協同組合連合会(全葬連)は、大規模災害や事故が起きた時に、物資の拠出などの支援活動を行っています。
平成30年8月時点で、全国46都道府県122市34町村11東京都特別区の締結をしています。
1985年の日航機墜落事故の時には、遺体の搬送などを全面的に協力し、阪神淡路大震災や東日本大震災では、数千に及ぶ棺の提供、ボランティアの派遣を行っています。
自治体による終活支援のサポート
自治体地元葬儀社と一緒になって、積極的に市民の終活支援に乗り出す動きが全国で見られます。
その先駆けとなったのは横須賀市。
2015年から、頼れる身内のいない高齢者、いわゆる「おひとりさま」向けのエンディングサポート事業を行っていますが、市役所が24時間365日対応するのはなかなか困難なことです。
そこで横須賀市は、市内の9社の葬儀社と協力関係を結んで、事業を展開しています。市民も、間に市役所を挟むことで、安心して死後事務委任契約を結べるようです。少子高齢化で、独居老人の孤独死がすでに社会問題となっている中、行政と葬儀社がタッグを組んだ新たなエンディングサポートのモデルとして注目を集めています。同様の動きは、神奈川県大和市、千葉県千葉市、兵庫県高砂市などでも見られます。