いつまで続く喪失感 「グリーフケア」の重要性

「グリーフケア」という言葉をご存知でしょうか?
まだ比較的新しい概念ですが、大切な人を亡くした人が悲しみから立ち直るために周囲が支えるというもの。
高齢化が進むこれからの社会の中で非常に大切なポイントになっています。
今回はグリーフケアについて調べてみましょう。

「グリーフケア」とは相手を慈しむこと

「グリーフ」とは喪失からくる悲しみや苦しみのことを指します。
グリーフケアとは、身近な人を失った人、または失いそうな状態の悲しみから生じるさまざまな問題を軽減させてあげることです。
その人に寄り添い、慈しむ心でサポートすることが求められます。

まず大前提として、大切な人、身近な人を失って悲しみにくれることはごく自然なことです。一時的にふさぎ込んだり、心身に不調をきたしたりすることは異常なことではありません。
日本人は感情を表すことが苦手な人が多いと言われています。
身近な人の死の悲しみを乗り越えるには、まずその悲しみの感情と素直に向き合い認めることが必要です。

「グリーフケア」ができる人とは

では、グリーフケアとはどのような人ができることなのでしょうか。

これは特に資格が必要なわけではないのです。
身近な家族や親族、友人、葬儀社や医療機関従事者など、幅広い立場の人に求められるものと認識しておきましょう。

特別な資格を持った人が悲しみを癒してくれるのではなく、遺族に対して周囲の人間がそれぞれの立場で手助けをすることが大切なのです。

日本グリーフケア協会は「グリーフケアアドバイザー」の養成に努めていますが、養成講座の受講者は、医療従事者、介護職、葬儀社、仏壇店、墓石店、僧侶、身近な人を失った方など、実にさまざまです。看取りや死の現場に携わる人たちで、遺族に対して心のケアの実践方法を学びたい人たちが集まっている印象を受けます。

話を聞くだけでもいい

立場や遺族との関係性によってもやってあげられることには違いがあります。
たとえば家族や友人であれば、故人との思い出話を聞いてあげることも大切な役割です。

喪失感がいつまで続くのか、それは本人にもはかり知れないことでしょう。
むやみに「頑張れ」と励ますのではなく、「気持ちに寄り添ってあげること」が心身の回復への第一歩になります。

伝統的な葬儀や仏事も、グリーフケアの一環

これまで長らく慣習のように行われてきた葬儀や仏事も、グリーフケアの役割を大きく果たしています。「グリーフケア」という言葉が輸入される前から、日本人は日本人の形としてグリーフケアを実践してきていたことを意味します。

たとえば葬儀は、故人の死に意味を与えるため、そして参列者や周囲の人たちが遺族をいたわるために行われてきたと言えます。ショックや虚しさに襲われる遺族が、少しずつ大切な人の死を受け止めるきっかけとなることが葬儀の目的です。

また、四十九日、一周忌、三回忌と続く故人の法事も、グリーフケアの一環です。大切な人の死を受け入れるには、どうしても長い時間が必要です。その長い時間の中で区切りとなる日に、親族が集まり、僧侶を招き、ともに故人の死や死別の悲しみを共有しながら、死後の安寧を祈るのです。

こうした機会を繰り返していくことが、ゆっくりと死別の傷が癒えていく支えとなることでしょう。

心に寄り添う葬儀業者もある

最近では葬儀社などでもこのような概念に基づいて葬儀などを進めてくれるところもあるようです。
故人の好きだった花を飾ったり愛唱歌を会場に流したり、その人らしい葬儀を行うよう相談に乗ってくれる業者もあります。
精神的な支えだけでなく、専門知識が必要な場合には弁護士や税理士、司法書士などを紹介してくれる業者もあるようです。

これから認識が進む分野

グリーフケアはこれから認識が進んでいく分野です。
実際に死別をした後ではなく、家族が余命を宣告され死が迫っていることを感じるだけでも不安が押し寄せてくる、そういった場合も増えてくるでしょう。
家族や親族、友人やカウンセラーなどさまざまな立場の人が関わることが、身近な人の死に直面している人の心を支える社会につながるのではないでしょうか。

私たちAZUMA葬祭は、葬儀や仏事のプロフェッショナルとして、お客様の想いに寄り添ってご相談にお答えします。不安に思うことや分からないことなどがございましたら、こちらのお申込みフォームから、お気軽にお問い合わせください。

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