お盆には、故人さまやご先祖さまがわが家に帰ってくると信じられています。そのため、お盆のお飾りやお供えも通常よりも多くのものを並べて、ご先祖さまを迎えます。
お盆のお供えにはしきたりがありますが、そのうちのひとつが精進料理です。御膳の上に並べられたお供え物にはどのような意味や決まりがあるのでしょうか。詳しく解説いたします。
精進料理は「霊供膳」に並べる
仏さまやご先祖さまにお供えする御膳のことを「霊供膳」と呼びます。よく、旅館や割烹など、座敷で食事をとる時に御膳を用いますが、霊供膳も同じような意味合いで、仏壇にお供えする時に用いられるお膳です。
ただし、霊供膳では肉や魚などは用いず、精進料理が盛られます。日本では、故人さまやご先祖さまはあちらの世界で仏弟子となって、いまも修行に励んでいると考えられています。だからこそ、修行者への食事は精進料理でなければならないのです。
精進料理とは
精進料理とは、修行僧が仏教の戒律(修行者が守るべき決まりごと)に即した食事のことです。動物を殺生することなく、野菜や豆腐などの植物性の食材のみで作った料理を指します。
「精進」とは、仏教用語であり、次のような意味合いがあります。
雑念を去り一心に仏道修行すること
身をきよめ、行いを慎むこと
肉類を食べず菜食すること
その事に打ち込んで努力を続けること
精進料理は大変質素なものですが、それを食することもまた、修行なのです。
霊供膳の並べ方
霊供膳には、5つのお椀が並び、基本的には人が食事をとる時の配列と同じです。手前の左側にごはん、右側にお汁もの、そして奥におかず、というのが基本ですが、霊供膳もこれにならいます。
手前左:親碗(白米)
手前右:汁椀(みそ汁やお吸い物)
奥左:平椀(煮物)
奥右:壺椀(和え物)
中央:高坏(漬物)
一番手前に箸を置く
気を付けなければならないのは、霊供膳はご先祖さまへのお供え物なので、手前が奥を向くようにします。つまり、人が食べる時と同じように上に挙げたお椀を並べて、最後にぐるっと180度回転させるとよいのです。
精進料理を作る便利グッズも
霊供膳には5つの品目が並びます。しかも、煮物や和え物や汁物など、手間がかかるものも少なくありません。
それらに時間をかけられない方は、電子レンジでお供え物ができてしまう便利なアイテムも販売されていますので、こうしたものもうまく活用して、無理なく、すてきなお盆をお迎えください。
終わりに
この記事では、お盆にお供えする精進料理や、霊供膳について解説いたしました。葬儀のことだけでなく、その後の仏事や供養のことで分からないことがありましたら、どうぞお気軽にAZUMA葬祭にご相談下さい。
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