寒さが厳しい冬に行われるお葬式では、コート選びに悩む方も多いでしょう。お葬式に適した服装には礼儀が求められますが、冬のコートも同様です。
しかし、黒のコートを持っていない場合、どんな色が許されるのでしょうか。また、素材やコートの種類も気になるところです。
本記事では、葬儀の現場を良く知るプロの葬儀社が、冬のお葬式でのコートの選び方や、どこまでがマナーとして許されるのかについて解説します。葬儀の場での装いに悩んでいる方はぜひ参考にしてみてください。
葬儀のコートのマナー、3つのポイント
まずは、葬儀のコートに関するマナーの3つのポイントを押さえておきます。これを踏まえておけば、どのコートを着るべきかの判断が付きやすくなるでしょう。
コートは会場内では脱ぐ
葬儀では喪服を着用します。コートはその上に羽織る防寒具であり、会場に到着したらコートを脱ぐのが基本です。つまり、コートはあくまで移動中の防寒具として扱われるものですから、厳密なマナーにこだわりすぎなくてもいいでしょう。
式場や会場に到着したらコートは脱ぐのが基本です。親族は控室にかけておき、参列者はクロークに預けるか、腕にかけておきます。そのため、会場内で目立つ心配は少なくなります。
ただし、移動中や待合ロビーなどで人目につく場面もあります。黒のコートが理想的とされますが、ダーク系の色でシンプルな物であれば、一定の範囲内で許容されているのが実情と言えるでしょう。
近年では、お葬式の服装も多様化しており、必ずしも黒にこだわらない方も増えています。実際の葬儀の場では、ネイビーやグレーのコートを着ている方も見かけますし、ダッフルコートやダウンジャケットで参列する人もいます。
ただし、装いの基本は「故人やご遺族への敬意」ですので、あまりカジュアルになりすぎないよう心がけましょう。
基本はシンプルな黒。ダーク系も可
喪服の基本でブラックフォーマルであることから、コートも黒色でシンプルなものを選ぶのが無難です。黒は弔事の場における正式な色であり、遺族や参列者への敬意を示すとされています。
ただし、先ほども触れたように、式典に参列する時にコートを着るわけではないので、必ずしも黒のコートでなければいけないわけではありません。黒が手元にない場合は、ネイビーやダークグレーなど、落ち着いたダーク系の色合いであれば問題ありません。いずれの色も礼儀を損なわず、会場の雰囲気に調和します。
ただし、色味が暗めでも、カーキやダークブラウンなどの色は控えるべきです。これらの色はカジュアルな印象を与えやすく、葬儀にはふさわしくありません。葬儀の装いで重要なのは「シンプルで控えめ」であることです。そのため、コートも派手な装飾がないものを選び、華美な印象を避けるようにしましょう。
派手、カジュアルはNG
葬儀のコートは、色、素材、種類ともに「カジュアルすぎないこと」が最も重要です。
赤や白などの明るい色、派手なボタンやベルトが目立つデザイン、ロゴが大きく入ったコートはNGです。
フード付きのダッフルコートやスポーティなダウンジャケットなどは、カジュアル感が強くなりがちです。しかし、最近では防寒が優先されることもあり、シンプルなデザインであれば許容される場合もあります。
たとえダッフルやダウンを着用する場合でも、フードを取り外せるものや、装飾が少ない落ち着いたデザインを選ぶとよいでしょう。
どのようなコートを選ぶにしても、過度な装飾がなく、落ち着いたデザインであるかどうかを基準にすると安心です。
以上の3点を押さえた上で、コートの選び方について具体的に解説いたします。
葬儀で着るべきコートの色
基本は黒色のコート
最もよいのは黒色のコートです。
黒は弔事の場における正式な色であり、遺族や参列者への敬意を示します。特に、葬儀が格式の高いものである場合は、黒のコートを選ぶのが無難でしょう。
ネイビーやグレーも可
黒のコートがない場合は、ネイビーやグレーのコートも許容範囲です。いずれもダーク系の色味であるため、場の雰囲気を壊すことはありません。特に年配の方や男性は、黒以外のシンプルなダークカラーを選ぶことも一般的です。
ベージュは避けた方がいい
ベージュはカジュアルな印象が強く、弔事の場にはふさわしくありません。また、明るすぎるため周囲から浮いてしまう可能性があります。万が一ベージュのコートしかない場合は、なるべく短時間で会場に移動し、早めにコートを脱ぐことを心がけましょう。
明るい色はマナー違反
白やパステルカラーなど、明るい色のコートは弔事の場では厳禁です。
葬儀で着るべきコートの素材
基本はカシミヤやウール
カシミヤやウール素材のコートは、上品な印象を与え、葬儀の場にもよく合います。防寒性が高く、シンプルで落ち着いた雰囲気を演出できるため、特におすすめの素材です。
ビニールやナイロンは避けるべき
ナイロンやビニール素材のコートは、スポーティーな印象が強く、弔事には適しません。カジュアルな場面では便利な素材ですが、葬儀の場では避けるのが賢明です。
ムートン、レザー、毛皮はNG
ムートンや毛皮、レザー素材のコートは高級感がある一方で、葬儀にはふさわしくありません。これらの素材はカジュアルさや華美な印象を与えるため、弔事の場では不適切とされています。
葬儀で着るべきコートの種類
基本はチェスターコートやステンカラーコート
チェスターコートやステンカラーコートは、シンプルで上品なデザインが特徴であり、弔事の場にも適しています。無地でシックな色合いのものを選べば、葬儀の雰囲気に自然と溶け込むでしょう。
トレンチ、ダッフル、ダウンなども可
寒さが厳しい冬場には、トレンチコートやダッフルコート、ダウンジャケットなどを選ぶこともあります。これらのコートは、デザインがシンプルであれば葬儀の場でも許容されます。ただし、派手な装飾が付いたものは避けましょう。
明るい、カジュアル、装飾品が多いものはNG
明るい色のコートや、カジュアルな印象を与えるもの、装飾品が多いデザインは、弔事にはふさわしくありません。全体的に落ち着いたデザインと色合いのコートを選ぶことが重要です。
終わりに
いかがでしたでしょうか。冬のお葬式では、寒さ対策をしつつ、マナーを守ることが求められます。黒色のコートが理想ですが、ネイビーやグレーも選択肢に入ります。また、カジュアルすぎる素材や装飾品の多いデザインは避け、上品で落ち着いた印象を与えることを心がけましょう。
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